熱あついお風呂ふろは肌はだに良よい？　悪わるい？ 　皮膚ひふ科か医いが教おしえる入浴にゅうよく方法ほうほうに「初はじめて知しりました」「逆ぎゃく効果こうかだったのか」

「私わたしたちの皮膚ひふは鎧よろいのようなものです。皮膚ひふは物理ぶつり的てきなものから守まもることはもちろん、さまざまな菌きんからも身みを守まもってくれています。ところが、皮膚ひふの表面ひょうめんに水分すいぶんや皮脂ひしがなくなると角質かくしつが取とれてしまい、自然しぜん免疫めんえきが機能きのうしづらくなってしまうのです」

「昔むかしはかゆみと痛いたみの神経しんけいは同おなじだとされていましたが、ここ１０年ねんの研究けんきゅうによるとかゆみの神経しんけいは別べつに存在そんざいすることが分わかっています。かゆみの神経しんけいは乾燥かんそうすると皮膚ひふの表面ひょうめんである表皮ひょうひまで伸のび、そのためにかゆみを感かんじやすくなるのです。さらに、乾燥かんそうしたことで角質かくしつが取とれ、刺激しげきを受うけた神経しんけいがかゆみを引ひき起おこすこともあります」

「汗あせの排出はいしゅつが上手じょうずにできなくなることも考かんがえられます。水分すいぶんが足たりていない皮膚ひふは排出はいしゅつした汗あせまで吸すってしまうことがあるからです。乾燥かんそう肌はだは美肌びはだの大敵たいてきであるだけでなく、体からだの調子ちょうしまで狂くるわせてしまう恐おそれがあるのです」

「高温こうおんのお湯ゆを使つかってしまうと、皮脂ひし膜まくを溶とかし、角質かくしつなどがはがれることにより乾燥かんそうが進すすんでしまいます。基本きほん的てきには『体温たいおんよりも熱あついお湯ゆは乾燥かんそうする』と考かんがえてください。シャワーも４０℃以上いじょうの熱あついお湯ゆは避さけたほうがいいですね。湯船ゆぶねに入はいる場合ばあいだと、どれだけの時間じかん入はいっても乾燥かんそうのしやすさは変かわらないのですが、それでも５分ふん程度ていどに抑おさえて欲ほしいです」　

「入浴にゅうよく後ごは５分ふんから１０分ぶんの間あいだに保湿ほしつをしましょう。おすすめはヘパリン類似るいじ物質ぶっしつが入はいっている保湿ほしつ剤ざいです。ヒアルロン酸さんもおすすめですが、高価こうかなものが多おおい。最近さいきん注目ちゅうもくされているセラミドに関かんしては、以前いぜんよりも安価あんかで見みつけられると思おもいますよ」

【プロフィール】医療いりょう法人ほうじんひまわり会かい・天神てんじん皮ひふ科か理事りじ長ちょう　松尾まつお　眞二郎しんじろう

２００９年ねん４月がつに中野なかの皮膚ひふ科かを継承けいしょう。患者かんじゃ数すうの増加ぞうか、医療いりょう機器ききの増設ぞうせつに伴ともないより広ひろい診療しんりょうスペースの確保かくほのため２０１１年ねん１２月じゅうにがつに現在げんざいのところに移転いてん。福岡ふくおか市しで生うまれ育そだち、１９９１年ねん１０月がつに金沢医科大学かなざわいかだいがくを卒業そつぎょう。卒業そつぎょう後ごは九州大学きゅうしゅうだいがく皮膚ひふ科か、原はら三信さんしん病院びょういん、国立こくりつ福岡ふくおか中央ちゅうおう病院びょういん（現げん、九州きゅうしゅう医療いりょうセンター）で研修けんしゅうを受うけた。 所属しょぞく医い学会がっかい：日本にっぽん皮膚ひふ科か学会がっかい、日本にっぽん美容びよう皮膚ひふ科か学会がっかい、日本にっぽん抗こう加か齢よわい医い学会がっかい