ライブ大好き編集者が、ものすご~く行きたかったのにチケットが取れなかった藤井風さんの日産スタジアム2DAYS。8月24日の初日公演が、なんとYouTubeで無料生中継されると知り、大興奮で視聴したお話です。
チケット落選からの・・
8/24、25 藤井風 日産スタジアム。
ライブが発表されてすぐに手帳に書き込み、夏の楽しみにしていたのですが、1次、2次、トレード受付と、すべての抽選で「チケットをご用意できませんでした」。
7万人×2日間。親子席が通常のライブより多いものの、風さんの場合ファンクラブもないので、平等に機会の与えられた14万人にも選ばれないなんて・・(泣)。
そんな悲しみにくれていた8月16日、Fujii Kaze Stadium Live “Feelin’Good” 最新情報として公式アプリ内で発表された「YouTube生中継決定(8/24(土)のみ)」の文字に、一瞬、目を疑いました。
ん? YouTube? え? 無料??
有料の生配信や、WOWOWなど有料チャンネルでの生放送、映画館でのライブビューイングなどはよくありますが、無料で生中継だなんて太っ腹すぎる~。
もともと「これからはYouTubeの時代だ」とお父さんに言われ、12歳でピアノの演奏動画を投稿し始めた風さん。(ちなみに今でも公式YouTubeチャンネルで、少年の頃の演奏を見ることができます。耳コピしたさまざまな曲を自分流にアレンジして演奏する天才っぷりに、今の時代、ずば抜けた才能はちゃんと発見されるものなんだなと思います)。
デビューのきっかけもYouTubeなら、メジャーデビュー日を『何なんw』のミュージックビデオが公式チャンネルで公開された2020年1月24日としているなど、YouTubeにはかなり思い入れがあるようです。
7万+28万人が同時にライブを堪能
(出典:藤井風 公式YouTube)
さて8月24日当日。配信がスタートした17時45分には、17万人がすでに待機状態。
そして風さんが観客席の中に紛れて座っているというサプライズなオープニング映像が流れた18時頃には20万人、最終的には28万人が同時視聴していました。
はじめはアーカイブ配信を8月26日16時までとしていたため、26日の朝には300万回再生を突破。海外も含め、あまりの反響に終了日時未定で延長された今は、9月3日時点で651万回再生に達しています。
客席から登場した風さんが歩いて向かったのは、アリーナ席の中央、芝生の上に置かれた1台のグランドピアノ。『Summer Grace』と名付けられた『grace』のピアノソロバージョンで、歌もなくライブは静かに始まりました。
実は風さん、2021年9月4日にこの日産スタジアムで招待制のピアノ弾き語りライブを予定していたのですが、コロナの影響で無観客配信に。誰もいないスタジアムの広大な芝生の真ん中で、たった一人で演奏したFujii Kaze “Free” LIVE 2021 at NISSAN stadiumは、今もYouTubeで公開されています。
あれから3年経った今、芝生グラウンドの同じ場所から、7万人の観客に囲まれてライブが始まるという、なんともグッとくる演出なのです。
ドローンによる真上からの映像も素晴らしく、とても生中継とは思えないクオリティの高さです。
アリーナ席の真ん中を歩いてステージに上がってからは、今回のライブのタイトルにもなっている新曲『Feelin’Go(o)d』、ドラマ『いちばんすきな花』の主題歌『花』を8人のダンサーとともに披露。
そしてハンドマイクに持ち替えて放たれた第一声は「あっちいのに、ほんまにありがとう」。ギャップ萌え勢、たまりませんね(笑)。お肌もツルツルです。
「大丈夫? どこにおっても見てますから」
「みんなもライブに来とるつもりじゃろうけど、わしもみんなのライブに今日、来てます。だからThis is not my show, this is your show. So let me hear your voice.こんな風に歌ってほしいんです」と始まった穏やかなハミングのコール&レスポンス。
素朴な岡山弁と流暢な英語が入り混じるMCも風さんのライブの魅力です。
歌声もキャラクターも変幻自在
リラックスした、多幸感あふれる前半パートのあと、「ちょっと会いに行きます」と、ヘッドセットを装着し、『さよならべいべ』を歌いながら、バイクのような電動自転車でアリーナ席の外周を一周。
気づいたら暗くなっていた後半戦は、衣装もチェンジしてアダルトな展開に。風さん、こんなに踊るんだ!という曲もあれば、最後に変顔をしてみせるといったお茶目なシーンも。
私が特に好きだったのは、『進撃の巨人』並みに大きな風さんの映像をバックに歌われた『燃えよ』(ショルダーキーボードと炎の特効もカッコよかった!)と、男女2人のバッキングボーカルと織りなすハーモニーが色気たっぷりの『死ぬのがいいわ』、パンクロック風にアレンジされた『旅路』など。
メンバー紹介のあと、『何なんw』で会場をヒートアップさせて、いよいよフィナーレです。
「どうせうまくいくんです。最後には」「ポジティブなパワーを持ち続けて」「苦しむことは一切ない、悲しむことは一切ない。次の曲やらんと、俺らの夏は終わらんくね?」
そんなMCからの『まつり』は、2020年10月にパナソニックスタジアムで見たのと同様に花火も打ちあがって、夏の野外ライブを締めくくるのにぴったりな曲でした。
そして再び自転車で会場を一周し、19時58分、ライブは終了。本当にいいものを見せてもらいました。
配信が終わって思ったことと、ライブ中の撮影問題
ブチッと配信が終了して一気に夢から覚めたのですが(笑)、そういえば風さんはアンコールをやらない人でした。
今頃、スタジアムは熱い拍手と余韻に包まれているんだろうなぁと想像しながら、ますます思ったのは、やっぱりライブは会場で生で見たい!ということ。
風さんが近くに来た(かもしれない)時の興奮や、7万人のハミングや指パッチンの音の重なり、『満ちてゆく』で自然に広がった観客席のスマホライト、映像の花火からリアルな花火が打ちあがる情景などなど。そこでしか味わえない感動があるから、ライブ通いはやめられないんだよな~。
ところで今回の風さんのライブ、この無料生中継のほかに、実はもうひとつ、全編スマホでの撮影OKという画期的な試みがありました。
現在ツアー中の宇多田ヒカルさんもそうなのですが、海外では撮影OKが当たり前。禁止にしているのは日本だけ・・ということで、2023年のアジアツアー、2024年のアメリカ公演を経て、風さんは日本でも撮影OKに踏み切ったようです。
でもな~。OKと言われたら絶対に撮りたくなるけど、私的には、これまでのように1曲だけOKのほうが嬉しいかも。撮影に気を取られて、あきらかに曲に集中していないのが自分でもわかりますからね。
「じゃぁ、撮らなきゃいいじゃん」と言われても、たぶん周りの人がずっとスマホで撮ってたら、めちゃくちゃ気になって嫌だと思うんですよね。
確かに人と話をするときに写真や映像があったほうが盛り上がるし、自分が行った日の思い出としても嬉しいし、人が撮ったものをSNSで見たりするのは楽しかったりするのですが・・。
はてさてこの先、どうなっていくのでしょうか? ちょっと気になるところです。
撮影OKのライブだったとはいえ、YouTubeのスクショ画像は著作権的にNGだと思うので、代わりに(?)2023年2月15日に横浜アリーナ公演に行った時の写真です。
この時は、ものすごく見やすくていい席でした。
もう1年半も経ったんだ・・。あ~、風さんのライブに行きた~い!