民法みんぽう第だい878条じょう

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条文じょうぶん

（扶養ふようの順位じゅんい）

第だい878条じょう

扶養ふようをする義務ぎむのある者ものが数すう人にんある場合ばあいにおいて、扶養ふようをすべき者ものの順序じゅんじょについて、当事とうじ者しゃ間あいだに協議きょうぎが調ととのわないとき、又または協議きょうぎをすることができないときは、家庭かてい裁判所さいばんしょが、これを定さだめる。扶養ふようを受うける権利けんりのある者ものが数すう人にんある場合ばあいにおいて、扶養ふよう義務ぎむ者しゃの資力しりょくがその全員ぜんいんを扶養ふようするのに足たりないときの扶養ふようを受うけるべき者ものの順序じゅんじょについても、同様どうようとする。

解説かいせつ

扶養ふよう義務ぎむ者しゃの順位じゅんいについて定さだめる。戦後せんご改正かいせい前まえの明治めいじ民法みんぽう第だい955条じょうには、以下いかのとおり、条文じょうぶん上じょうに明示めいじされていたが、戦後せんご改正かいせいにより、①当事とうじ者しゃ間あいだの協議きょうぎ、②協議きょうぎが整ととのわない場合ばあい、家庭かてい裁判所さいばんしょが諸しょ事情じじょうを勘案かんあんして決定けっていするものとした。

1. 扶養ふようノ義務ぎむヲ負ふフ者しゃ数すう人にんアル場合ばあいニ於テハ其義務ぎむヲ履行りこうスヘキ者しゃノ順序じゅんじょ左ひだりノ如シ
   1. 配偶はいぐう者しゃ
   2. 直系ちょっけい卑属ひぞく
   3. 直系ちょっけい尊属そんぞく
   4. 戸主こしゅ
   5. 前条ぜんじょう第だい二に項こうニ掲ケタル者しゃ
      • 夫婦ふうふノ一方いっぽうト他たノ一方いっぽうノ直系ちょっけい尊属そんぞくニシテ其家ニ在ざいル者しゃトノ間あいだ亦また同どうシ
   6. 兄弟きょうだい姉妹しまい
2. 直系ちょっけい卑属ひぞく又またハ直系ちょっけい尊属そんぞくノ間あいだニ於テハ其親等とうノ最さいモ近きんキ者きしゃヲ先さきニス前条ぜんじょう第だい二に項こうニ掲ケタル直系ちょっけい尊属そんぞく間あいだ亦また同どうシ

判例はんれい

• 養育よういく料りょう償還しょうかん等とう請求せいきゅう(最高裁さいこうさい判決はんけつ 昭和しょうわ42年ねん02月がつ17日にち)民法みんぽう第だい703条じょう

  過去かこの扶養ふよう料りょうの求償きゅうしょうと民法みんぽう第だい878条じょうおよび民法みんぽう第だい879条じょう

  扶養ふよう権利けんり者しゃを扶養ふようしてきた扶養ふよう義務ぎむ者しゃが他たの扶養ふよう義務ぎむ者しゃに対たいして求償きゅうしょうする場合ばあいにおける各自かくじの扶養ふよう分担ぶんたん額がくは、協議きょうぎがととのわないかぎり、家庭かてい裁判所さいばんしょが審判しんぱんで定さだめるべきであつて、通常つうじょう裁判所さいばんしょが判決はんけつ手続てつづきで定さだめることはできない。

参考さんこう

明治めいじ民法みんぽうにおいて、本条ほんじょうには親権しんけんに関かんする以下いかの規定きていがあった。改正かいせいにより継父母けいふぼ・嫡母ちゃくぼの地位ちいを認みとめなくなったため継承けいしょうなく削除さくじょされた。

継父けいふ、継母けいぼ又またハ嫡母ちゃくぼカ親権しんけんヲ行くだりフ場合ばあいニ於テハ次じ章あきらノ規定きていヲ準用じゅんようス

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前条ぜんじょう: 民法みんぽう第だい877条じょう （扶養ふよう義務ぎむ者しゃ）

民法みんぽう 第だい4編へん 親族しんぞく 第だい7章しょう 扶養ふよう

次つぎ条じょう: 民法みんぽう第だい879条じょう （扶養ふようの程度ていど又または方法ほうほう）

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