「中国ちゅうごく文化ぶんかを英語えいごで伝つたえた本ほんを日本語にほんごに訳やくせ」!?...大人気だいにんき書籍しょせき翻訳ほんやくの裏側うらがわにあった知しられざる「苦労くろう」と終おわらない「冒険ぼうけん」

北極圏ほっきょくけんにある人口じんこう8万まん人にんにも満みたないノルウェーの小ちいさな町まち、アフリカ大陸たいりくの東ひがしに浮うかぶ島国しまぐに・マダガスカル、インド洋いんどようの小国しょうこく・モーリシャス……。世界せかいの果はてまで行いっても、華人かじん経営けいえいの中華ちゅうか料理りょうり店てんはある。彼かれらはいつ、どのようにして、この土地とちにたどりつき、なぜ、どのような思おもいで中華ちゅうか料理りょうり店てんを開ひらいたのか。そんな疑問ぎもんを抱だいて、世界せかいに離散りさんする華人かじんの象徴しょうちょうとも言いうべき中華ちゅうか料理りょうり店てんを訪たずね歩あるき、一国一城いっこくいちじょうの主おもや料理人りょうりにん、家族かぞく、地元じもとの華人かじんコミュニティの姿すがたを丹念たんねんにあぶり出だしたのが、関せき卓たく中ちゅう（チョック・クワン）著ちょ、斎藤さいとう栄一郎えいいちろう訳やく『地球ちきゅう上じょうの中華ちゅうか料理りょうり店てんをめぐる冒険ぼうけん（原題げんだい：Have You Eaten Yet?）』だ。

旅たびをしながらドキュメンタリーフィルムを撮とり、それを書籍しょせき化かした著者ちょしゃのクワン氏し。

1年ねんの半分はんぶんを海外かいがいで過すごしながら、翻訳ほんやく家か・ジャーナリストとして仕事しごとをこなす訳者やくしゃ・斎藤さいとう氏し。

旅たびと食しょくと言葉ことばをテーマに、著者ちょしゃと訳者やくしゃの対談たいだん記事きじをお届とどけする。

『地球ちきゅう上じょうの中華ちゅうか料理りょうり店てんをめぐる冒険ぼうけん』連載れんさい第だい30回かい

『料理りょうりのことより、世界中せかいじゅうを巡めぐった著者ちょしゃたちの「冒険ぼうけん譚たん」を...ドキュメンタリーベースの書籍しょせきが英語えいご圏けんで大だい反響はんきょうを呼よぶにいたった、納得なっとくの「工夫くふう」と「苦労くろう」』より続つづく

中国ちゅうごく文化ぶんかを北米ほくべい経由けいゆで日本語にほんごにする

斎藤さいとう：訳者やくしゃの僕ぼくとしては、原書げんしょ自体じたいが”文化ぶんかの翻訳ほんやく”を目的もくてきに掲かかげているのだから、そこからさらに日本語にほんご版ばんを作つくるのは余計よけいに難むずかしいと思おもいました。日本語にほんご版ばんでは、北米ほくべいの読者どくしゃが理解りかいしやすいように英語えいごで書かかれた中国ちゅうごく文化ぶんかを、いったん中国ちゅうごく語ごの概念がいねんに戻もどして確認かくにんしたうえで、日本語にほんごに移うつし替かえなければなりません。

クワン：私わたしは斎藤さいとうさんという翻訳ほんやく者しゃに巡めぐり会あえてラッキーでした。訳文やくぶんがすばらしいのはもちろん、中国ちゅうごく語ごもわかってくれましたから。

斎藤さいとう：それは光栄こうえいです（笑）。英えい日にちの翻訳ほんやく家かとして仕事しごとをしていますが、たまたま中国語ちゅうごくごをかじっていたのが、こんなところで役やくに立たったのは幸運こううんでした。