(Translated by https://www.hiragana.jp/)
【竹田ダニエル×永井玲衣】論破でも炎上でもなく…自分を愛し他者とつながるための「言葉」を探す(竹田 ダニエル,永井 玲衣) | 群像 | 講談社(1/4)

竹田たけだダニエル×永井ながいれいころも論破ろんぱでも炎上えんじょうでもなく…自分じぶんあい他者たしゃとつながるための「言葉ことば」をさが

だれかを攻撃こうげきする武器ぶきではなく、自分じぶんあい他者たしゃとつながるための「言葉ことば」をさがして。竹田たけだダニエルさん×永井ながいれいころもさんによる「セルフケア・セルフラブ」をめぐる対談たいだん話題わだい新刊しんかん『#Z世代せだいてき価値かちかんよりまえへん正解せいかいはないのに間違まちがいだけある社会しゃかい本当ほんとうの「セルフケア」とは?】につづけておとどけします。
竹田ダニエル『#Z世代的価値観』竹田たけだダニエル『#Z世代せだいてき価値かちかん

他者たしゃ身体しんたい身近みぢかかんじること

竹田たけだ 対面たいめんする、というのはたしかにキーですよね。アメリカでは、コロナおおくのひとあじわったつらさやいたみ、あるしゅのトラウマが言語げんごされずにわすれられつつあることに、危機ききかんうったえるこえがっています。他人たにんせっすることのリアリティがうすれてしまっている。

たとえば、アメリカのライブ現場げんばでは観客かんきゃくがアーティストにモノをげつけて怪我けがわせてしまったり、ファン同士どうし喧嘩けんかになってライブちゅうなぐいになったり、人混ひとごみにれていない若者わかものたちがバタバタとたおれてしまったり、とにかくライブでのマナーや常識じょうしきがコロナですっかりなくなってしまったようだ、というのが問題もんだいになっています。

日本にっぽんでは反対はんたいに、ライブ会場かいじょうでの動画どうが撮影さつえいやジャンプなど、自分じぶんにとっては迷惑めいわくでなくても、「マナー違反いはん行為こうい」をあげつらうみをたくさんしたり、「ただしさ」にたいして過剰かじょう反応はんのうしているような風潮ふうちょうつよくなっているようにかんじます。

日本にっぽんでいう「迷惑めいわくをかける」は英語えいごだと「bother」ですが、「〇〇が迷惑めいわくだ」にたる言葉ことば多分たぶんないんです。フィジカルに共存きょうぞんするというのが、すごく下手へたになっているがします。「よりくあろう」と真面目まじめ頑張がんばひと空回からまわりして、他者たしゃ批判ひはんするがわってしまっていませんかね。

永井ながい 20ねんまえ刊行かんこうされた綿めんりささんのりたい背中せなかには、登場とうじょう人物じんぶつたちがおたがいのからだものさわ場面ばめんがたくさんてきます。になる背中せなかを「りたい」という感覚かんかくが、けれどもいまむとなんだかへんかんじがするんです。

綿矢りさ『蹴りたい背中』綿めんりさ『りたい背中せなか

もしいまこの小説しょうせつかれるなら、「りたい」ではなく「れない」背中せなかになるんじゃないかとおもって。になるから身体しんたいれたいとか、そうおもうことができないんじゃないかと。身体しんたいげんにそこにあることへの嫌悪けんおかんが、まずさきがします。

でも、「なぜ他人たにん行為こうい不快ふかいかんじてしまったのか」をかたることは、哲学てつがく対話たいわのテーマにもなり重要じゅうようなことです。参加さんかしゃから「私語しご禁止きんしのサウナでしゃべっているひとると、自分じぶんには関係かんけいないはずなのになぜイライラしてしまうのか」といういが実際じっさいたこともあります。

関連かんれん記事きじ