民法みんぽう第だい773条じょう

条文じょうぶん[編集へんしゅう]

第だい773条じょう: 第だい732条じょうの規定きていに違反いはんして婚姻こんいんをした女おんなが出産しゅっさんした場合ばあいにおいて、前条ぜんじょうの規定きていによりその子この父ちちを定さだめることができないときは、裁判所さいばんしょが、これを定さだめる。

改正かいせい経緯けいい[編集へんしゅう]

令れい和わ4年ねん法律ほうりつ第だい102号ごうによる改正かいせいにより、第だい733条じょう（再婚さいこん禁止きんし期間きかん）が削除さくじょされたため、再婚さいこん禁止きんし期間きかん違反いはん婚姻こんいんに替かえ重婚じゅうこん違反いはん婚姻こんいん（第だい732条じょう）に関かんして以下いかのとおり改正かいせいされた（2024年ねん(令れい和わ6年ねん)4月がつ1日にち施行しこう）。

（改正かいせい前まえ）第だい733条じょうの規定きていに違反いはんして再婚さいこんをした女おんなが出産しゅっさんした場合ばあいにおいて、

（改正かいせい後ご）第だい732条じょうの規定きていに違反いはんして婚姻こんいんをした女おんなが出産しゅっさんした場合ばあいにおいて、

解説かいせつ[編集へんしゅう]

「父ちちを定さだめる訴うったえ」の規定きてい。戦後せんごの民法みんぽう改正かいせいにおいても、明治めいじ民法みんぽう第だい821条じょうの規定きていがそのまま受うけ継つがれている。原意げんいは、再婚さいこん禁止きんし期間きかん違反いはん婚姻こんいん（民法みんぽう第だい733条じょう）により嫡出ちゃくしゅつ推定すいていが重複じゅうふくし、第だい772条じょう（嫡出ちゃくしゅつの推定すいてい）が有効ゆうこうに機能きのうしない場合ばあいに、裁判所さいばんしょが父ちちを定さだめる規定きていである（人事じんじ訴訟そしょう法ほうなどを参照さんしょう）。再婚さいこん禁止きんし期間きかんは廃止はいしされたが、重婚じゅうこんの場合ばあいも同様どうようの事態じたいは発生はっせいしうるため、適用てきよう局面きょくめんを改あらためた。

離婚りこん後ご、妻つまが他たの男性だんせいと同棲どうせいし設もうけた子こについて、民法みんぽう第だい733条じょうを類推るいすい適用てきようし「父ちちを定さだめる訴うったえ」を提起ていきすることを認みとめるのが判例はんれいであるが（大判おおばん昭あきら11年ねん7月がつ28日にち民みん集しゅう15巻かん1539頁ぺーじ）、嫡出ちゃくしゅつ推定すいていの重複じゅうふくが発生はっせいしえない事例じれいまで拡張かくちょうして適用てきようすることには疑義ぎぎが呈ていされている。

参照さんしょう条文じょうぶん[編集へんしゅう]

民法みんぽう第だい774条じょう（嫡出ちゃくしゅつの否認ひにん）
人事じんじ訴訟そしょう法ほう第だい2条じょう（定義ていぎ）

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

『民法みんぽう（5）親族しんぞく・相続そうぞく（第だい3版はん）』有斐閣ゆうひかく新書しんしょ（1989年ねん、有斐閣ゆうひかく）115頁ぺーじ（川田かわた昇のぼる執筆しっぴつ部分ぶぶん）
泉いずみ久雄ひさお『親族しんぞく法ほう』（1997年ねん、有斐閣ゆうひかく）194頁ぺーじ-204頁ぺーじ

参考さんこう[編集へんしゅう]

明治めいじ民法みんぽうにおいて、本条ほんじょうには以下いかの規定きていがあったが、家いえ制度せいど廃止はいしに伴ともない継承けいしょうなく削除さくじょされた。

継父母けいふぼ又またハ嫡母ちゃくぼカ子かねノ婚姻こんいんニ同意どういセサルトキハ子こハ親族しんぞく会かいノ同意どういヲ得えテ婚姻こんいんヲ為ためスコトヲ得とく

前条ぜんじょう:: 民法みんぽう第だい772条じょう
（嫡出ちゃくしゅつの推定すいてい）

民法みんぽう: 第だい4編へん親族しんぞく

第だい3章しょう親子おやこ

第だい1節せつ実子じっし

次つぎ条じょう:: 民法みんぽう第だい774条じょう
（嫡出ちゃくしゅつの否認ひにん）

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