【26巻ネタバレ】刺青囚人2人を確保!金塊争奪戦はさらなる混沌へ
ジャック・ザ・リッパーを模倣する札幌娼婦連続殺人事件の犯人を捕まえるため、土方陣営と手を組んだ杉元。
新聞記者である石川啄木が、次なる犯行は札幌麦酒工場でおこわなわれると予想したため、両陣営は現場で犯人を待ち構えます。しかし、同じく犯人を追っていた第七師団とバッティングしてしまい、麦酒工場を舞台に大混戦。
また、これまで身を潜めていた尾形も登場し、宇佐美と死闘を繰り広げます。
そんな中、もう一人の刺青囚人・上エ地圭二が姿を現し、落書きのような刺青を披露。もちろん、のっぺらぼうの彫った刺青は読み取ることが出来ません。これで暗号は解けなくなり、金塊を見つけることは不可能だと叫ぶ上エ地。
一方、アシㇼパは第七師団に捕まってしまい…!?
- 著者
- 野田 サトル
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ついに刺青囚人がすべて出揃い、物語が大きく動き出しました。
精子探偵として犯人逮捕に尽力した宇佐美は、尾形との死闘の末死亡。さらに、札幌娼婦連続殺人事件の犯人であるマイケル・オストログと、もう一人の刺青囚人・上エ地圭二も死亡してしまいました。
そして、24人目となる最後の暗号は意外な人物に彫られていたことも判明。
それぞれの思惑が交差し、目を離せない展開が続きます。
【27巻あらすじ】金塊とは?ウイルクの目的とは?すべての元凶が明らかに
大混戦の最中、裏切り者の房太郎にアシリパを奪われた杉元。彼はなんとか房太郎を追い詰めますが、すでに第七師団がアシリパを横取りしたあとでした。
火事に乗じて麦酒工場を脱出した第七師団。杉元・土方らは札幌市内を舞台に必死の追走劇を試みますが、鶴見の放った囮にかく乱され、見失ってしまいます。
一方、同じくアシリパを追っていたソフィアは、第七師団の捕虜となってしまいました。鶴見――かつてロシアで長谷川幸一と名乗っていた男は、自分とウイルクやソフィアの関係、そしてウイルクの目的をアシリパに語り始めました。
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刺青人皮はすべて集めなくても暗号が解ける……。衝撃の事実が明かされた前巻から、さらに大きく事態が動いた27巻。26巻までで物語の布石はすべて終わり、ラストへ向けた怒濤の伏線回収が始まります。
房太郎の劇的な退場、杉元と菊田の意味ありげな出会い。そしてなによりも、すべての発端となった7人のアイヌによる埋蔵金争いの真相。
この終盤に至って、ついに『ゴールデンカムイ』のタイトルが作品内で言及されるのも要注目のポイントです。
【28巻あらすじ】金塊争奪戦のゴールへ! 杉元の過去の因縁が今に繋がる
暗号を解く鍵は、ウイルクのアイヌとしての名前「ホロケウオシコニ」でした。第七師団が暗号解読を進める中、土方と合流した杉元たちは先手を打って行動します。房太郎から伝えられた、アイヌが最初に金塊を隠したという場所へ向かって……。
列車に揺られながら、杉元はふと故郷を捨て上京した時のことを思い出します。彼はそこで恩人である菊田と出会い、知らず知らずのうちに第七師団との因縁を作っていたのです。
杉元の思い出を挟んで、金塊争奪戦はいよいよゴール地点に近づいていました。
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この巻の序盤で杉元・土方一行は、懸念だった偽刺青人皮の判別方法を知ります。暗号解読の最大の障害が取り除かれたことで、人員数や戦力を別にすれば、杉元らと第七師団の優劣は完全にイーブンとなりました。
こうなれば暗号を素早く解読し、隠し場所に先にたどり着いた勢力が勝者になるでしょう。緊迫した展開にハラハラさせられます。
しかし、物語は一旦杉元の過去へ。シリアスが続く中での息抜きに近いですが、コメディタッチの中に現在へと続く因縁がそこかしこに描かれます。因縁の決着がどうなるか、期待は膨らむ一方です。
【29巻あらすじ】たどり着いた隠し場所!金塊の行方は
金塊が隠されていたのは、新撰組終焉の地である函館の五稜郭でした。房太郎の情報のおかげで一歩先んじることができた杉元たちは、地図の示す場所から北海道の土地の権利書を発見します。
アイヌの金塊で北海道全土の権利が、蝦夷共和国(旧江戸幕府勢力の政府)から正式に買われていたのです。金目当ての者たちは気落ちしますが、権利書の購入費用が金塊の半分であると判明。残りの半分がまだどこかに……。
それと前後して第七師団本隊が函館に到着。鶴見は鯉登平二海軍少将の駆逐艦に連絡し、五稜郭へ向けて艦砲射撃を開始しました。
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杉元たちはついにウイルクの隠したものを発見しますが、まさかの土地権利書。北海道の独立を目指すアイヌや土方、鶴見にとって価値はあるものの、金塊に比べるといささか見劣りします。
……しかし、『ゴールデンカムイ』が肩透かしで終わらせるわけがありません。もちろん金は見つかります。それも意外な形で。
杉元は五稜郭の地形を活かした籠城戦を提案。土方はソフィアと手を組んで、武装組織パルチザンを仲間に引き入れます。
風雲急を告げる怒濤の展開。果たして勝つのは守る杉元たちしょうか、それとも攻める鶴見なのでしょうか。
【30巻あらすじ】生還は絶望的!五稜郭防衛戦
依然として五稜郭を狙う駆逐艦の艦砲射撃。別行動を取った永倉と門倉は、函館山へ隠されていた切り札――旧幕府軍の軍艦「回天丸」の主砲を持ち出し、駆逐艦群に大打撃を与えます。
しかし、迎え撃つ五稜郭側の奮戦虚しく、艦砲射撃の影響で第七師団歩兵の侵入を許してしまいました。
もはや籠城は絶望的。五稜郭を放棄して脱出するしか道はありませんが、そのためには第七師団の包囲網を突破しなければなりません。
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決戦の火蓋がついに切って落とされました。
ド派手な砲撃戦、じわじわ狭まる包囲戦、極限の白兵戦など、五稜郭のありとあらゆる場所で繰り広げられる戦闘。『ゴールデンカムイ』はアクションも魅力の1つですが、この巻は最終決戦に相応しいバトルが目白押しとなっています。
生き残る者、命を散らす者。敵味方の区別なく描かれる、数多くの生死が胸を打ちました。いくつかの因縁にけりがついて、終わりが近いことを感じさせます。
【31巻あらすじ】黄金のカムイを巡る物語の完結
杉元一行は函館行きの蒸気機関車に乗り込むことに成功しますが、乗っていたのは第七師団の援軍でした。車内が騒然とする一方、尾形が運転室を制圧して、誰も知らないうちに暴走し始める機関車。
アシリパと白石を除く杉元、土方と牛山はそれぞれ第七師団に立ち向います。ギリギリ持ち堪えていた杉元一行ですが、一瞬の隙を突かれてアシリパの持つ権利書を奪われてしまいました。そして権利書は鶴見の元へ。
杉元はアシリパとアイヌの未来のために、最後の戦いに挑みます。金塊を巡る争い、ここに完結。
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冒険活劇と歴史・文化要素、ホラーやグルメにギャグ、そして人を想う純粋な愛。最終巻には『ゴールデンカムイ』のエッセンスがすべて詰め込まれています。そして物語に残されたあらゆる伏線が消化され、見事に幕が引かれます。
本作は軽妙なやりとりに定評のある作品ですが、この巻では山場の台詞が少ないのが印象的でした。おそらくあえて語らせないことで、登場人物の気持ちを読み取らせようという意図的な演出でしょう。ぜひ緻密に描き込まれたページを隅々まで読んで、1人1人の物語を堪能してください。
本作は完結に先立って約1ヶ月間、漫画アプリ「ヤンジャン!」にて全話無料公開が実施されました。おそらくそのキャンペーンで『ゴールデンカムイ』を初めて読んだ人も多いでしょう。
『ゴールデンカムイ』は単行本化の際に加筆修正されるのがお決まり。さらに31巻では、最後に描き下ろしのエピソードが追加されています。本編には直接関係しないある出来事にまつわる逸話ですが、どうやら本編のある人物が関係している様子。
雑誌連載や無料公開キャンペーンで最終話まで読んだという方も、ぜひこの機会に単行本で再読することをオススメします。
アニメや実写映画へと展開していく『ゴールデンカムイ』
「週刊ヤングジャンプ」で連載されていた『ゴールデンカムイ』は、2022年4月28日発売のNo22.23合併号で無事完結しました。しかし、シリーズのメディアミックス展開はまだまだ終わりません。
まず2018年にスタートしたアニメ版。これまで3期制作されましたが、2022年10月に第4期が放送開始予定となっています。
第4期でどの範囲までアニメ化されるかは不明ですが、3期までの放送スケジュールから計算すると全12話で、おそらく20巻から27巻になるはずです。ただし原作が31巻で完結してしまったため、27巻までだと非常に中途半端。ラスト4巻分は完結編として、スペシャル特番か映画の形で公開されるかもしれません。
映画化といえば原作漫画完結の直前に突如、『ゴールデンカムイ』の実写映画化が告知されました。主要キャストおよび公開時期は未定ですが、どんな作品となるか気になりますよね。
このように原作は完結しましたが、まだまだ『ゴールデンカムイ』の話題は尽きません。新しい展開を心待ちにしながら、単行本で作品世界を楽しみましょう。
- 著者
- ["中川 裕", "野田 サトル"]
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