2019年ねん10月がつの東日本ひがしにっぽん台風たいふう(台風たいふう19号ごう)の大雨おおあめの影響えいきょうで久慈川くじがわに架かかる茨城いばらき県けん大子だいご町まちの鉄橋てっきょうが流ながされる甚大じんだいな被害ひがいを受うけ、一部いちぶ区間くかんが不通ふつうとなっていたJR水郡線すいぐんせんが復旧ふっきゅうし、27日にち、1年ねん5カ月かげつぶりに全線ぜんせんで運転うんてんが再開さいかいされた。同どう台風たいふうでは川かわなどが氾濫はんらんし、水郡線すいぐんせんは袋田ふくろだ-常陸ひたち大子だいご駅えき間あいだの第だい6久慈川くじがわ橋梁きょうりょうが濁流だくりゅうに流ながされ、西金さいがね-上小川かみおがわ駅えき間あいだの第だい2久慈川くじがわ橋梁きょうりょうも傾斜けいしゃした。順次じゅんじ復旧ふっきゅうし、昨年さくねん7月がつに西金さいがね-袋田ふくろだ駅えき間あいだが再開さいかい。残のこる第だい6久慈川くじがわ橋梁きょうりょうはかさ上あげし、新しん工法こうほうで強度きょうどを高たかめて完成かんせい。袋田ふくろだ-常陸ひたち大子だいご駅えき間あいだは今夏こんかの復旧ふっきゅう予定よていだったが、大幅おおはばに前倒まえだおしして再開さいかいにこぎ着つけた。

同町どうちょうの常陸ひたち大子だいご駅えき周辺しゅうへんでは梶山かじやま弘志ひろし経済けいざい産業さんぎょう大臣だいじん、赤羽あかはね一嘉かずよし国土こくど交通こうつう大臣だいじん、大井川おおいがわ和彦かずひこ知事ちじらが駆かけ付つける中なかで記念きねん式典しきてんが開ひらかれた。食しょくのイベントや常陸ひたち国こくYOSAKOIまつりの演舞えんぶ披露ひろうなども行おこなわれ、歓迎かんげいムードに包つつまれた。

この日ひを待まちわびた住民じゅうみんらは、沿線えんせんで「お帰かえり」「がんばろう」の横断幕おうだんまくや小しょう旗はたなどを掲かかげ、列車れっしゃに手てを振ふり出迎でむかえた。同どう駅えき近ちかくの沿線えんせんでは、映画えいが「幸福こうふくの黄色きいろいハンカチ」をまねて、98枚まいの布ぬのに「お帰かえりなさい」「水郡線すいぐんせん大好だいすき」など住民じゅうみん思おもい思おもいのメッセージが書かかれて掲かかげられ、駆かけ付つけた園児えんじらと共ともに再開さいかいを歓迎かんげいした。

メッセージは同町どうちょう冥賀みょうがの住民じゅうみん有志ゆうしが考かんがえた企画きかくで、代表だいひょうの長山ながやま幹夫みきおさん(72)は「地域ちいきに親したしまれ、無なくてはならない水郡線すいぐんせん。全線ぜんせん開通かいつうを応援おうえんし、感謝かんしゃを表あらわしたかった」と話はなした。嫁とつぎ先さきの福島ふくしま県けんから里帰さとがえりし、参加さんかした角田つのだ由香ゆかさん(35)は「朝あさ早はやく水戸みと市しの高校こうこうにガダンゴトンと揺ゆられながら通とおったのが懐なつかしい」と息子むすこ2人ふたりと手てを振ふった。

式典しきてんでは、水郡線すいぐんせんを利用りようして常陸ひたち大宮おおみや市しから常陸ひたち大子だいご駅えき近ちかくの県立けんりつ大子だいご清流せいりゅう高校こうこうに通かよう、菊池きくち将すすむ矢やさん(17)が歓迎かんげいスピーチ。「毎日まいにちの通学つうがくが当あたり前まえだと思おもっていたが、台風たいふう被害ひがいで、そうでないことに気付きづかされた。多おおくの人ひとの熱意ねついと誇ほこりによって、自然しぜん豊ゆたかな車窓しゃそうからの眺ながめが通常つうじょうに戻もどり、うれしい」と述のべた。

「全線ぜんせん開通かいつうがうれしくて」と数すう十じゅう年ねんぶりに水郡線すいぐんせんで大子だいご町まちに来きたという那珂なか市しの後藤ごとう邦子くにこさん(68)。「何なにもなかったかのように復旧ふっきゅうした鉄橋てっきょうを通とおり過すぎたが、沿線えんせんでは農作業のうさぎょう中ちゅうの方ほうも手てを振ふってくれたり、駅えき到着とうちゃく後ごに大だい歓迎かんげいを受うけたり、おいムードに感激かんげきした」と喜よろこんだ。

常陸ひたち大子だいご駅えきの駅前通えきまえどおりに久々ひさびさに活気かっきが戻もどり、商店しょうてん街がいにある衣料いりょう店主てんしゅの斎藤さいとう晋二しんじさん(73)は「鉄道てつどうの人ひとの流ながれがストップし、駅えきから降おりる人ひとも少すくなかったが、再開さいかいによって笑顔えがおが戻もどり、活性かっせい化かが生うまれてくる」と期待きたいした。