PIG ピッグ

トリュフを探索たんさくする豚ぶたを盗ぬすまれた主人公しゅじんこうの、人生じんせい再生さいせいへの旅路たびじを描えがく物語ものがたり。

ニコラス・ケイジ主演しゅえんの人間にんげんドラマ。Ｂ級きゅう映画えいが主演しゅえんが続つづくニコラス・ケイジですが、この作品さくひんはメジャーテイスト。自みずからが製作せいさくに加くわわっているようなので、一念いちねん発起ほっきした映画えいがなのかもしれませんね。
評論ひょうろん家筋いえすじの評価ひょうかも高たかい・・・とのＢＳレビューもあり鑑賞かんしょう。結果けっか、予想よそう以上いじょうの良作りょうさくでした。

物語ものがたりはサスペンス・・・ではなく、人間にんげんドラマ。人生じんせいを捨すて、山間さんかんで世捨よすて人びと同然どうぜんとなった主人公しゅじんこう。その主人公しゅじんこうが、人生じんせい最後さいごのパートナーとなった豚ぶたを捜さがし求もとめてポートランドに舞まい戻もどり、過去かこの自分じぶんと向むき合あう姿すがたを描えがきます。
彼かれが何者なにものなのか、何故なぜ隠遁いんとんしたのか・・・等とう、物語ものがたりが進すすむつれ明あきらかにする手法しゅほうにも無理むりがなく、興味きょうみを引ひきつけます。
道連みちづれと若者わかものと父親ちちおやとの関係かんけいも上手じょうずに絡からませ、物語ものがたりに深ふかみをもたらせます。

唯ただ一気いっきになったのは、ファイトクラブのようなシーン。その場面ばめんでは感かんじませんでしたが、見み終おわった後のちには大おおきな違和感いわかんを感かんじてしまいました。

私的してき評価ひょうかは4にしました。

チャック・パラニュークも住すむポートランドの話はなし、と思おもって見みると面白おもしろい。『ザ・メニュー』とセットで見みるといいと思おもう。あとちょっと『バベットの晩餐ばんさん会かい』ぽくもある。

毛けがフサフサの豚ぶたが可愛かわいくて序盤じょばんでしか見みられないのがもどかしい、寡黙かもくでクールなニコラス・ケイジが渋しぶい反面はんめんで喋しゃべらな過すぎてイライラさせられる、拐さらった理由りゆうが腑ふに落おちなくてあの親子おやこが特とくに父親ちちおやが身勝手みがってで単たんに振ふり回まわされただけのニコラス・ケイジに同情どうじょうはするが怒いかりが沸点ふってんに達たっしながらも意気いき消沈しょうちんな結末けつまつ、リベンジスリラーと銘打めいうった雰囲気ふんいきのみでシュールというか仄々としたヒューマンドラマとして意表いひょうを突つかれる展開てんかい、監督かんとくの次つぎ作さくに期待きたいしてしまう感かんは否いなめない。