第だい２１回かい『巻まき戻もどしはできないからな』

「なんであんなことでイライラしてたんやろう、アホやわ」と、９歳さいの友人ゆうじんが笑わらいながら話はなしている。

先日せんじつ出でかけたときに、電車でんしゃの中なかで学校がっこうの宿題しゅくだいを取とり出だした。「こんなところでするの？」と聞きくと、「少すこしでも長ながく一緒いっしょに遊あそびたいから！」と返かえってくる。嬉うれしいことを言いってくれるなあと感かんじながら、そういえば学童がくどう保育ほいくでも公園こうえんのベンチで宿題しゅくだいをしている子こがいたなと思おもい出だしていた。

机つくえに向むかって取とり組くむことが理想りそうなんだろうけれど、嫌いやなことに向むき合あって工夫くふうしているんだからいいことだと思おもって見守みまもることにする。

やり始はじめたらエンジンがかかったようで、駅えきに着つくとそのままの勢いきおいでベンチに座すわって宿題しゅくだいを終おわらせた。大おおきな声こえで「やったー！終おわったー！」と叫さけび、踊おどりながらハイタッチを要求ようきゅうしてきた。

いつもなら「いえーい！」と一緒いっしょに踊おどるんだけど、その時ときの僕ぼくは行いき交かう人ひとたちの目めを気きにして小ちいさく「やったね」とハイタッチを返かえすだけにした。

すると不満ふまんそうに「なんでそんな小ちいさいん？宿題しゅくだい終おわってんで？いっぱい遊あそべるねんで？ほら！いえーい！」とまた手てを伸のばしてくる。「人ひとが多おおいからさ、はい、いえーい！ほら遊あそびに行いこう」とまた小ちいさくハイタッチに応こたえながら声こえをかける。

「いつもはもっと喜よろこんでくれるやん」と呟つぶやくのを聞ききながら、ちょうどこの間あいだ話はなしていたことを思おもい出だす。

「大人おとなになったらな、人ひとの目めを気きにして恥はずかしがっちゃうからな、子こどものうちにはっちゃけとくねん！」と、その時ときも人目ひとめを憚はばからずに踊おどっていた。それを見みて、めちゃくちゃ素敵すてきだなあと思おもった。

いま本人ほんにんがそれを有ゆう言ごと実行じっこうしようとしているのかはわからないけれど、そのとき僕ぼくはたしか「じゃあ、一緒いっしょにはっちゃけようかな」と返かえしたはずだ。なのに、いまの僕ぼくはつまらない大人おとなの振ふる舞まいをしてしまっている。

人目ひとめなんか気きにせず一緒いっしょに喜よろこぶべきだよなと思おもい直なおし、いえーい！と少すこしハイテンションで手てを出だしたけれど、時ときすでに遅おそし。誰だれが見みても不機嫌ふきげんですとわかるような顔かおでそっぽを向むかれてしまった。

それからずっと不貞腐ふてくされていた。５歳さいの妹いもうとが遊具ゆうぐで遊あそんでいるのを横目よこめに見みながら、ブスッとした顔かおでベンチに座すわり込こんでいる。

その子この気分きぶんはその子このものだから、僕ぼくが無理むりに機嫌きげんをとるわけにはいかないけれど、とはいえ、さっきつれない態度たいどをとってしまった申もうし訳わけなさがあり何なん度どか声こえをかけた。

しかしながら一度いちど曲まげたヘソは簡単かんたんにもとには戻もどらず、それを見みていると次第しだいにこちらもイライラしてきてしまい、「いつまで拗すねてんのん、せっかくきたのにもったいないで」と、言いわなくていいことを言いってしまった。

もしこれが「拗すねている」という状態じょうたいだとしても、本人ほんにんだって楽たのしみたいはずだ。なのに、「楽たのしみたいのに楽たのしめない」というしんどい状況じょうきょうを助たすけるのではなく追おい討うちをかけるような言葉ことばをぶつけてしまう。

すぐに「違ちがうよね、自分じぶんで切きり替かえられるように頑張がんばってるんやもんね、ごめん」と謝あやまりたいのに、別べつの僕ぼくが「けどこんな態度たいどをいつまでも取とってる本人ほんにんが悪わるいんやん」と心しんの中なかでい訳いわけしている。

結局けっきょく楽たのしめないまま時間じかんは過すぎ去さり、気分きぶん転換てんかんにマクドナルドのポテトを食たべて帰かえることにした。気分きぶん転換てんかんという言葉ことばの通とおり、ポテトを食たべると本当ほんとうにあっさりと機嫌きげんが治なおり「おいしいもん食たべると元気げんきでるなあ」と呑気のんきに笑わらっている。

元気げんきが出でてきた勢いきおいで「今いまからもう一いち回かい遊あそびにいける？」と、あっけらかんと聞きいてくる。行いきたいけれど、さすがに今日きょうはもう時間じかんないからと断ことわると、「あ〜なんであんなんでイライラしちゃっててんやろう～アホやわあ」と落おち込こんでいる。

帰かえり道みちを歩あるきながら、ふと「今日きょうさ、イライラして楽たのしめなくてごめんな」と謝あやまられた。こんなときに大人おとななら、素直すなおに謝あやまれてえらいねと褒ほめたりするんだろうか。

僕ぼくはその冷静れいせいで真まっ直すぐな謝罪しゃざいを受うけ止とめられずに「謝あやまらないでよ、また行いこうね」と応こたえながら、謝あやまるのは僕ぼくの方ほうではないのかと自分じぶんに問とう。

一緒いっしょに踊おどらなかったことではない。イライラをぶつけてしまったことを、だ。

素直すなおに謝あやまることについて考かんがえるときに、いつも思おもい出だす場面ばめんがある。

学童がくどう保育ほいくの仕事しごとを始はじめて一いち年ねん目め、僕ぼくは楽たのしくも厳きびしいメリハリのある大人おとなとして子こどもたちと接せっしていた。ちゃんと叱しかってくれることが安心あんしんですと保護ほご者しゃに言いわれて、それを鵜呑うのみにもしていた。

だから、子こどもたちの間違まちがいを指摘してきしているときに少すこし厳きびしいい方いかたになっても正ただしいことをしていると思おもっていた。

ある時とき、ひとりの子こに指導しどうしているときに、横よこから別べつの子こが「私わたし見みてたけど、その子こ悪わるくないで」と口くちを挟はさんできた。

正直しょうじき今いまでは、何なんで怒おこったのか覚おぼえていない。おそらく僕ぼくは本人ほんにんのい分いぶんも聞きかず事実じじつ確認かくにんもろくにせず、自分じぶんが見みて間違まちがえていると思おもったことを指導しどうとして叱しかっていたんだろう。

自分じぶんの見解けんかいが甘うまかったらしいことと、間違まちがって怒おこってしまっていることを素直すなおに受うけ入いれられずに、「そうだとしても、そう見みえるのも悪わるいでしょう」と無理矢理むりやりに理由りゆうをこじつけて、声こえをかけてくれたその子こにも怒おこってしまった。

心しんの中なかで「自分じぶんの勘違かんちがいで怒おこってしまっているから訂正ていせいしなきゃ」という気持きもちが出でてきているのに、「いや、今更いまさら無理むりだ、これはこの子こたちのために言いっているんだ」というい訳いわけの気持きもちがせめぎ合あっていたのを、今いまでもはっきりと思おもいだせる。

その後ご話ばなしが終おわってその子こたちと笑わらって遊あそんでいても、家いえに帰かえってからも、ずっと自分じぶんの中なかはモヤモヤしていた。そのモヤモヤを消けすために「あそこで怒おこるのは、あの子こたちのために必要ひつようなことだったのだ」と何なん度ども何なん度どもい聞いきかせた。

「必要ひつようなことだったのだ」と何なん度どもい聞いきかせながら、一方いっぽうで、それが保身ほしんのためのい訳いわけであり、今いままさに自分じぶんがなりたくないと思おもっていた大人おとなになっていることにも気きづいていた。

次つぎの日ひ、やはり素直すなおに謝あやまることにした。「ちょっと話はなしがあります」と真面目まじめな顔かおして呼よびかけたものだから、子こどもたちは「また怒おこられるのか」と緊張きんちょうしているのが見みてとれる。

その緊張きんちょうを解かいすように「昨日きのうのことを謝あやまりたいねん」と話はなす。その子こたちの安心あんしんした表情ひょうじょうを見みて、あぁやはり大人おとなはずるいなと感かんじる。いつだって優位ゆういな立場たちばにいる。

「昨日きのうの事ことなんやけど間違まちがえて怒おこってしまったのに素直すなおに間違まちがいを認みとめられなかった、ごめんなさい」と伝つたえた。「でもな、君きみたちもさ…」と説教せっきょうを交まじえたい訳いわけをしそうになるのを抑おさえて、きちんと心しんからの謝罪しゃざいをした。

その子こたちは、ほっとしたように「あー、全然ぜんぜんいいよ」と言いって笑わらってくれた。

許ゆるしてくれたことが、「怒おこられなかった」という安心あんしん感かんからだったり、あるいは「謝あやまられても許ゆるさない」という選択肢せんたくしを与あたえられていないだけかもしれない。

なのに、僕ぼくはそこでちゃんと謝あやまれたことと許ゆるしてもらえたことに満足まんぞくして、さらには、「大人おとなが子こどもに謝あやまった」「自分じぶんは子こどもに謝あやまれるのだ」ということを少すこし誇ほこらしげに感かんじていることに気きづく。これも自己じこ満足まんぞくではないかと気きづき、つくづくいやらしいなと自己じこ嫌悪けんおになる。

間あいだ違ちがったことをちゃんと正ただせた。それは素晴すばらしいことだ。だからと言いって、その子こたちを傷きずつけた事ことは消きえないのに、そこで十字架じゅうじかをおろして悦えつに浸ひたるようじゃ何なにも反省はんせいはしていないのと同おなじではないか。

この頃ころから、「子こどものために」という言葉ことばで叱しかるのも、自分じぶんが怒いかりたくて怒おこるのも、子こどもにとっては同おなじじゃないのかと考かんがえるようになった。そして、本当ほんとうに子こどものためにと思おもっていても、ふとした瞬間しゅんかんにその思おもいをい訳いわけにしてしまうことも。

もう１５年ねん以上いじょうも前まえのことだけれど、それからずっと、こんな自分じぶんとどうやって付つき合あっていこうかと悩なやみ続つづけている。い訳いわけしそうな自分じぶんが出でてきたときに、いつもあの時ときの、ふたりのことを思おもい出だす。

バスで９歳さいの友人ゆうじんと出でかけた際さいに、隣となりに座すわる５歳さいの妹いもうとがふざけてシートに寝ねそべっていた。他たの人ひとの邪魔じゃまになるから座すわるようにと声こえをかける。バス停ばすていに着つくタイミングでもう一度いちど、今度こんどはより具体ぐたい的てきに「もうすぐ降おりるから座すわって準備じゅんびしてね」と声こえをかけて、降おりるために手てを繋つなぐ。

しかしながら、こちらの意図いとが伝つたわっていないのか、ただふざけたいのか、また寝ねそべる。笑わらっているのでわざとだろうか。ここで、自分じぶんの中なかに少すこしだけ苛立いらだちが顔かおを出だしたことに気きづく。

その苛立いらだちを表面ひょうめんに出ださないように冷静れいせいを保たもちながら、けれど周まわりの人ひとたちの目めも気きになるのでつい「降おりるから立たって！」と少すこし強つよめに声こえをかけて、引ひっ張ぱって抱だき起おこし、バスを降おりた。

無理むりに引ひっ張ぱったというより、促うながすように引ひっ張ぱったつもりだったけど、少すこし強引ごういんだったかなと反省はんせいしていると、一緒いっしょにいた９歳さいの友人ゆうじんに、「無理むりに引ひっ張ぱったから痛やめがってるやん」と、ド直球ちょっきゅうで図星ずぼしを指摘してきされてしまった。

そこで僕ぼくは「ほんまやな、ごめん」と素直すなおに謝あやまればよかったのに、「ふざけてて寝ねそべってたから立たち上あがらせただけやん」とい訳いわけしてしまった。15年ねん前まえのあの時ときの二人ふたりの顔かおがちらつく。

「到着とうちゃくする前まえに声こえをかけていたし」「周まわりの人ひとの迷惑めいわくにもなるし」「公共こうきょうの場ばでふざけていたし」と、い訳いわけを並ならべながら、それがい訳いわけだと冷静れいせいに考かんがえる自分じぶんと、正直しょうじき自分じぶんは悪わるくないでしょうと本気ほんきで思おもっている自分じぶんがいた。

そして、それをちゃんと反省はんせいできたのは、ずっとモヤモヤを抱かかえ続つづけて２週間しゅうかんほど経たってからだった。どんな理由りゆうがあったとしても、痛いたがったのなら謝あやまるべきだった。なぜ素直すなおになれなかったのか。

確たしかにあのとき、自分じぶんの中なかに小ちいさな苛立いらだちが芽生めばえたことに気きづいていた。僕ぼくは周まわりの目めや公共こうきょうの場ばでは「きちんとすること」にやけに厳きびしくなってしまうようだ。いつもならなんとも思おもわないことでも、公共こうきょうの場ばではイライラしてしまう。ちゃんとして、と思おもってしまう。

無理むりに引ひっ張ぱって降おりなくたって、乗のり過すごして目的もくてき地ちを過すぎてしまってもよかったかもしれないな、なんて後ごから思おもう。そりゃ毎回まいかいそんなことはできないけれど、それくらいの余裕よゆうを持もっていたら、と考かんがえてみると、そもそも無理むりにやることでもなかったかもしれない。

「なんであんなことでイライラしちゃったんやろう、アホやわあ」と笑わらっていたのを思おもい出だす。

イライラしてしまうことや、間違まちがった行動こうどうをしてしまったときに、「自分じぶんはそういう人間にんげんなのか」ということに向むき合あうことになる。

僕ぼくらは、イライラして機嫌きげん悪わるくすることや、間違まちがいを犯おかしてしまう人ひとは「ダメな人間にんげんだ」と思おもい込こんでいるかもしれない。この世よに、イライラしない人ひとなんていないし、間違まちがいを犯おかさない人ひとだっていないのに。

当あたり前まえにやっていたことが、実じつは誰だれかを傷きずつけていたのだと知しることがある。子こどものためにと思おもってしていたことが、実じつは子こどもを苦くるしめてしまっていることがある。

その人ひとのためにと思おもって助たすけたつもりが、その人ひとを追おい詰つめてしまっていたり、喜よろこんでいるように見みえていたものが、僕ぼくのエゴだっただけなんてこともある。

そんな事実じじつに気付きづかされたときに、僕ぼくは自分じぶんの本意ほんいとは違ちがう結果けっかになっていることにショックを受うける。そして間違まちがえるたびに、自分じぶんという人間にんげん性せいまでが間違まちがっているかのように感かんじてしまう。

そうすると、「そんなつもりじゃないのに」という思おもいを盾たてに自分じぶんの中なかでい訳いわけを始はじめてしてしまう。自分じぶんはそんな人間にんげんじゃないはずだと必死ひっしにい聞いきかせる。

誰だれかを傷きずつけたくないという思おもいは、絶対ぜったいに誰だれも傷きずつけることはないということにはならないのに、ちょっとでもそうなると「そういう人間にんげん」だと思おもってしまう。

その自分じぶんの間違まちがいや愚おろかさを見みつめるときにあんな風ふうに素直すなおに振ふり返かえって笑わらって自分じぶんを見みつめられたら、それは反省はんせいするのと同おなじように自分じぶんを改あらためるきっかけになるのかもしれない。

怒おこっている自分じぶんにい訳いわけしそうになっている自分じぶんに気きづいたら、「なんであんなことでイライラしちゃったんやろう、アホやなあ」と笑わらってみる。

イライラをぶつけて誰だれかを傷きずつけたなら笑わらってる場合ばあいじゃないけれど、けど一旦いったん「イライラしちゃった自分じぶん」を受うけ入いれるために笑わらって自分じぶんを見みてみる。

イライラしちゃうものだよ。イライラして機嫌きげんが悪わるくなるのは器うつわが小ちいさいわけではないよ。間違まちがえて誰だれかを傷きずつけるようなことをしてしまっていたのは、性格せいかくが悪わるいからではないよ。

そうやって、そのことをちゃんと見みつめられたら、い訳いわけをしなくて大丈夫だいじょうぶな気きがする。

そうしちゃったけれど、本心ほんしんでは傷きずつけたくはなかったんだ。そうやって振ふり返かえることができれば、それに気きづくたびに行動こうどうも改あらためようと思おもえるようになってくる。

不ふ機嫌きげんになってしまうことや間あいだ違ちがえてしまうことを責せめられてばかりでは、そんな風ふうに素直すなおに自分じぶんを見みつめることは難むずかしいかもしれない。と思おもいつつ、かといって、ブスッとされたり反省はんせいの色いろがなかったりするとこちらがイライラしちゃうんだけどね。

い訳いわけしては立たち止どまって、い訳いわけを引ひっ込こめて反省はんせいして、そんな風ふうに失敗しっぱいばかりで落おち込こんでしまうと前まえを向むけないから、まずはい訳いわけしそうになったら「そうやってい訳いわけしてしまうのは自分じぶんが悪わるいからかもしれないと振ふり返かえれているからやで」と思おもうことにする。

余談よだんですが

おやつにポテトを食たべた後のち、自由じゆう帳ちょうを広ひろげて絵えを描えがきながら「ナゲットも食たべたいなあ」と言いい出だした。

おやつと言いっても夕刻ゆうこくに近ちかいこともあり大人おとなとしては「いまそんなに食たべて、夕食ゆうしょく食たべられる？」と尋たずねてしまう。尋たずねているようで説得せっとくするようない方いかたになっているのは自覚じかくしている。

すると、「いま食たべた方ほうが食たべれるで。巻まき戻もどしはできないからな」と返かえってきた。

巻まき戻もどし？なんのことかと思おもったら、夕食ゆうしょくまでに食たべるのなら今いまが一番いちばん早はやいタイミングだというわけだ。おもしろいい回いまわしと、すでに食たべることは決定けってい事項じこうになっていることを知しり、愉快ゆかいな気持きもちになる。一本いっぽん取とられた気持きもちでスマートフォンを開ひらきナゲットを注文ちゅうもんする。

僕ぼくのことだから、反省はんせいや後悔こうかいは毎回まいかいきっとする。決定けってい事項じこうだ。

間違まちがえてしまう前まえに気きづけたらそれがいいけれど、その最中さいちゅうでも、失敗しっぱいした後のちでも、しばらく経たってからでも、どれだけ遅おそくても、遅おそいけど遅おそくはないのだと思おもうことにする。

いま振ふり返かえることができるなら、間まに合あうこともあるかもしれない。いま改あらためなきゃ、間まに合あわないことがあるかもしれない。巻まき戻もどしはできないからね。

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[文ぶん・構成こうせい／きしもとたかひろ]