『夜明け後の静』の見所:第1部完結!【3巻ネタバレ注意】
- 著者
- 石川 秀幸
- 出版日
- 2018-11-19
『夜明け後の静』は3巻をもっていったん完結しています。この巻で特にピックアップされているのは茅(かや)という女生徒です。
父親がもともと小此木家に仕えていた者で、維新後に会計役として宮仕えとなりました。とはいえ彼女にとって静は依然として静は尊敬すべき人であり、なにかと学校生活の助けをしていました。静は何かと彼女を頼りにしています。
あるときその茅が結婚を機に退学するという噂が学内を駆け巡ります。ショックを受けた静は彼女に事実かどうかを問い質しにいきました。茅は首を縦に振り、それを事実だと認めます。その後2人は……。
物語の区切りとしてはしっかりと作られており、おのおのの成長も描かれているきれいな最終回です。もっとも、これで静の物語は終わりというわけではありません。
続編『静さまは初恋である、浪漫斯はまだない。』は爽やか風味?【あらすじ】
『夜明け後の静』連載終了から4ヶ月後、『静さまは初恋である、浪漫斯はまだない』と改題して再び連載を開始しました。
ストーリーの冒頭で静は街を歩いているところ、ある男性と衝突してしまいます。彼から助け起こされた静でしたが、そこで彼女らしい勘違いをしてしまいました。
男性と手を触れたことで自分が妊娠してしまった、と思い込んでしまうのです。
当然ながら周りからは呆れられたのですが、もともと医者を目指している静にとってこうした勘違いは致命的です。彼女の先生であるキャロラインはどうしたら子供ができるかを一から学ばせるために、西洋医療を専門で学べる診療所へ出向かせました。そこにはなんと、冒頭で衝突した男性がいたのです。
前作は女性が中心となっていた物語ですが、続編になって男性もストーリの中心に参加するようになりました。静が恋愛を知りどのように変化するのか、という見所が増えてますます気になる展開です。
『静さまは初恋である、浪漫斯はまだない。』の見所:新たな登場人物凪!
- 著者
- 石川 秀幸
- 出版日
- 2019-07-19
静と衝突した男性の名前は凪。彼もまた武家の生まれでしたが、維新後、武道がなんの意味もなくなったのを悟り、医者の道を歩むことを決心しました。とはいえ、まだまだ知識が未熟だった彼もまた、静と同様手を触れたことで相手を妊娠させてしまったと思い込んでいたのです。
行きずりの女性を妊娠させてしまったと思い込んでいる凪は責任を取り切腹するしかない、と早とちりしてしまいます。周囲の説得もあって思いとどまりましたが、そこに静が現れ、しかもこれから診療所に通うといってきたのでまた」話はややこしくなり……。
可愛らしい勘違いからスタートする、静の新たな物語。これまでは明治維新が終わった後に女性がどう暮らしていたかに焦点が当たっていましたが、ここで男性の視点が加わることになりました。凪もまた極端な性格ではありますが、当時の男性の価値観の一端を知ることができます。
静の恋愛模様について注目しつつ、当時の男性の心境も合わせて楽しんでみてはいかがでしょうか。ちなみに本作からはお色気要素は少なめになり、爽やかなラブコメ風味になっています。