Starlink(スターリンク)のネットワーク、アンテナのIPアドレス、NATの仕様しようなどを調しらべました

Starlinkのネットワーク仕様しようは変化へんかしていきます、CGNATのポート番号ばんごうの仕様しようについてはこちらも参照さんしょうください。

Starlinkのネットワークを再さい確認かくにんしたら色々いろいろ変かわっていました

今回こんかいはネットワーク構成こうせいをもう少すこし深堀ふかほりしてアンテナから衛星えいせい側がわネットワークやCGNATの仕様しようなどについて調査ちょうさしたいと思おもいます。過去かこブログも是非ぜひ一緒いっしょにご参照さんしょうください。

• Starlink(スターリンク)がやってきたのでネットワークを調しらべました
• Starlink(スターリンク)の遅延ちえんを日本にっぽんとアメリカとドイツで長期ちょうき収集しゅうしゅうしています

Starlinkを構成こうせいするネットワーク機器ききはこんな感かんじになっています。これまでDishと書かいていましたが、アンテナと書かいた方ほうが直感ちょっかん的てきかなと思おもいますし、いちいちStarlink XXXXと書かくのも長ながいので簡潔かんけつな表記ひょうきにしています。

 

拠点きょてんやゲートウェイは国くに毎ごとに用意よういされています。アンテナからの通信つうしんはコンステレーションを介かいしてゲートウェイを通過つうか、拠点きょてんからインターネットにつながっていきます。アンテナは拠点きょてんからキャリアグレード NAT (CGNAT) のISP shared IPv4 アドレス(100.64.0.0/10 の範囲はんい)をDHCP で受うけ取とります。DHCPのリース時間じかんは5分ふん(FAQに記載きさいあり)で、アンテナが別べつの場所ばしょとかに移動いどうしたりすることで変かわる事ことがあるようです。

アンテナのIPアドレスを調しらべる

拠点きょてんのIPアドレス(100.64.0.1)にpingしてみると疎通そつうがある事ことがわかります。

$ ping 100.64.0.1
PING 100.64.0.1 (100.64.0.1) 56(84) bytes of data.
64 bytes from 100.64.0.1: icmp_seq=1 ttl=63 time=58.0 ms
64 bytes from 100.64.0.1: icmp_seq=2 ttl=63 time=48.5 ms

次つぎに、アンテナ側がわのネットワークを指さすCGNATのアドレス範囲はんいで適当てきとうなIPアドレスにPingしてみます。

$ ping 100.64.100.1
PING 100.64.100.1 (100.64.100.1) 56(84) bytes of data.
From 100.114.157.229 icmp_seq=1 Destination Host Unreachable
From 100.114.157.229 icmp_seq=2 Destination Host Unreachable
From 100.114.157.229 icmp_seq=3 Destination Host Unreachable

するとICMP host unreachable が100.114.157.229から帰かえってきました、どうやらこのIPアドレスがアンテナのIPアドレスのようです。

実じつはStarlinkの管理かんりページ(http://192.168.100.1/debug)からでも確認かくにんできます。

同おなじ方法ほうほうでアメリカとドイツのアンテナも調しらべました。まとめてみるとこうなりました。

	アンテナのIPアドレス
日本にっぽん	100.114.157.229
アメリカ	100.74.16.158
ドイツ	100.97.149.110

これはあくまで検証けんしょうにつかっていた3台だいのアンテナに割わり当あてられたIPアドレスです。またDHCPで管理かんりされているのでアドレスが変更へんこうされていく可能かのう性せいもあります。

アンテナからの通信つうしんは拠点きょてんのCGNATを介かいしてインターネットに到達とうたつします。日本にっぽんに設置せっちしたアンテナからみたネットワークのつながりはこんな形がたになりました。赤字あかじのIPアドレスがアンテナ毎ごとに違ちがう事ことになります。

CGNATについて調しらべる

CGNATは一ひとつのパブリックIPアドレスを複数ふくすうのアンテナで共有きょうゆうする事ことになります。そのため通信つうしんに使つかえるポート数すうは制限せいげんされます。この制限せいげんは家いえで色々いろいろな機器ききをネットワークに繋つないでいると影響えいきょうを受うける事ことがあります。

FAQ等とうを調しらべてみてもCGNATの共有きょうゆう数すうの情報じょうほうには辿たどり着つけませんでした。そこでシンプルな方法ほうほうですがインターネット上じょうにWEBサーバを立たち上あげ、3箇所かしょから実際じっさいにアクセスして割わり振ふられたポート番号ばんごうの範囲はんいを調しらべました。

それぞれの国くにから1000回かいぐらいアクセスし、WEBサーバ側がわでIPアドレスとポート番号ばんごうの組くみ合あわせを集計しゅうけいするとこのようになりました。

	CGNATのアドレス	計測けいそくされたポートの範囲はんい
ドイツ	145.224.72.171	17172	33159
アメリカ	98.97.57.51	1028	17131
日本にっぽん	206.83.124.218	33299	49398

これをみると一ひとつのアドレスを4台だいで共有きょうゆうしている事ことが推測すいそくできます。また1024番ばん未満みまんは除外じょがいされている事ことがわかります。

ですので実際じっさいの割わり当あてはこのようになっていると思おもわれます。使つかえるポート数すうが16,000を超こえるのは悪わるくない割わり当あて数すうだと思おもいます。

ポートの割わり当あて範囲はんい(予想よそう)	1024	17151
	17152	33279
	33280	49407
	49408	65535

インターネットに出でるまでに何なん段だんNATを通過つうかするのか？

今回こんかいの調査ちょうさで分わかったのはStarlinkのIPv4ネットワークでは

1. Wi-Fiルータで192.168.100.100に変換へんかん
2. アンテナで100.114.157.229に変換へんかん
3. 拠点きょてんで206.83.125.96に変換へんかん（4台だいで共有きょうゆう）

と3回かいNATによる変換へんかんが発生はっせいする事ことがわかりました。実じつはWi-Fiルータ部分ぶぶんはNATしなくてもつながる構成こうせいにできると思おもうのですが、実際じっさいに確認かくにんしてみたところNATしていました。ですのでWi-Fiルータ配下はいかに自営じえいルータを置おけば4段だんNAT変換へんかんされる事ことになります。ちょっとNATが多おおすぎると思おもうのですが仕方しかたないですね。アメリカのStarlinkではIPv6が使つかえるのでそちらに期待きたいです。

衛星えいせい区間くかんでのパケットの折おり返かえしについて

ネットワークで仕事しごとをしている人ひとなら多分たぶん気きになるのは衛星えいせい通信つうしんの部分ぶぶんで折おり返かえし通信つうしんができるのか？ではないかと思おもいます。宇宙うちゅうにある衛星えいせい部分ぶぶんで折おり返かえしができたら物理ぶつり的てきな距離きょりが短みじかくなって早はやくなるからです。ただ手元てもとの検証けんしょう環境かんきょうではアンテナが一ひとつの国くにに1台だいなので折おり返かえし通信つうしんができるか確認かくにんする手段しゅだんがありませんした。今後こんご環境かんきょうが整ととのったら試ためしてみたいと思おもいます。

STARLINK ビジネスが始はじまりました

このブログの執筆しっぴつ中ちゅうに公式こうしきサイトでSTARLINKビジネスが始はじまりました。これで日本にっぽんではKDDIが提供ていきょうするものと合あわせて2種類しゅるいの調達ちょうたつ手段しゅだんができた事ことになります。

このサービスではキットの価格かかくが365,000円えん、月額げつがくが28,000円えんです。STARLINKレジデンシャルとは月額げつがくだけでも4倍ばい以上いじょうの価格かかく差さがあります。

この差さは主おもに通信つうしんの優先ゆうせん度どになります。同おなじ場所ばしょにビジネスとレジデンシャルが存在そんざいすればビジネスの方ほうが優先ゆうせんして通信つうしんを使つかえる事ことになります。またキットのアンテナは高性能こうせいのうタイプとなり標準ひょうじゅんタイプより上空じょうくうの視界しかいが35%広ひろく、より衛星えいせいを捉とらえやすくなっています。

28,000円えんという月額げつがくはビジネス向むけのフレッツ料金りょうきんよりも安やすいので企業きぎょうでの導入どうにゅうも検討けんとうしやすそうです。

準備じゅんびが整ととのえば、実際じっさいにどれくらいの性能せいのう差さがあるか今後こんご検証けんしょうしてみたいと思おもいます。