「巨大きょだい地震じしん」がいよいよやってくる…東京とうきょうで「出火しゅっか危険きけん度ど」が高たかい「具体ぐたい的てきなエリア」

2011年ねん3月がつ11日にち、戦後せんご最大さいだいの自然しぜん災害さいがいとなる東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいが発生はっせいした。あれから13年ねん、令れい和わ6年ねん能登半島のとはんとう地震じしんをはじめ何なん度ども震災しんさいが起おきている。さらには先日せんじつ、南海なんかいトラフ「巨大きょだい地震じしん注意ちゅうい」が発表はっぴょうされ、大だい災害さいがいへの危機きき感かんが増ましている。

もはや誰だれもが大だい地震じしんから逃のがれられない時代じだい、11刷さつベストセラーの話題わだい書しょ『首都しゅと防衛ぼうえい』では、知しらなかったでは絶対ぜったいにすまされない「最悪さいあくの被害ひがい想定そうてい」が描えがかれ、また、防災ぼうさいに必要ひつようなデータ・対策たいさくが1冊さつにまとまっている。

（※本ほん記事きじは宮地みやじ美よし陽子ようし『首都しゅと防衛ぼうえい』から抜粋ばっすい・編集へんしゅうしたものです）

注意ちゅういが必要ひつようなのは「木き密みつ」とは

巨大きょだい地震じしん発生はっせい時じに警戒けいかいすべきは、激はげしい揺ゆれによる建物たてもの倒壊とうかいや大だい津波つなみの襲来しゅうらいだけではない。同時どうじ多発たはつ的てきに起おきる火災かさいもその一ひとつと言いえる。

東京とうきょう都とが2022年ねん5月がつに公表こうひょうした首都しゅと直下ちょっか地震じしんの被害ひがい想定そうていは、最大さいだい約やく11万まん8000棟むねで火災かさいによる被害ひがいが生しょうじ、2482人にんが犠牲ぎせいになるとしている。とりわけ注意ちゅういが必要ひつようなのは「木き密みつ」だ。

戦後せんごの復興ふっこうから高度こうど経済けいざい成長せいちょう期きにかけて市街しがい化かが急速きゅうそくに進すすんだ人口じんこうの多おおい都市とし部ぶには、木造もくぞう住宅じゅうたくが密集みっしゅうする木造もくぞう住宅じゅうたく密集みっしゅう地域ちいき（木き密みつ）が多おおくみられる。

国土こくど交通省こうつうしょうは2021年ねん3月がつに閣議かくぎ決定けっていされた「住じゅう生活せいかつ基本きほん計画けいかく」で著いちじるしく危険きけんな密集みっしゅう市街地しがいちを解消かいしょうするとしているが、地震じしん発生はっせい時じに火災かさいが燃もえ広ひろがる危険きけん性せいが高たかい「危険きけん密集みっしゅう市街地しがいち」は全国ぜんこくに2219ヘクタールある。

木造もくぞう住宅じゅうたくが軒のきを連つらねる地域ちいきは、道路どうろや公園こうえんなどの都市とし基盤きばんが不十分ふじゅうぶんなことに加くわえ、消防車しょうぼうしゃや救急きゅうきゅう車しゃといった緊急きんきゅう車両しゃりょうの進入しんにゅうが困難こんなんなところも少すくなくない。

東京とうきょう都とは延焼えんしょうを遮断しゃだんする道路どうろ整備せいびや老朽ろうきゅう化かした住宅じゅうたくの撤去てっきょ、建たて替かえ支援しえんなどを進すすめ、市街地しがいちの燃もえにくさを示しめす指標しひょう「不燃ふねん領域りょういき率りつ」の平均へいきんは東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい直後ちょくごの58.4％から約やく10年間ねんかんで65.5％に改善かいぜんした。

だが、延焼えんしょうの危険きけん性せいがほぼなくなるとされる7割わりには届とどいていないのが実情じつじょうだ。木き密みつ地域ちいきの課題かだいは首都しゅとの弱点じゃくてんにもつながる。