感謝かんしゃ離はなれ　ずっと一緒いっしょに

2020年ねん映画えいが館かん鑑賞かんしょう124作品さくひん目め

原作げんさく未読みどく

仲なか睦むつまじい老ろう夫婦ふうふの美うつくしい物語ものがたり

感動かんどうした
今年ことし1番ばん涙なみだが出でた作品さくひん
こういうのに自分じぶんは弱よわいんだろう

70分ふんは魅力みりょくである
9時じ30分ふん過すぎに鑑賞かんしょう
午前ごぜん中ちゅうにドクターデスを観みるにはこれしか選択肢せんたくしがなかった

尾藤びとうイサオと中尾なかおミエがダブル主演しゅえん
老ろう夫婦ふうふを演えんじる
この2人ふたりの芝居しばいを観みるのは久ひさしぶりで記憶きおくになく新鮮しんせんだ

帰かえりたいと激はげしく駄々だだを捏こねるところ
赤あかいドレスに泣なきつくところ
そのほかにも泣なけるところ多おおい

息子むすこ夫婦ふうふや孫まごたちの姿すがたがほとんどなかったがそれがかえってシンプルで良よい
お見舞みまいに来こないわけないし当然とうぜんのことながら葬儀そうぎとかにも出でたんだろうけど初はじめから意図いとしてカットしている
そのおかげでホームドラマではなくラブストーリーになった
アメリカや韓国かんこくの映画えいがじゃあり得えないだろうけど
でもよくよく考かんがえてみたらそれなら初はじめから子供こどもはできなかった設定せっていの方ほうが良よかったのではないか

思おもい出でが詰つまったマイホームで一人暮ひとりぐらしではなく妻つまが住すんでいた老人ろうじんホームで余生よせいを過すごす選択せんたくはわかるような気きがする

中尾なかおミエの芝居しばいが良よかった
尾藤びとうイサオの芝居しばいはわざとらしい感かんじもしたがこういう人ひとも世よの中なかにいるだろう
あるあるじゃないから共感きょうかんは重要じゅうようではない

作品さくひんは意外いがいに良よかった

予算よさんが相当そうとう限かぎられているのだろう。何なにのために作つくったのかわからないほどに、作品さくひんとして見みるべき点てんは殆ほとんど無ない。両親りょうしんの介護かいご・看取みとりをしたが、状況じょうきょうに対たいする当人とうにんや家族かぞくの葛藤かっとうはこんなものでは全まったく無ない。周辺しゅうへん人物じんぶつが全まったく出でて来こず、場面ばめんも家いえと施設しせつ・病院びょういんだけで、背景はいけいがこれほどまでに描えがかれない作品さくひんは記憶きおくにない。中尾なかおミエの演技えんぎはリアルで良よかった。

ー今こん作品さくひんのメインターゲットではない事ことは重々じゅうじゅう承知しょうちしつつ、劇場げきじょうへ・・－

■今いま作さくの魅力みりょく

　１．笠井かさいさん夫婦ふうふが、新婚しんこん当時とうじからお互たがいを労ねぎらわり、思おもい遣やりながら二人ふたりで生いきてきたと思おもわれる描写びょうしゃの数々かずかず。
　　・新婚しんこん時じ、妻つまのために購入こうにゅうした当時とうじの社宅しゃたくには“大おおきすぎる”ピアノ
　　　－　”惚ほれた弱よわみかなあ・・”とサラっと、笑顔えがおで言いう笠井かさいさん。ナカナカ言いえないね・・。同性どうせいから見みても、素敵すてきである。－

　　・朝食ちょうしょくを妻つまの分ぶんも含ふくめて、キチンと作つくる笠井かさいさん。そして、朝食ちょうしょくを食たべながら何気なにげない会話かいわを笑顔えがおで交かわす二人ふたりの姿すがた。
　　　－　夫婦ふうふの会話かいわって、大事だいじだよなあ・・。普通ふつうに傍はたにいるからこそ・・。－

　　・夫おっとの靴下くつしたに穴あなが開ひらいているのを見みて、”お世話せわになりました。有難ありがとう。ご栄転えいてんです・・。”と言いってからゴミ箱ごみばこに捨すてる和子かずこさん。
　　　－　”いつも、明あかるい妻つまに助たすけられてきましたから・・”と笠井かさいさんは、笑顔えがおを浮うかべながら、優やさしいナースさんに、話はなしていたね。－

　２．和子かずこさんが倒たおれた後のちも、健気けなげに笑顔えがおを浮うかべて看病かんびょうし、出来できるだけ傍はたにいる笠井かさいさんの姿すがた。
　　・妻つまに笑顔えがおが無なくなっても、無理むりに笑顔えがおを作つくって、傍はたに居いてあげる姿すがた。
　　・そして、笠井かさいさんが無理むりをしている事ことを見抜みぬき、優やさしい言葉ことばを掛かけるナースさんも良よい。

　３．伴侶はんりょが亡なくなってしまった後のちの、笠井かさいさんが哀かなしみを堪こたえつつ、和子かずこさんの遺品いひんを整理せいりする姿すがた。和子かずこさんお気きに入いりの赤あかいドレスを抱だきしめる姿すがた。
　　・キツイなあ・・。私わたしには、無理むりだなあ・・。ずっと、取とって置おくだろうなあ・・。

＜伴侶はんりょとの関係かんけい性せいを、いつも良好りょうこうに保たもつのは、とても難むずかしい。（ここ、物凄ものすごく実感じっかんこもってます・・。）
　けれど、心しんの片隅かたすみにいつでも相手あいてに対たいする思おもいやりや敬愛けいあいする気持きもち、出来できるだけ会話かいわをする事ことの大切たいせつさを、今更いまさらながら感かんじた作品さくひん。
　定年ていねんなんて、まだまだ先さきだと思おもっているが、時ときが過すぎるのは早はやい。
　”その時ときになって”問とわれるのは、
　－夫婦ふうふで、どのように生いきてきたかと言いう事実じじつだろうなあ、ー　とも感かんじた作品さくひん。＞

■感動かんどうに水みずを差さす言葉ことば
　・今いま作さくでは、奧おくさんが倒たおれてしまったが、
　　当家とうけでは間違まちがいなく私わたしの方ほうが先さきであろう・・。

　　その時ときに、”氷こおりの冷笑れいしょう”を浮うかべた家人かじんが、動うごけない私わたしに対たいして
　　”お世話せわになりました。有難ありがとう。ご栄転えいてんです・・。”
　　と言いって、ポイっと捨すてられないように気きを付つけよう・・・・・・・・・（涙なみだ）
　　と、激はげしく思おもった作品さくひんでもある・・。

尾藤びとうイサオさんとは意外いがいだったけど、原作げんさくから感かんじる陽気ようきで前向まえむきなキャラ全開ぜんかい。
長年ながねん苦労くろうをかけた奥おくさんに寄より添そう夫おっとの姿すがたに涙なみだ涙なみだ涙なみだー。