尾おかしら付つき。のレビュー・感想かんそう・評価ひょうか

いち佐原さわらミズファンとして見逃みのがせないと、渋谷しぶやまで足あしを延のばして鑑賞かんしょう。

上映じょうえい時間じかん的てきにも脇わきの話はなしはできないのは予想よそうしていたが、でもやっぱり勿体もったいないなぁ、と思おもってしまう。
地味じみだけど、どれもあたたかくて、主題しゅだいや関係かんけい性せいを補強ほきょうしてくれるものばかりだから。
特とくに日にちサロ兄にいちゃんが好すきだから、姉あねとのエピソードがもっと見みたい。
あと、仕方しかたないとは思おもいつつもあの配分はいぶんなら川島かわしまくんはうまく使つかってほしかった。

とはいえ、原作げんさくを意識いしきしなければ脚本きゃくほん自体じたいはまずまずまとまっていたと思おもいます。
だが、あのいかにも「カメラが回まわってから動うごき始はじめました」といった不自然ふしぜんさは何なにだろう。
カットの繋つなぎもよくなかったし、そのくせ変へんなとこで尺しゃくを取とる。
演技えんぎもいまひとつだったが、演出えんしゅつと編集へんしゅうがあまりにも良よくなかったように感かんじる。
細こまかいけど、グローブ上あげながら走はしる那智なちがレギュラー取とるのも無理むりがあるでしょ。
予算よさんの関係かんけいか、回想かいそうを省はぶいて台詞せりふだけで過去かこを語かたらせてしまったのも残念ざんねん。
エンドロール後ごのエピソードも後味あとあじよくないし、だったら他たの話はなしを入いれてほしかったかな。

演出えんしゅつ以外いがいは水準すいじゅん以上いじょうだったし、メッセージ性せいはきちんと伝つたわるつくりだった。
ただやはり佐原さはら作品さくひんのあの雰囲気ふんいきを実写じっしゃで出だすのはムリなので、もっと振ふり切きった改変かいへんでもよかったかも。
今いまさらながら、『マイガール』のアニメ化か希望きぼう！

武田たけだ梨奈りなすきだから観みるんだよね。
オープニングは喧嘩けんかしてて「武田たけだ梨奈りなをイジメるな！」と思おもっちゃった。「お前まえも佐野さの岳たけしなんてハイキックでとばせよ」とか思おもうんだけど、そういう話はなしじゃないね。

それでオープニングになるんだけど、なんか、映像えいぞうのセンスというか、おかしい感かんじがするの。テレビドラマのオープニングっぽいね。

それで主人公しゅじんこう二に人にんの中学ちゅうがく時代じだいに戻もどって話はなしが始はじまりますと。
多様たよう性せいの話はなしなんだよね。かなり分わかりやすく話はなしが進すすんでくの。
お姉ねえさんが出でてくると、全部ぜんぶ台詞せりふで理屈りくつを述のべてくとか、なんか造づくりがどうもって違和感いわかんはあるの。

それで主人公しゅじんこう二に人にんが色々いろいろとやって、まあ丸まるくおさまるのね。
そんなに「すごい」という話はなしではないんだけど、真まっ直すぐな話はなしを、真まっ直すぐに聞きかされて、主人公しゅじんこう二に人にんも真まっ直すぐだから、まあ、良よいかなと思おもいました。

生うまれつきブタの様ようなしっぽがはえている男おとこの子こと、日焼ひやけ出来できない女おんなの子このコンプレックスと偏見へんけんのお話はなし。

30歳さいになった夫婦ふうふが子こどもをつくるか否ひかでケンカをし、二人ふたりの出会であいからを振ふり返かえる体からだでみせていく。

自分じぶんのコンプレックスから妻つまに暴言ぼうげんを吐はいてしまった夫おっとに、今いまは幸しあわせじゃないのか？と疑問ぎもんを感かんじる始はじまりで、その後ごも随分ずいぶん極端きょくたんだったり粗あらかったり、どうしても嫌いやなら切除せつじょっていう選択せんたくだってこの両親りょうしんなら賛同さんどうしてくれるだろうしね。

そんな感かんじでしっかり観みたらツッコミどころ満載まんさいではあるけれど、爽さわやかだしコミカルだし展開てんかいもわかり易やすいし、そしてテーマも非常ひじょうにわかり易やすいしでとても面白おもしろかった。

今年ことし281本ほん目め（合計ごうけい931本ほん目め／今月こんげつ（2023年ねん8月がつ度ど）20本ほん目め）。
（参考さんこう）前期ぜんき214本ほん目め（合計ごうけい865本ほん目め／今月こんげつ（2023年ねん6月がつ度どまで））。

　原作げんさくコミックがあるとのことですが、私わたしは読よんでいないほうです。逆ぎゃくに言いえば原作げんさくコミックを超こえるような描写びょうしゃはできないという制約せいやくも存在そんざいし、採点さいてんをどうするか…がかなり迷まよう作品さくひんです。

　「ぶたのしっぽ」のようなしっぽを持もった男おとこの子こと、日焼ひやけしない体質たいしつの女おんなの子この恋愛れんあい映画えいがといったところです。主おもに中学ちゅうがく編へん、高校こうこう編へん、高校こうこう卒業そつぎょう後ごの各自かくじの進路しんろ編へんと進すすみ、２人ふたりの「行いきつく先さき」が描写びょうしゃされるというわかりやすい（時間じかん巻まき戻もどしは原則げんそく存在そんざいしない。１か所しょだけ）というわかりやすい映画えいがです。

　この点てんでいえば、いわゆる「ちぎら君きみ～」等とうと同おなじタイプの映画えいがになりそうですが、原作げんさく小説しょうせつがあることと、設定せっていがやや突飛とっぴなところもあり、見みた感想かんそうはすっきりするタイプの映画えいがではあるし解釈かいしゃくも一いち通とおりかにしか取とれませんが、どう採点さいてんするのか…という「採点さいてんのほうが難むずかしい」タイプの映画えいがではあります。

　なお、原作げんさくコミックにあるであろう２人ふたりの自己じこ紹介しょうかいパートのようなものはこの映画えいがにもちゃんとあるので、原作げんさくを知しらない方ほうお断ことわりになっていない点てんは評価ひょうか可能かのうです。

　このように書かいたうえで以下いかのように評価ひょうかしています。

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　（減点げんてん0.3／日焼ひやけサロンに最初さいしょ、女おんなの子この主人公しゅじんこうがいって、姉あねが来くるところ）

　「こんなところ、女子じょし中学生ちゅうがくせいが（施術しじゅつを）受うけるところじゃないでしょ」と姉あね（成年せいねん。姉あねが成年せいねんである理由りゆうは映画えいがで示しめされます）が呼よばれて多少たしょう怒おこられて帰かえるシーンが最初さいしょにあります。

　一方いっぽうで未成年みせいねん者しゃ（主人公しゅじんこう）は、お小遣こづかいの範囲はんいであれば何なにをしようと自由じゆうだし（民法みんぽう）、中学生ちゅうがくせいにもなれば、「日焼ひやけサロンを受うけるとどのような問題もんだいが生しょうじうるか」という点てんに関かんしては7～8割わりは理解りかいして申もうし込こんでいるはずだし、この点てんは店みせも説明せつめいしているはずです。逆ぎゃくにいえば店みせはこの点てん同意どういしていることになります（そうでなければ、いきなり姉あねを呼よぶことの意味いみが謎なぞ）。

　つまり換言かんげんすれば、姉あね（成年せいねん者しゃ）が呼よばれるということは、一般いっぱん的てきなお小遣こづかいの範囲はんいを超こえた未成年みせいねん者しゃの契約けいやく申もうし込こみの認否にんぴを論点ろんてんにしているように思おもえますが、姉あねがいかに成年せいねん者しゃであっても姉あねには追認ついにん権けんも取消とりけし権けんもありません（これらを持もつのは、法定ほうてい代理人だいりにん。通常つうじょうは未成年みせいねんであれば、その親おや）。つまり、姉あねをつれてきてもあまり意味いみはなかったりします。
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