ルーカスフィルムと言えば、ディズニーによる買収以来、積極的に女性やマイノリティのキャラクターを登場させていることで知られている。この取り組みは多様性の推進として評価される一方で、一部の旧来のファンから強い反発を招いているという。特に、女性キャストや女性スタッフがネット上で攻撃のターゲットになることが多く、そうした行動がクリエイティブな環境に悪影響を及ぼしていると訴えている。
「私たちは女性やマイノリティのキャラクターをもっと見せることに非常に注力しています。しかし、これが一部のファンから強い反発を受けていることも事実です」とケネディ社長は語る。「特に女性キャストや女性スタッフがネット上で攻撃を受けることが多く、そのような行動はクリエイティブな環境にとって非常に有害です」と、問題の深刻さを強調した。
「スター・ウォーズ」シリーズは、1977年の第1作公開以来、世界中で絶大な人気を誇るSF映画の金字塔だ。ディズニーがルーカスフィルムを買収した2012年以降は、より幅広い層のファンを取り込もうと、女性やマイノリティのキャラクターを前面に押し出す作品作りを進めてきた。しかし、この方針転換が一部のファンの反発を招き、ネット上での攻撃的な言動につながっているのが現状だ。
ケネディ社長の発言は、こうした「スター・ウォーズ」ファンコミュニティ内の対立を浮き彫りにしただけでなく、映画業界全体におけるダイバーシティの推進と、それに伴う課題についても示唆に富んでいる。多様性を尊重し、誰もが安心して創作活動に携われる環境づくりは、業界を挙げての急務と言えるだろう。
ルーカスフィルムの最新作はディズニープラスの新ドラマ「アコライト」。主演は「マトリックス」のキャリー=アン・モスで、他にはイ・ジョンジェ(「イカゲーム」)、アマンドラ・ステンバーグ(「ハンガーゲーム」)、ヨーナス・スオタモ(「スター・ウォーズ」シリーズ)ら豪華キャストが出演。6月5日からディズニープラスで配信開始となる。