「作つくりたいものを作つくる、作つくれる！」SIE・吉田よしだ修平しゅうへい氏しがインディーゲームの意義いぎを語かたる

　開催かいさい中ちゅうの「CEDEC 2021」も2日にち目めを迎むかえた。本稿ほんこうでは、8月がつ25日にちに行おこなわれたセッション「PlayStation（R）INDIES の取とり組くみ」の講演こうえん内容ないようをお届とどけする。

　本ほんセッションでは、ソニー・インタラクティブエンタテインメント（SIE）インディーズ イニシアチブ代表だいひょう・吉田よしだ修平しゅうへい氏しが登壇とうだん。PlayStationにおけるインディーゲームへのサポートの取とり組くみと、プレイステーション 5が提供ていきょうするインディーディベロッパーが活用かつようできるプラットフォームの機能きのうや開発かいはつ環境かんきょうなどが説明せつめいされると共ともに、大だいのインディーゲーム好すきとして知しられる吉田よしだ氏しのインディーゲームへの思おもいも語かたられた。

吉田よしだ修平しゅうへい氏しは、PS4用ようソフト「Ghost of Tsushima」といったタイトルを最後さいごにゲーム制作せいさくの立場たちばを離はなれ、2019年ねんにインディーズ イニシアチブ代表だいひょうに就任しゅうにん。拡大かくだいするインディーコミュニティをサポートする活動かつどうに取とり組くんでいる

「自分じぶんの作つくりたいものを作つくる」＝ インディーゲームの意義いぎ

　まず吉田よしだ氏しは、PlayStationが考かんがえる「インディーゲーム」の意義いぎについて、インディーゲームの制作せいさく者しゃの立場たちばとして、あるいはゲーム業界ぎょうかいとしての意味合いみあいを語かたった。

【インディーゲームの意義いぎ】

　インディーゲームの意義いぎにおいて、やはり「自分じぶんの作つくりたいものを作つくる」というところが1番ばんの意義いぎだと考かんがえる吉田よしだ氏し。パブリッシャーや投資とうし家か・クライアントがいてゲームを開発かいはつする場合ばあいとは異ことなり、“自分じぶんが作つくりたい”、“自分じぶんが面白おもしろい”と思おもうところを信しんじて作つくることができるのが重要じゅうようであると語かたった。また、そうやって作つくられたものが必かならずしも最初さいしょ、周囲しゅういからの理解りかいを得えられなかったとしても、完成かんせいしたときには画期的かっきてきなタイトルになるケースが多々たたあるとした。

　これに加くわえて、ディベロッパーとしては作つくったゲームのIP（著作ちょさく権けん）の所有しょゆうが可能かのうになる場合ばあいが多おおいことを挙あげる。これは非常ひじょうに重要じゅうようとして、権利けんり者しゃはどのようにタイトル・IPが今後こんご発展はってんしていくのか、あるいはタイトルの完成かんせいに関かんして、自分じぶんたちが責任せきにんをもって決きめることができる、自分じぶんたちがそのIPの行ゆく末すえを決きめることができるのは非常ひじょうに大おおきなことだとした。これはクリエイティブな部分ぶぶんだけでなく、IPを所有しょゆうしているディベロッパーの価値かちそのものを大おおきく上あげることに繋つながるものと説明せつめいした。

　さらに自社じしゃ発売はつばいすることによって、ユーザーとのダイレクトなコミュニケーションを取とることができるのも強つよみであるとする。パブリッシャーがサポートしている場合ばあいとは異ことなり、開発かいはつ中ちゅうのタイトルをテストしてもらい内容ないよう改善かいぜんを行おこなったりと、将来しょうらいのタイトルへのインプットをもらう、自分じぶんたちのタイトルの1番ばんのファンとして他ほかのユーザーにプロモーションしてもらうなど、ディベロッパーが自みずから重要じゅうようなコミュニティを育そだてることができるというのもよい点てんとした。

　その一方いっぽう、ゲーム業界ぎょうかいから見みて、インディーゲームというのは「新あたらしいゲームジャンル」の発明はつめい。「新あたらしいイノベーション」が起おこる。そのようなことがインディーゲームのシーンから多おおく出でてきていると指摘してきする。

　その例れいとして「Minecraft（マインクラフト）」や「PlayerUnknown's Battlegrounds（PUBG）」などのタイトルを挙あげ、いまやビッグタイトルとして知しられているタイトルも、1番ばん最初さいしょはインディーゲームとしてスタートしたケースが多おおいと紹介しょうかい。これまでになかったものだからこそ、インディーゲームとして今いままでにない表現ひょうげん、これまでのゲームジャンルではなかったテーマに挑いどみ、“自分じぶんたちが信しんじるタイトル”を完成かんせいさせたことは、いま大人気だいにんきのゲームジャンルの雛ひな型がたを業界ぎょうかいに示しめしたくれたと述のべた。

【インディーゲームからビッグタイトルへ】

「Minecraft（マインクラフト）」。ゲームクリエーションのコミュニティのジャンルを提示ていじした

「PlayerUnknown's Battlegrounds（PUBG）」。いまやお馴染なじみのバトルロイヤルというゲームジャンルの雛ひな型がたを示しめした

「No Man's Sky」では「アルゴリズムで全すべてを作つくる」という壮大そうだいなプロジェクトを実現じつげん。クリエイターのビジョンがそのままゲームになった素晴すばらしいもの、と吉田よしだ氏しは評価ひょうかした

「Fall Guys: Ultimate Knockout」はバトルロイヤルとアクションプラットフォームを掛かけ合あわせたような、誰だれでも楽たのしめるゲームジャンルを作つくり出だした

　さらに業界ぎょうかいとして、最近さいきんますます注目ちゅうもくされる取とり組くみである「ダイバーシティ」。ダイバーシティには色々いろいろな意味いみがあるが、吉田よしだ氏しは女性じょせいの視点してんで作つくられるゲームなど、日本にっぽん・アメリカ・ヨーロッパといった、これまでゲーム業界ぎょうかいを牽引けんいんしてきた地域ちいきでないところのディベロッパーがその地域ちいきの文化ぶんかやメッセージを、世界中せかいじゅうにゲームを通つうじて発信はっしんしていくことが可能かのうになっていると考かんがえており、これは大おおきなスタジオよりも、まず真まっ先さきに小ちいさなスタジオ（インディー）が色々いろいろな視点してんでゲームを開発かいはつして、世よの中なかに発信はっしんしてくれているとした。

「コーヒートーク（Coffee Talk）」。インドネシアのゲームスタジオ・Toge Productionsが開発かいはつ

　もちろん新あたらしいゲームクリエイターの育成いくせいも、インディーディベロッパーでは行おこなわれているとする。やはりAAAの大おおきなスタジオでも学まなべることは多おおいが、今いまだと数すう百ひゃく名めいで何なん年ねんもかけて開発かいはつするタイトルにおいては、クリエイターはある一部分いちぶぶんだけを担当たんとうすることになる。しかし、少しょう人数にんずうのスタジオでゲームを作つくるとなると、ゲームのコンセプト作づくりから発売はつばいまでの様々さまざまなプロセスを自みずから体験たいけんできる。

　吉田よしだ氏しは、学生がくせい時代じだいにNintendo Switch向むけに「BATTLLOON」を発表はっぴょうし、現在げんざいは「ElecHead」の開発かいはつを手掛てがけているインディーゲームクリエイター・生せい高橋たかはしさんの「好すきなものを作つくりたい」というインディーの強つよみ・思おもいが語かたられたコメント動画どうがを紹介しょうかいした。

「プレイステーション」とクリエイター

　続つづいて、吉田よしだ氏しは初代しょだい「プレイステーション」の立たち上あげの時ときから新あたらしいクリエイター、新あたらしいコンセプトを求もとめてサポートしており、これまでに無なかったようなコンセプトのタイトルがプレイステーションで生うみ出だされたと強調きょうちょうした。

　PlayStationでは、家庭かてい用ようゲーム機き、携帯けいたいゲーム機き、PlayStation VRといった様々さまざまなプラットフォームを展開てんかい。その時々ときどきにおいて新あたらしい技術ぎじゅつを導入どうにゅうし、それを活用かつようした新あたらしいゲームをクリエイターが作つくってきたとする。吉田よしだ氏しは、1996年ねんに発売はつばいされたPS向むけソフト「パラッパラッパー」をその生うみの親おやである松浦まつうら雅也まさや氏しがゲームと呼よんでいいのかなと語かたったエピソードを挙あげて、当時とうじでは珍めずらしいジャンルであった音楽おんがくゲームが、今いまや重要じゅうようなゲームジャンルの1つとなっていることを指摘してき。画期的かっきてきなコンセプトのゲーム、これまでにはいなかった新あたらしいゲームクリエイターがPlayStationに参入さんにゅうする上じょうで、そのフレッシュなアイデアをサポートしてきたと述のべた。さらに、日本にっぽんでは「ゲームやろうぜ！」や「プレイステーション・キャンプ！」のようなインキュベーションの取とり組くみを行おこなったこともある、と例れいに挙あげた。

　また吉田よしだ氏しも、ワールドワイド・スタジオにて自社じしゃ発売はつばいタイトルの開発かいはつ責任せきにん者しゃではあったが、インディーゲームが本当ほんとうに好すきで、色々いろいろなイベントに出でかけていっては面白おもしろそうなゲームをプレイして、そこにいるゲームクリエイターの話はなしを聞きいていたとのこと。さらに、そこで撮影さつえいした写真しゃしんを自身じしんのTwitterに投稿とうこうし、気きになるゲームをプロモーションしていたそうだ。それが趣味しゅみというか、仕事しごとの一部いちぶだった語かたる吉田よしだ氏し。今いまとなってはインディーズ イニシアチブ代表だいひょうとしてまさに仕事しごとそのものになっており、毎日まいにちが楽たのしいと述のべた。

インディーゲームの展示てんじのいいところは「クリエイターが立たっている！」ことと強調きょうちょう

JAPAN STUDIOでの配信はいしん番組ばんぐみ。“勝手かってに”自社じしゃタイトルとは関係かんけいのないインディーゲームを紹介しょうかい・解説かいせつしたり、ゲームメディアと共ともにインディーディベロッパーへのインタビュー取材しゅざいを行おこなったそうだ

「プレイステーション 5」でディベロッパーとユーザーはより密接みっせつな関係かんけいになる！

　セッションの後半こうはん、吉田よしだ氏しは新型しんがた家庭かてい用ようゲーム機き「プレイステーション 5」に関かんする話題わだいを取とり上あげた。昨年さくねん2020年ねん11月12日にちに発売はつばいされた「プレイステーション 5」はどのような開発かいはつ環境かんきょうなのか、またPS5で初はじめて導入どうにゅうされた新あたらしい機能きのうで、開発かいはつ者しゃにぜひ使つかってほしい機能きのうを紹介しょうかいした。

　PS5は、今いままでのプレイステーションのゲーム開発かいはつ用ようSDK（ソフトウェア開発かいはつキット）で培つちかってきた経験けいけんから、さらにゲームが作つくりやすいように開発かいはつ機きと開発かいはつPCとの連携れんけいなど使つかいやすいものになっているとのこと。またSDKは、現げん世代せだいのPCライクな制作せいさくスタイルを採用さいようすることにより、プレイステーション専用せんようで独特どくとくな開発かいはつスタイルで苦労くろうすることなく、過去かこのプレイステーションの開発かいはつ環境かんきょうよりも比較的ひかくてき容易よういに開発かいはつができるようになった。

　もちろんPS5は「Unity」や「Unreal Engine」などのゲームエンジンとの親和しんわ性せいも高たかく、たくさんのゲームタイトルが開発かいはつされている。また、リモートワークのしやすさにもチャレンジしているとして、「まずはプレイステーション 5での開発かいはつをスタートしてみてほしい」と開発かいはつ者しゃに向むけて呼よび掛かけた。その上うえで、PS5がサポートしている様々さまざまな機能きのうを紹介しょうかい。全まったく新あたらしい企画きかくを考かんがえてもらえるようなインディーディベロッパーがいれば“密みつに”サポートしたいという技術ぎじゅつ開発かいはつチームの考かんがえを明あきらかにした。

キーワードは“直接ちょくせつ”！「プレイステーション 5」の新あたらしい機能きのうを紹介しょうかい

　吉田よしだ氏しは、PS5におけるディベロッパーとゲームユーザーをダイレクトにつなぐ機能きのうをいくつか紹介しょうかいした。

　その一いち例れいである「Game Hub」はゲームのホームぺージのようなもので、ゲームの発売はつばい前まえに紹介しょうかいページを制作せいさくしてSNS等とうからそのページに誘導ゆうどうすると、ユーザーはPS5上じょうで気きになるタイトルをフォローしたり、ウィッシュリストに追加ついかできる。フォローしたユーザーに対たいして、ディベロッパーは“直接ちょくせつ”新あたらしいタイトルの情報じょうほう、あるいは開発かいはつ者しゃからのメッセージを届とどけることができる。普段ふだんユーザーが公式こうしきサイトやSNSを通つうじて入手にゅうしゅしていた情報じょうほうを、PS5を立たち上あげるだけでニュース情報じょうほうを“直接ちょくせつ”ゲームディベロッパーあるいはパブリッシャーから得えることが可能かのうになった。

【Game Hub】

「ASTRO's PLAYROOM」配信はいしん後ごのページ。配信はいしん前まえであれば「ダウンロード」が「フォロー」になる

【Official News】

フォローしたユーザーに対たいして「Official News」が表示ひょうじされる

「Official News」はモバイルアプリ上じょうでも確認かくにんできる

　また「Activity」では、ゲームユーザーそれぞれの進捗しんちょくに応おうじた情報じょうほうをPS5上じょうで提供ていきょうすることができる。コントローラーのPSボタンを押おすと、ゲームの表示ひょうじをバックグラウンドにして、フォアグラウンドには「Activity」のカードが表示ひょうじされる。カードの重要じゅうような機能きのうの1つとして、ゲームとシームレス、かつダイレクトにつながること。ユーザーそれぞれのゲームの達成たっせい率りつや1プレイ単位たんいのシナリオの内容ないよう、そのクリアまで想定そうてい時間じかんなども表示ひょうじすることができるので、プレイする前まえにユーザーに様々さまざまな遊あそび・ゲームの選択肢せんたくしを提示ていじすることが可能かのうとなっている。

　吉田よしだ氏しは、遊あそびの入いり口くちをユーザーに向むけてたくさん提示ていじできるデザインを使つかって、インディーズスピリットで面白おもしろい活用かつよう方法ほうほうを考かんがえて頂いただきたい、と大おおきな期待きたい感かんを表あらわした。

【Activity】

コントロールセンターのカード

「Activity」はシングルプレイでもマルチプレイでも表示ひょうじ可能かのう。スタート画面がめんに戻もどることなく、ダイレクトにプレイスタイルを選えらぶことができる

タイムアタックの例れい。ユーザーの競争きょうそう意識いしき、ゲームプレイへのモチベーションを高たかめる工夫くふうに

フレンド内ないのランキング

　さらに「Game Help」は、開発かいはつ者しゃがプレイテスト等とうで得えたゲームのつまづきやすいポイントに対たいして、PS5上じょうで開発かいはつ者しゃから“直接ちょくせつ”サポートやヘルプを得えることができる機能きのう。ゲームの攻略こうりゃく情報じょうほうをスマートフォン等とうで検索けんさくすることなく、ディベロッパーが録画ろくがしたヒント映像えいぞうなどを見みることができる。また「Game Help」のカードは、ゲーム内ないにピクチャーインピクチャーのような形かたちで並なべて置おくことができ、ゲームプレイをしながら参考さんこうにできる。

　こうしたPS5の機能きのうについて、吉田よしだ氏しはゲームデザインの工夫くふうとして開発かいはつ者しゃに色々いろいろ活用かつようして頂いただきたいと改あらためて訴うったえた。

【Game Help】

「ラチェット＆クランク パラレル・トラブル」の隠かくしアイテム“ゴールデンボルト”を取得しゅとくする際さいの例れい

一見いっけん行いけないようなところに「Game Help」ビデオが用意よういされている

日本にっぽんにもインディーブーム到来とうらい！「インディーズ イニシアチブ」の取とり組くみ

　続つづいて吉田よしだ氏しは、昨年さくねん2020年ねんより取とり組くんでいる「PlayStation INDIES」の「インディーズ イニシアチブ」の取とり組くみ例れいを紹介しょうかい。プレイステーション上じょうでも毎週まいしゅう多おおくのインディーゲームが発売はつばいされているが、ユーザーにとってインディーゲームは名前なまえも知しらないようなディベロッパーだったり、全まったく聞きいたことのないタイトル名めいであったりと、どのゲームを選えらべばよいのかよくわからないことが多おおい。

　そうした中なかで、PlayStationでは今後こんご発売はつばいされるタイトルの中なかで「これはすごく面白おもしろい」、「これはぜひユーザーさんに遊あそんで頂いただきたい」というタイトルを選えらび、「PlayStation INDIES」という名前なまえのもと、最高さいこうのインディーゲームをユーザーに紹介しょうかいする取とり組くみを行おこなっており、吉田よしだ氏しは「PlayStation INDIES」にアクセスすれば、そこに紹介しょうかいされているタイトルが面白おもしろいオススメタイトルということで、ユーザーが安心あんしんして選えらぶことができるようになってほしいという願ねがいを込こめているとした。

【「インディーズ イニシアチブ」取とり組くみ例れい】

　PlayStationでは、定期ていき的てきに開催かいさいしている配信はいしん番組ばんぐみにて、ほぼ毎回まいかいインディーゲームのオススメタイトルを紹介しょうかいするなど、インディーゲーム好すきに対たいしてだけにではなく、世界中せかいじゅうの誰だれにでも遊あそんでほしいタイトルに関かんしては「インディーゲーム」と敢あえて言いわずに、AAAのビッグタイトルと同おなじように取とり上あげているとする。その一方いっぽうで、もちろんインディーゲーム好すきのユーザーに向むけて、定期ていき的てきに「インディーズ ショーケース」と称しょうし、ソーシャルメディアを通つうじて多おおくの最新さいしんインディーゲームを、開発かいはつ秘話ひわやニュース性せいのある内容ないようを含ふくめて紹介しょうかいしている。

　また、日本にっぽん独自どくじの取とり組くみとして「絶対ぜったいハマる！ 最新さいしんやみつきインディーズガイド」を公式こうしきブログにて掲載けいさい。こちらは日本にっぽんのスタッフが選えらんで月つきに1度ど、発売はつばい後ごのオススメタイトルを紹介しょうかいしている。そのほか、公式こうしきサイトやPlayStation Storeにある「PlayStation INDIES」の常設じょうせつコーナーにて、オススメタイトルを定期ていき的てきに追加ついか。有料ゆうりょうサービスのPlayStation Plus、PlayStation Nowにもインディーゲームが登場とうじょうするなど、面白おもしろいインディーゲームを広ひろめていく取とり組くみが紹介しょうかいされた。

　吉田よしだ氏しは、新型しんがたコロナウイルス感染かんせん症しょうの影響えいきょうについても触ふれ、昨年さくねん2020年ねんに新型しんがたコロナで影響えいきょうを受うけた開発かいはつ者しゃに対たいして、日本円にほんえんにして約やく1億おく円えんの救済きゅうさい基金ききんを作つくりサポートしたことを明あかした。この他ほかにも、目めに見みえないところでディベロッパー及およびパブリッシャー向むけのシステム・ツール類るいの改善かいぜんを常つねに行おこなっており、また開発かいはつツールの貸かし出だしプログラムも実施じっししているとする。吉田よしだ氏しは「まだプレイステーションで登録とうろくしていないディベロッパーさんは、まずパートナー登録とうろくからスタートして頂いただきたい」とした上うえで、質問しつもんや要望ようぼうを直接ちょくせつやり取とりできる仕組しくみを用意よういしていると述のべた。

　最後さいごに吉田よしだ氏しは、2000年代ねんだいから欧米おうべいで起おこった「インディーブーム」が、遂ついに日本にっぽんでも起おきていることを指摘してきした。日本にっぽんではなかなかインディーゲームの知名度ちめいどが上あがらなかったが、ここ1、2年ねんでグッと環境かんきょうが変かわってきているとして、非常ひじょうにうれしい感覚かんかくを持もっているとした。

　その理由りゆうは様々さまざまあるが、吉田よしだ氏しは6つのポイントを指摘してき。例たとえば、昨年さくねんの「天てん穂ほのサクナヒメ」のような、日本にっぽんのインディーディベロッパーによるグローバルヒット作さくが生うまれたり、ゲーム制作せいさくの経験けいけんが非常ひじょうに長ながい開発かいはつ者しゃたちが、日本にっぽんでも独立どくりつして自分じぶんたちのスタジオを立たち上あげ、ファンディングを得えて「インディー」として活動かつどうを開始かいしするケースが増ふえている。また新あたらしい世代せだいのクリエイターが必かならずしも大おおきな会社かいしゃに就職しゅうしょくするという選択肢せんたくしではなくて、自分じぶんで作つくって自分じぶんでデジタルディストリビューションでやってみようとする方ほうが増ふえていると、吉田よしだ氏しは感かんじているとのこと。

　そしてゲームをプレイするユーザーについても、過去かこに大だいヒットしたシリーズ作品さくひんだけでなく、海外かいがいのタイトルやインディータイトルも楽たのしむユーザー世代せだいがいま増ふえているとしている。それにはユーザーが情報じょうほうを得えるソースに既存きそんのゲームメディアのほか、YouTubeなどで活動かつどうするインフルエンサーが加くわわったことが大おおきく、その実況じっきょう配信はいしんの影響えいきょうからインディーゲームであってもゲームをプレイしてみようとする世代せだいに変かわりつつあるとする吉田よしだ氏し。マーケティングの部署ぶしょがなかったり、マーケティングの予算よさんがなかったりするインディーディベロッパーにとっては、インフルエンサーの存在そんざいが大おおきな力ちからになっているとする。

　また、コロナ禍かにおいて「INDIE Live Expo」といった発表はっぴょうの場ばが増ふえてきており、新あたらしいインディーゲーム向むけのファンドであったり、インキュベーションやゲームコミュニティなど、日本にっぽんの会社かいしゃによる、日本にっぽんのインディーディベロッパー向むけのサポートが様々さまざまなところからスタートしているのが、ここ1年ねんの動うごきであると指摘してきした。吉田よしだ氏しは「我々われわれPlayStationもこういった会社かいしゃと歩調ほちょうを合あわせながら、今後こんごも日本にっぽんのインディーディベロッパーが世界せかいに羽はばたいていけるサポートを続つづけていきたい」と述のべ、セッションを締しめくくった。