「ウウウルトラC」(PC)の感想かんそうです。

１８禁きんＢＬゲーです。

「古書こしょ店てん街がいの橋はし姫ひめ 々」をプレイして面白おもしろかったので、
直すぐにこちらの作品さくひんも購入こうにゅうしたのですが、
ちょっとプレイするまでに時間じかんがかかってしまいました。

元々もともとＢＬ自体じたいは苦手にがてなんですが、
橋はし姫ひめは奇抜きばつな世界せかい観かん、丁寧ていねいな文章ぶんしょう、魅力みりょく的てきなキャラなどで
苦手にがてな部分ぶぶんが霞かすむほどに良よく出来できた作品さくひんでした。

食くわず嫌ぎらいで手てを出ださなかったのが勿体無もったいないと
改あらためて気きづかせてくれた作品さくひんでもあるので、
同おなじサークルさんの作品さくひんという事ことで手てを出だしてみました。



※ＢＬ苦手にがて・そういう系統けいとうの作品さくひん初心者しょしんしゃの感想かんそうなのでご了承りょうしょうください※


【システム】
ＢＬのノベルゲー。
昭和しょうわのレトロな雰囲気ふんいきがたまらないです。

ヒーローショー、怪獣かいじゅう、特撮とくさつなどのテーマもあってか
作品さくひんの勢いきおいだとか、演出えんしゅつに力ちからを入いれてます。

地ちの文ぶんはあるのですが、
勢いきおいやノリ、インパクトを重視じゅうしする為ためか、
文章ぶんしょうの詳細しょうさいはなるべく削けずられて書かかれてます。
目めまぐるしくシーンが変かわっていき、
ちょっと何なにが起おこってるのか分わかりにくい作つくりになってます。
どちらかというと抽象ちゅうしょう的てきな作品さくひん。アーティスティックです。

敵てきに飛とびかかったと思おもったら、
すぐ次つぎのシーンで血ちまみれになってたり、
説明せつめい無なしにキャラクターが突如とつじょ現あらわれたりします。

橋はし姫ひめでは凄すごく丁寧ていねいな文体ぶんたいだったので対照たいしょう的てきです。

このサークルさんの他ほかの作品さくひんには手てを出だした事ことが無ないので、
今いま作さくの「ウウウルトラＣ」で　実験じっけん的てきな試こころみだったのか分わからないのですが、
全まったく違ちがう印象いんしょうを受うけたのが面白おもしろかった。

「明日あした　仕事しごとあるし、そろそろ終おわりにするかな」と
キリの良よい所ところで止とめようと思おもって読よみ進すすめてたら
急きゅう展開てんかいが起おきて先さきが気きになり、止とめ時じが分わからなくなる時ときが多々たたありました。

ADELTAさんの作品さくひんが映像えいぞう化かされるとしたら、
シャフトさんと凄すごく相性あいしょう良よさそう。

小学生しょうがくせいレベル～アダルトな下しもネタが結構けっこう飛とび交かうので苦手にがてな人ひとはご注意ちゅういを。

私わたしは大丈夫だいじょうぶな下しもネタとそうじゃない奴やつとかあるんですが、
大丈夫だいじょうぶじゃないのが割わりと多おおかった印象いんしょうです。


橋はし姫ひめは割わりとBL苦手にがてな人ひとに対たいしてもおすすめは出来できるんですが、
今いま作さくは癖くせが凄すごく強つよいので人ひとは選えらぶかも。
私わたしはどちらかというと文体ぶんたいが丁寧ていねいな橋はし姫ひめの方ほうが好このみです。



※ネタバレを含ふくむので畳たたみます※






第だい一いち話わ「若わかき太陽たいよう」
正太郎しょうたろうと狐塚きつねづか君くんメインのエピソード。
「正太郎しょうたろう」と「鉄人てつじん」って「鉄人てつじん２８号ごう」のオマージュかな。
三さん話わの中なかで一般人いっぱんじん目線めせん。

ヒーロー戦隊せんたい物ぶつが世間せけんから愛あいされてて、
怪獣かいじゅうとかてっきりこの物語ものがたりのテレビ番組ばんぐみ内ないの事ことなのかと思おもってたら、
「怪獣かいじゅう」自体じたいは存在そんざいする世界せかい設定せってい。

他たの人ひととは変かわらなくて、感染かんせん症しょう扱あつかいっていうのが面白おもしろいなって思おもいました。
昔むかしは病やまいの事ことを悪霊あくりょうだとか魔物まものの仕業しわざと扱あつかわれてたみたいですが、
今いま作さくでは何なにかの揶揄やゆも含ふくまれてるのかな。

正太郎しょうたろうが不慮ふりょの事故じこで怪獣かいじゅうと接触せっしょくして、
陰性いんせい反応はんのう出でたのに世間せけんから迫害はくがいされて、
蝶番ちょうつがいさんとかに振ふり回まわされて行いくシナリオなのかと思おもいきや、
実じつは正太郎しょうたろうは小ちいさい頃ころに既すでに感染かんせんしてて自覚じかく済ずみ。

ヒーローに憧あこがれてるのに、怪獣かいじゅうだから慣なれない劣等れっとう感かんだとか、
狐塚きつねづか君きみが自分じぶんに色々いろいろ隠かくし事ごとしてる事ことに不安ふあんを募つのらせて、謎なぞを追おっていくお話はなし。

狐塚きつねづか君きみがイカロスだって事ことで素性すじょうを隠かくさないといけないのは分わかるけど、
しっかり話はなし合あいをすればこんなすれ違ちがいなんて起おこらなかったし、
糾弾きゅうだんされると逃にげてしまう所ところにモヤっとしてしまいました。

別べつ次元じげんの世界せかいのお話はなししだとか、
怪獣かいじゅう大戦たいせん争そうやら、ヒーロー、ロボットとか色々いろいろバトルしていくんですが、
表現ひょうげんが抽象ちゅうしょう的てき過すぎてちょっと追おい付ついていけなかった。

なんだかんだあって世界せかいが一ひとつに戻もどって
怪獣かいじゅうも居いない、平和へいわな世界せかいに戻もどってハッピーエンド。

蝶番ちょうつがいさんが何故なぜ　鞘さや師しさんを恨うらんでるのか、
タロウという謎なぞの生いき物ものの存在そんざいなどまだ判明はんめいしてません。


第だい二に話わ「水晶すいしょうの夜よる」
蝶番ちょうつがいさんと一色いっしょくさんメインのエピソード。
三さん話わの中なかでは悪役あくやく目線めせん。
第だい一いち話わで正太郎しょうたろうくんをことある事ことに巻まき込こんだ
狂言回きょうげんまわしな役割やくわりの蝶番ちょうつがいさん。

過去かこに怪獣かいじゅうに襲おそわれた時ときにヒーローは助たすけてくれなかった事ことから
イカロスと怪獣かいじゅうの攻防こうぼう劇げきに疑問ぎもんを感かんじ、「やらせ」を証明しょうめいする為ために
正太郎しょうたろうくんを利用りようします。

正太郎しょうたろうくんへの風評ふうひょう被害ひがいで仕事しごとをクビにまで追おい込こんだりと
自分じぶんの目的もくてきの為ためならば手段しゅだんを択えらばない上うえに
自分じぶんが受うけた仕事しごと・依頼いらいを果はたそうとする義務ぎむを放棄ほうきして
お金かねだけ懐ふところにしまい込こもうとする　クズい要素ようそあり。
だけど、何故なぜかちょっと憎にくめない。
なんか、ねずみ男おとこみたいな　小憎こにくらしいけど嫌きらいにはなれないキャラ。

蝶番ちょうつがいの記憶きおくの中なかの少女しょうじょ「ベルちゃん」と
一色いっしきさんが同どう一人物いちじんぶつである事ことを仄ほのめかしてて
どうして蝶番ちょうつがいさんの記憶きおくの中なかのベルちゃんの性別せいべつが逆転ぎゃくてんしてるのか、
再開さいかいする前まえの空白くうはくの時間じかんに何なにがあったのかが気きになるお話はなしでした。

サクラちゃんに「オネェのあんちゃん」を略りゃくせと促うながして
「おねえちゃん」って呼よばれるシーンは好すきｗ

「鬼おにのお兄にいちゃん」略りゃくして「鬼おにいちゃん」みたいな
某ぼうアニメの会話かいわを彷彿ほうふつとさせます。

一色いっしきさんお友達ともだちになりたい。


一色いっしきさんの目的もくてきは「人類じんるい全員ぜんいんを怪獣かいじゅうに変かえる事こと」。
幼少ようしょう期きに枕まくら営業えいぎょうや闇やみ営業えいぎょうをさせられた事ことを仄ほのめかしてます。
蝶番ちょうつがいさんとは違ちがった角度かくどで目的もくてきの為ためなら手段しゅだんを択えらばないタイプ。


第だい三さん話わ「ダスクマン」
十郎じゅうろうさんと夜よる美よしさんメインのエピソード。
三さん話わの中なかではイカロス目線めせん。

ヒーローと怪獣かいじゅうがどうやって誕生たんじょうしたか、
どうして世界せかい線せんが二ふたつに分わかれたかが判明はんめいするルート。

夜よる美よしさんは地球ちきゅうを侵略しんりゃくしに来きた異い星ほし人じんで
通販つうはんサイトで地球ちきゅうを複製ふくせいしてたら　なんか不時着ふじちゃくしてしまい
更さらに体からだは致命傷ちめいしょう。回復かいふくしたら自分じぶんを目覚めざめさせる為ために分身ぶんしんを生うみ出だす。

その分身ぶんしんが十郎じゅうろうさんのお父とうさんと恋こいに落おちて十郎じゅうろうさんを生うむ。

厳密げんみつに言いえば十郎じゅうろうさんって
夜よる美よしさんの分身ぶんしんの子供こどもって事ことだからある意味いみ　近親きんしん・・・？

他たのルートでは堅実けんじつなイメージを抱だいてましたが、
十郎じゅうろうさんはかなりのヤンデレです。
夜よる美よしさんを拾ひろった時ときなんて　「逃にげようとしたら足あしを折おる」と脅おどしたりして
イカロスになったのも　物語ものがたり後半こうはんで悪役あくやくに変かわってしまったのも
全部ぜんぶ　夜よる美よしさんに執着しゅうちゃくして拗こじれてしまったから。

夜よる美よしさんも夜よる美よしさんで
異い星ほし人じんで長寿ちょうじゅだから十郎じゅうろうさんが寿命じゅみょうを全まっとうした後のちの寂さびしさに耐たえられ無ないから
地球ちきゅうを滅ほろぼそうと計画けいかくし始はじめたりと、すごくはた迷惑めいわくな痴話喧嘩ちわげんか。

最後さいごのエピソードで「主人公しゅじんこうでは無なくエキストラとして生いきる」って
フェードアウトしたのは面白おもしろかった。
オマケで二に人にんの顔かおが黒くろく塗ぬりつぶされてたのも細こまかい演出えんしゅつだと思おもいました。

ーーーーーーーーーーーーーーー
「こういう作品さくひんが作つくりたかったんだ！」というのが伝つたわってくる位くらいに
プレイしてて　製作せいさく者しゃさんの愛あいが伝つたわる作品さくひんでした。


このサークルさんの次回じかい作さくも、もし出でるなら手てを出だしたいな、と思おもってます。