『付つき合あってあげてもいいかな』交際こうさいから始はじまるリアルさ。最新さいしん展開てんかいまで解説かいせつ！

『付つき合あってあげてもいいかな』がリアルで面白おもしろい！無料むりょうで読よめる！【あらすじ】

主人公しゅじんこうの犬塚いぬづかみわは大学だいがくに入学にゅうがくしたばかりの女子大じょしだい生せい。
 

各かくサークルの新入生しんにゅうせい勧誘かんゆうでの人混ひとごみの中なか、偶然ぐうぜんにも猿渡さるわたり冴子さえこ（さるわたりさえこ）と知しり合あいます。

正せい反対はんたいの性格せいかくながら仲良なかよくなった2人ふたりは、冴子さえこからの提案ていあんで軽音楽けいおんがくサークルに入部にゅうぶ。そしてサークルでの初はじめての飲のみ会かいの後のち、会話かいわの流ながれと酔よった勢いきおいで、2人ふたりはお互たがいに同性どうせいが好すきであることを打うち明あけます。

偶然ぐうぜん知しり合あったのが同好どうこうの士しなら、とりあえず付つき合あってしまえばいいのでは？そんな気持きもちから、2人ふたりはよい友人ゆうじん関係かんけいから1歩ほ進すすみ、恋人こいびととなりました。

こうしてなんら特別とくべつなことのない大学だいがく生活せいかつの中なかで、普通ふつうの女子大じょしだい生せいによる普通ふつうの恋愛れんあい模様もようが描えがかれていきます。好すきな相手あいてがたまたま同性どうせいだったというだけの、すべてが等身とうしん大だいのリアルな恋愛れんあい漫画まんがとなっています。

登場とうじょう人物じんぶつ紹介しょうかい

あらすじで犬塚いぬづかみわを主人公しゅじんこうとご紹介しょうかいしましたが、猿渡さるわたり冴子さえこも実質じっしつ的てきにはもう1人ひとりの主人公しゅじんこうです。物語ものがたりは基本きほん的てきに彼女かのじょたちのうちどちらかの視点してんで進すすんでいきます。

犬塚いぬづかみわはショートヘアの黒髪くろかみと巨乳きょにゅうが目めを引ひく美女びじょです。真面目まじめな優等生ゆうとうせいタイプのため、中高生ちゅうこうせいの頃ころから同性愛どうせいあいを自覚じかくしていましたが、気持きもちを押おし殺ころして過すごしてきました。奥手おくてのため誰だれとも付つき合あったことはありません。

一方いっぽうの猿渡さるわたり冴子さえこは明あかるい色いろに染そめたロングヘアが特徴とくちょう的てきで、誰だれとでもすぐに仲良なかよくなるコミュ力りょくの塊かたまりのような女性じょせいです。彼女かのじょも中高生ちゅうこうせいから自覚じかく的てきな同性愛どうせいあい者しゃでしたが、一般いっぱんの価値かち観かんに合あわせて、自みずからを矯正きょうせいしようとした過去かこがあります。男性だんせい女性じょせいともに交際こうさい経験けいけんがあり、過去かこの体験たいけんから自分じぶん（同性愛どうせいあい）に素直すなおに生いきようとしています。

真面目まじめだけど鈍どんくさくてめんどくさい、控ひかえめで消極しょうきょく的てきなのに包容ほうよう力りょくのある、みわ。大雑把おおざっぱだけどなんでもそつなくこなし、明あかるく積極せっきょく的てきなのに実じつは嫉妬しっと深ふかい一いち面めんもある冴子さえこ。

このように2人ふたりは正せい反対はんたいのキャラですが、凸凹おうとつ具合ぐあいが絶妙ぜつみょうにマッチしています。名前なまえこそ犬いぬと猿さるで犬猿けんえんになってしまうものの、2人にん合あわせるとしっくりくる関係かんけいです。

彼女かのじょら2人ふたりと軽音けいおんサークルでバンドを組くむ男おとこ3人にんや、サークル仲間なかまで同年代どうねんだいの女おんな友達ともだち2人にんも魅力みりょく的てきです。フルネームが判明はんめいしているのは主人公しゅじんこうだけで他たは「みっくん」、「ルチャ」、「うっしー」といったあだ名なで呼よばれますが、脇役わきやくとは思おもえないくらいよいキャラで活躍かつやくしてくれます。

登場とうじょう人物じんぶつ自体じたいの魅力みりょくはもちろん、関係かんけい性せいまで楽たのしめるのが本ほん作さくの素晴すばらしいところです。

『付つき合あってあげてもいいかな』の魅力みりょく1：女性じょせい同士どうしの普通ふつうの恋愛れんあい

本ほん作さくは作中さくちゅうで描えがかれるみわと冴子さえこの関係かんけいが非常ひじょうにリアルなのが特徴とくちょうです。

告白こくはくは飲のみ会かいの帰かえりで、その時点じてんで淡あわい感情かんじょうはあれども、ムードもへったくれもない、勢いきおい。とりあえず1回かい付つき合あってみて、そこから考かんがえてみようというのは、大学だいがく以降いこうの恋愛れんあいシーンではでよく見みる光景こうけいではないでしょうか。

そしてそのスタートから軽かるい関係かんけい、ただれた関係かんけいになるかと言いえば、決けっしてそうならないのが面白おもしろいです。恋人こいびとお試ためし期間きかんとでもいいますか、手てつなぎやスキンシップなどの友達ともだち以上いじょう恋人こいびと未満みまんなやりとりが、初々ういういしく描えがかれます。

少すこしずつ距離きょりを縮ちぢめて心しんを通かよわせ、通つうじ合あっていく。その過程かていは思おもい込こみやすれ違ちがい、仲直なかなおりなど、女性じょせい同士どうしであってもいわゆる「普通ふつう」の男女だんじょの恋愛れんあいとなんら変かわりありません。女性じょせい同士どうしではありますが、そこに違和感いわかんはほとんどなく、普通ふつうに彼女かのじょたちの恋愛れんあいを楽たのしめるのが魅力みりょく的てきなのです。

付つき合あってあげてもいいかな (1) (裏うら少年しょうねんサンデーコミックス)

著者ちょしゃ

たみふる

出版しゅっぱん日び

2019-01-11

『付つき合あってあげてもいいかな』の魅力みりょく2：温あたたかい仲間なかま達たち！青春せいしゅん群ぐん像ぞう劇げき

現実げんじつの社会しゃかいでは近年きんねん、性的せいてき少数しょうすう者しゃ（LGBT）の周知しゅうちによって多少たしょうは同性愛どうせいあい者しゃへの偏見へんけんが減へってきたのではないでしょうか。しかし、まだまだ当事とうじ者しゃには生いきにくい世よの中なかのままです。

その事情じじょうは本ほん作中さくちゅうの世界せかいでも同様どうようです。みわは冴子さえこと出会であうまで同性愛どうせいあいを内うちに秘ひめたままでしたし、冴子さえこの方ほうは断片だんぺん的てきに語かたられる過去かこで心しんに傷きずを負おっています。

そのため2人にんの交際こうさいは当初とうしょ親したしい仲間なかまにも内緒ないしょでしたが、1巻かんの途中とちゅうからごくごく身近みぢかな相手あいてには明あかす流ながれとなります。

ここで素晴すばらしいのが、同性愛どうせいあいを知しった全員ぜんいんが普通ふつうに受うけ入いれて、むしろ応援おうえんしてくれるという展開てんかいです。ただのお調子ちょうし者しゃかと思おもっていた男性だんせいバンドメンバーたちが、偏見へんけんなく接せっしてくれるのは読よんでいても胸むねが熱あつくなります。

なかでも特筆とくひつすべきは女おんな友達ともだちうっしーでしょう。同性愛どうせいあいへの偏見へんけんも遠慮えんりょもない、等身とうしん大だいの付つき合あいをする聖人せいじんのようなキャラです。

うっしーなど、脇役わきやくの内面ないめんや人間にんげん関係かんけいにも言及げんきゅうされるあたりは、恋愛れんあい漫画まんがからさらに進すすんだ青春せいしゅん群ぐん像ぞう劇げきのようにも思おもえます。

『付つき合あってあげてもいいかな』の魅力みりょく3：女おんな同士どうしでも性欲せいよくはある！

また、本ほん作さくがリアルなのは等身とうしん大だいの大学生だいがくせいを描えがく上うえで性的せいてき事情じじょうにきちんと言及げんきゅうしている点てんです。

本ほん作さくでは女性じょせい同士どうしの行為こういを特別とくべつ神聖しんせい視ししていません。精神せいしん的てきな充足じゅうそく感かんはあるものの、恋人こいびと同士どうしが当あたり前まえに感かんじる肉欲にくよくを、あるがままに描えがいています。たとえ女性じょせい同士どうしであってもお互たがいに性欲せいよくがあり、恋愛れんあいの延長線えんちょうせんで肉体にくたい関係かんけいに及およぶのは当然とうぜんというわけです。

行為こういに至いたるまでに葛藤かっとうを描えがいて（みわは初はじめてなので）、ちゃんと段階だんかいを踏ふんでいるのも非常ひじょうに自然しぜん。一般いっぱん向むけなので過激かげきな表現ひょうげんもなく、人ひとの営いとなみとして女性じょせい同士どうしにも性欲せいよくがあるのだなと受うけ入いれながら読よむことができます。

『付つき合あってあげてもいいかな』最新さいしん展開てんかいを解説かいせつ！

順調じゅんちょうに交際こうさいを続つづけているかに見みえたみわと冴子さえこですが、肉体にくたい関係かんけいの価値かち観かんの相違そういから、好すき合あっているのにギクシャクし始はじめていました。やきもきした周囲しゅういは後押あとおしし、その中なかでみわが決意けついを固かためて、2人ふたりはついに一線いっせんを越こえます。

付つき合あってあげてもいいかな (2) (裏うら少年しょうねんサンデーコミックス)

著者ちょしゃ

たみふる

出版しゅっぱん日び

2019-06-12

晴はれて大学生だいがくせいらしい恋人こいびと関係かんけいに発展はってんした2人ふたり。そんな頃ころ、軽音けいおんサークル主宰しゅさいで合宿がっしゅくに行いくことになりました。一時いちじ的てきにとはいえ、合宿がっしゅく中ちゅうは2人ふたりだけの時間じかんが減へって、同時どうじに他人たにんと過すごす時間じかんが増ふえていきます。

2巻かんの見所みどころは恋愛れんあいの次つぎなる壁かべ、嫉妬しっとです。独占どくせん欲よくといっても構かまいませんが、冴子さえこが奥手おくてのみわの成長せいちょうを喜よろこびつつも、自分じぶんだけのものではなくなるのではと歯はがゆく感かんじる展開てんかいが描えがかれます。

みわと冴子さえこの関係かんけいを軸じくとして、バンドメンバーや女おんな友達ともだちの内面ないめんも掘ほり下さげられていきます。挫折ざせつもあれば喜よろこびもある。眩まぶしい青春せいしゅんの1ページに、読よみながら一喜一憂いっきいちゆうすること請うけ合あいです。

いかがでしたか？　女性じょせい同士どうしの同性愛どうせいあいをファンタジーとして片付かたづけず、リアルに描えがいているのが本ほん作さくの醍醐味だいごみです。青春せいしゅん群ぐん像ぞう劇げきとしての側面そくめんもあるので、今後こんごの主人公しゅじんこう2人にんや周まわりの友人ゆうじん達たちがどうなっていくのかにもご注目ちゅうもくください。