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高等学校工業 原動機/熱力学の基礎 - Wikibooks コンテンツにスキップ

高等こうとう学校がっこう工業こうぎょう 原動機げんどうき/ねつ力学りきがく基礎きそ

出典しゅってん: フリー教科書きょうかしょ『ウィキブックス(Wikibooks)』

しきちゅう圧力あつりょくは、とくことわらないかぎり、絶対ぜったいあつである。

状態じょうたい方程式ほうていしき

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しきちゅう温度おんどとくことわらないかぎ絶対温度ぜったいおんど単位たんいはケルビン[K])である。

物理ぶつりがく化学かがくなどでのねつ力学りきがくられるボイル・シャルルの法則ほうそくでは、理想りそう気体きたい状態じょうたい方程式ほうていしきつぎかたちである。

つ。しきちゅうのPは絶対ぜったいあつでの圧力あつりょく[Pa]。Vは気体きたいめる体積たいせき[m3]。Tは気体きたい絶対温度ぜったいおんど[K]である。 このとき、定数ていすう はガスしゅによらず一定いっていである。

[J/(mol・K)]

である。この定数ていすう普遍ふへん気体きたい定数ていすう(universal gas constant)または一般いっぱん気体きたい定数ていすうぶ。

機械きかい工学こうがくおよび流体りゅうたい力学りきがくでは、モルnのわりに、質量しつりょうmを使つかい、つぎしき変形へんけいされた状態じょうたい方程式ほうていしき使つかうことがおおい。

比例ひれい定数ていすうR[J/(kg・K)]はガスしゅによってわる定数ていすうなので注意ちゅうい。この係数けいすうRを気体きたい定数ていすう(gas constant)という。分子ぶんしりょうをMとした場合ばあい

[J/(mol・K)] ( =8.314[kJ/(mol・K)] )

関係かんけいがある。 気体きたい定数ていすう便覧びんらんなどにあたえられているので、それをもちいることがおおい。機械きかい工学こうがくでは、あまり、モルからねつ力学りきがくしょりょう算出さんしゅつすることはしない。機械きかい工学こうがく質量しつりょうmをもちいた状態じょうたい方程式ほうていしきもちいるのに、とくに明確めいかく理由りゆうがあるわけではないが、もちいる理由りゆういてうなら、流体りゅうたい力学りきがくとの関係かんけいじょう運動うんどう方程式ほうていしきあつかいやすいことや、測定そくてい都合つごうで、モルを測定そくていするより質量しつりょうmを測定そくていするほうが容易ようい場合ばあいおおいなどの理由りゆうだろう。

なお、体積たいせきのVを右辺うへん移行いこうすると、密度みつどρろーが、しきてくる。

ここで、小文字こもじのvをもちいて、密度みつど逆数ぎゃくすう体積たいせき定義ていぎする。 つまり、体積たいせきvの定義ていぎ

である。

エンタルピー

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気体きたい内部ないぶエネルギーUに圧力あつりょくPと体積たいせきVのせきPVをしあわせたりょうU+PVをエンタルピー(enthaipy)という。 エンタルピーを記号きごうHであらわす。

 [J]

定義ていぎである。 圧力あつりょく一定いってい定圧ていあつ変化へんか比熱ひねつc_Pは、エンタルピ変化へんかひとしくなる。 なぜなら、

いっぽう、

仮定かてい定圧ていあつ変化へんかより\Delta P=0だから、

流体りゅうたいねつくわわる場合ばあい流体りゅうたい計算けいさんでは、エンタルピをもちいたほうが、しきかたち単純たんじゅんになることがおおい。

温度おんど変化へんか等温とうおん変化へんか(isothermal change)では、圧力あつりょく体積たいせきがどうわってもエンタルピは変化へんかしない。 なぜなら、U+PVとPV=mRTを連立れんりつさせると、

となるが、内部ないぶエネルギUは理想りそう気体きたいでは、温度おんどのみの関数かんすうだから、

となる。


エントロピー

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ねつ機関きかん効率こうりつ以下いかしき定義ていぎされる。温度おんど高温こうおんから熱量ねつりょう機関きかんはいり、温度おんど低温ていおん熱量ねつりょうした場合ばあい効率こうりつ定義ていぎしき

である。ねつ機関きかん最大さいだい効率こうりつは、可逆かぎゃく機関きかん場合ばあいであり、そのしきは、温度おんどもちいて、

あらわせる。 現実げんじつねつ機関きかんは、不可ふかぎゃく機関きかんであり、効率こうりつ理論りろんじょう最大さいだい効率こうりつよりもがる。 さて、不等号ふとうごうもちいて、可逆かぎゃく機関きかん不可ふかぎゃく機関きかん両方りょうほう場合ばあいをまとめてあらわせば、

である。これを変形へんけいし、




あらわせる。 ここで、熱量ねつりょうQを温度おんどTでったQ/Tがてきたが、このりょうエントロピー(entropy)といい、記号きごうSをもちいてつぎしき定義ていぎされる。

[J/K]

エントロピをもちいると、ねつ効率こうりつしきつぎかたちえられる。

となり、不可ふかぎゃく過程かてい場合ばあいは、ねつ機関きかんなかでエントロピが増加ぞうかして、放出ほうしゅつされたことになる。 なお、エントロピーは、名前なまえがエンタルピーとているが、ことなるりょうなので混同こんどうしないように注意ちゅういすること。

機械きかい工学こうがくでは、蒸気じょうきねつ計算けいさんでエンタルピーやエントロピーを使つかうことがある。

蒸気じょうき性質せいしつ

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用語ようご

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本章ほんしょうでは、「蒸気じょうき」とった場合ばあいとくことわらないかぎり、水蒸気すいじょうきとする。化学かがくなど、ただし、学問がくもん分野ぶんやでは、水蒸気すいじょうき以外いがいのものも、たとえばアルコール蒸気じょうきなども、蒸気じょうき分類ぶんるいするので、化学かがく教科書きょうかしょなどを参照さんしょうするときは注意ちゅうい必要ひつようである。 また、室温しつおん常温じょうおんでのみず蒸発じょうはつなどのように、蒸気じょうきは、沸点ふってんからひくくても発生はっせいする。だが、本章ほんしょうでは、沸点ふってんへの加熱かねつによって蒸気じょうき発生はっせいさせた場合ばあい中心ちゅうしんに、とくことわりがないかぎりは、あつかうとする。

液体えきたい沸騰ふっとうする温度おんどは、その液体えきたいくわわる外部がいぶからのあつりょくによってわる。 誤解ごかいをされやすいが、じつ蒸気じょうき沸点ふってん以上いじょうにも加熱かねつすることができる。 「蒸気じょうき沸点ふってん以上いじょう加熱かねつできない。」というかんがえは、大気たいきあつ状況じょうきょう解放かいほうされた容器ようきない沸騰水ふっとうすいにのみたいしてしかなりたたない。 沸点ふってん以上いじょう加熱かねつれいは、たとえば、金属きんぞくせい強固きょうこ密閉みっぺい容器ようきちゅうに、みず空気くうきめて、沸騰ふっとうさせれば、容器ようき密閉みっぺいのため圧力あつりょく大気たいきあつ一定いっていではないので、加熱かねつつづければ沸騰ふっとう開始かいし温度おんどよりも蒸気じょうき温度おんどがる。本章ほんしょう解説かいせつしようとしてるのは、このような、大気たいきあつでの沸点ふってん以上いじょう加熱かねつされた蒸気じょうき性質せいしつである。

このように大気たいきあつ以外いがい圧力あつりょく状況じょうきょうでも、みず沸騰ふっとうあつかうことから、ほん分野ぶんやではみず沸点ふってんは、かならずしも大気たいきあつ状況じょうきょうでの沸点ふってん100℃とはかぎらない。

このような理由りゆうから、以下いか飽和ほうわ圧力あつりょく飽和ほうわ温度おんど定義ていぎ必要ひつようである。

  • 飽和ほうわ圧力あつりょく

ある一定いってい温度おんど条件じょうけん液体えきたい沸騰ふっとうするときの圧力あつりょく飽和ほうわ圧力あつりょく(saturation pressure)という。また、ある一定いってい圧力あつりょくで、液体えきたい沸騰ふっとうするときの沸点ふってん温度おんど飽和ほうわ温度おんど(saturation temperature)とう。 液体えきたい飽和ほうわ温度おんどは、圧力あつりょくがれば飽和ほうわ温度おんど低下ていかするのが一般いっぱんである。

飽和ほうわ温度おんど飽和ほうわ圧力あつりょく状況じょうきょうのもとにあるみずを、飽和ほうわすい(saturated water)という。


沸騰ふっとうしている液体えきたいから発生はっせいする蒸気じょうきは、飽和ほうわ温度おんど飽和ほうわ圧力あつりょく状態じょうたいにあるとかんがえられるので、この蒸気じょうき飽和ほうわ蒸気じょうき(saturated steam)という。 沸騰ふっとうあいだ液体えきたいすべ気体きたいわってくなるまでの液体えきたいのこっているあいだは、大気たいきちゅう蒸気じょうき開放かいほうするなどして圧力あつりょく沸騰ふっとう開始かいしのままに一定いっていたもてば、蒸気じょうき温度おんど飽和ほうわ温度おんどから変化へんかしない。

  • 湿しめ飽和ほうわ蒸気じょうき

飽和ほうわ蒸気じょうき飽和ほうわすいとの混合こんごうぶつ湿しめ飽和ほうわ蒸気じょうきという。これにたいして、湿しめ飽和ほうわ蒸気じょうき加熱かねつさせるなどして飽和ほうわすいすべ飽和ほうわ蒸気じょうきえて、水分すいぶんをまったくふくまなくなった直後ちょくご飽和ほうわ蒸気じょうきを、かわ飽和ほうわ蒸気じょうきという。

湿しめ飽和ほうわ蒸気じょうき質量しつりょう1kgあたりにたいして、x[kg]が飽和ほうわ蒸気じょうきであるとき、x[kg]のかわたび(dryness)とい、(1-x)の湿しめ(wetness fraction)という。日本語にほんごでの「湿しめ」の表記ひょうきが、地学ちがく用語ようごなどの「湿度しつど」(humidity)とているが、定義ていぎ別物べつものであるので混同こんどうしないように注意ちゅういのこと。 かわxをもちいてかわ飽和ほうわ蒸気じょうき定義ていぎ説明せつめいすれば、かわx=1にった直後ちょくごおな状態じょうたい温度おんど圧力あつりょく蒸気じょうきかわ飽和ほうわ蒸気じょうきという。かわx=0の状態じょうたいは、飽和ほうわすいである。

各種かくしゅせん

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P-vせん画像がぞうはフランスばん
"Liquide-vapour"がえき共存きょうぞん領域りょういきで、湿しめ蒸気じょうき
"Courbe de rosée"とある、みどり領域りょういき水色みずいろ領域りょういきとの、境界きょうかいせんくろせんが、飽和ほうわ蒸気じょうきせんである。 "Courbe d'ebulition"は飽和ほうわ水線すいせんのこと。

蒸気じょうき性質せいしつは、温度おんど圧力あつりょくかく条件じょうけんによって、様々さまざま場合ばあいがあり、ひとつのしきでは条件じょうけん蒸気じょうき状態じょうたい表現ひょうげんしにくいことから、グラフによって、条件じょうけん蒸気じょうき状態じょうたいとの対応たいおう表現ひょうげんする場合ばあいがある。そのためのグラフとして以下いかべるような各種かくしゅせんがある。 代表だいひょうてきせんとして、蒸気じょうき温度おんど体積たいせき関係かんけいをグラフ表示ひょうじしたT-vせんがある。 ほかにも、蒸気じょうき圧力あつりょく体積たいせき関係かんけいをグラフ表示ひょうじしたP-vせんがある。 さらにほかにも、蒸気じょうき圧力あつりょく温度おんど関係かんけいをグラフ表示ひょうじしたP-Tせんがある。

せん図上ずじょう飽和ほうわすい条件じょうけんをプロットしたてんを、つなげた曲線きょくせん飽和ほうわ水線すいせん(saturation water line)または飽和ほうわえきせん(saturation liquid line)という。 せん図上ずじょう飽和ほうわ蒸気じょうき条件じょうけんをプロットしたてんを、つなげた曲線きょくせん飽和ほうわ蒸気じょうきせん(saturation vapour line,あるいはsaturation steam line)という。

臨界りんかいてん

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臨界りんかいてんは"Point crittique".(フランス語ふらんすご

水蒸気すいじょうきせんでは、常温じょうおんつねあつから高温こうおんへとなるにしたがい、飽和ほうわえきせん飽和ほうわ蒸気じょうきせんりょうせんちかづく。そして、つぎてんの、圧力あつりょく22.064MPa、温度おんど373.946℃のてんで、飽和ほうわ水線すいせん飽和ほうわ蒸気じょうきせんとがまじわる。このてん臨界りんかいてん(critical point)という。


(なお、「臨界りんかいてん」という言葉ことばは、分野ぶんやでもちが意味いみもちいられることがおおいので、混同こんどうしないように注意ちゅういのこと。)このときの体積たいせきは、0.00310559m^3/kgである。 蒸気じょうき臨界りんかいてんのときの圧力あつりょく臨界りんかい圧力あつりょくといい、蒸気じょうき臨界りんかいてんのときの温度おんど臨界りんかい温度おんどという。

この臨界りんかい圧力あつりょくえた状態じょうたいちょう臨界りんかいという。ちょう臨界りんかい物体ぶったい物性ぶっせいは、一般いっぱん液体えきたい気体きたいとはことなる。 なお、みずにかぎらず、分子ぶんしでもちょう臨界りんかい現象げんしょう存在そんざいする。二酸化炭素にさんかたんそやメタンでもちょう臨界りんかい現象げんしょう存在そんざいする。 くわしくは高校こうこう範囲はんいえるので省略しょうりゃくする。


エントロピせんおよびエンタルピせん

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温度おんどたいみず/蒸気じょうきのための具体ぐたいてきなエントロピーしょうあかいドームのした領域りょういきでは、液体えきたいみず水蒸気すいじょうき平衡へいこう状態じょうたい共存きょうぞんする。臨界りんかいてんは、ドームの上部じょうぶにある。液体えきたいみずはドームの左側ひだりがわにある。蒸気じょうきはドームの右側みぎがわにあります。あおせん/曲線きょくせん等圧線とうあつせん一定いってい圧力あつりょくしめす。グリーンライン/曲線きょくせんがあるisochors一定いってい特定とくていのボリュームをしめす。あか曲線きょくせんは、一定いってい品質ひんしつしめしています。
蒸気じょうきのムーリエ・エンタルピ-エントロピせん

蒸気じょうきもちいた工業こうぎょうねつ機関きかん解析かいせきなどで、P-vせんやT-vせんやP-Tせんなどでは、実用じつようきょうしない場合ばあいがある。 たとえば、P-vせんでは、グラフじょうかく曲線きょくせんは、それぞれ温度おんど一定いっていであるが、実際じっさい気体きたい状態じょうたい変化へんか温度おんど一定いっていとはかぎらない。同様どうようにT-vせんでも、実際じっさいねつ機関きかんない気体きたい状態じょうたい変化へんかは、圧力あつりょく一定いっていとはかぎらない。P-Tせん同様どうようである。 もちろん、P-vせんなどを、ねつ機関きかん解析かいせき実務じつむもちいる場合ばあいもある。 ともかく、P-vせんなどでは都合つごうわる場合ばあいがあるので、わりに、エンタルピまたはエントロピとの関係かんけいをグラフで表示ひょうじしたせんもちいられる場合ばあいがある。 たとえば、エンタルピ-圧力あつりょくせんや、エンタルピ-エントロピせんや、温度おんど-エントロピせんなどがもちいられる場合ばあいがある。

また、せんには湿しめ蒸気じょうき性質せいしつ記載きさいされていないので、これらのせんとはべつに、かずひょうによって湿しめ蒸気じょうきのエンタルピやエントロピを記載きさいした飽和ほうわ蒸気じょうきひょうがある。


蒸気じょうきようエンタルピーエントロピー(H-S)せん 蒸気じょうき圧力あつりょく - エンタルピー(p-h)せん 蒸気じょうきよう温度おんどエントロピー(T-S)せん

蒸気じょうきひょう

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蒸気じょうきひょう
Temp. Pressure H of liquid ΔでるたvapH ΔでるたvapW ρろー of vapor
0 °C 0.612 kPa 0.00 J/g 2496.5 J/g 126.0 J/g 0.004845 kg/m3
10 °C 1.227 kPa 42.0 J/g 2473.5 J/g 130.5 J/g 0.009398 kg/m3
20 °C 2.536 kPa 83.8 J/g 2450.9 J/g 135.1 J/g 0.01728 kg/m3
30 °C 4.242 kPa 125.6 J/g 2427.9 J/g 139.7 J/g 0.03036 kg/m3
40 °C 7.370 kPa 167.2 J/g 2404.9 J/g 144.2 J/g 0.05107 kg/m3
50 °C 12.33 kPa 209.0 J/g 2381.4 J/g 148.7 J/g 0.08285 kg/m3
60 °C 19.90 kPa 250.8 J/g 2357.6 J/g 153.0 J/g 0.1300 kg/m3
70 °C 31.15 kPa 292.7 J/g 2332.9 J/g 157.3 J/g 0.1979 kg/m3
80 °C 46.12 kPa 334.6 J/g 2307.7 J/g 161.5 J/g 0.2931 kg/m3
90 °C 70.10 kPa 376.6 J/g 2282.6 J/g 165.5 J/g 0.4232 kg/m3
100 °C 101.32 kPa 419.0 J/g 2256.3 J/g 169.4 J/g 0.5974 kg/m3
110 °C 143.27 kPa 460.8 J/g 2229.5 J/g 173.1 J/g 0.8264 kg/m3
120 °C 198.50 kPa 503.2 J/g 2201.4 J/g 176.7 J/g 1.121 kg/m3
130 °C 270.13 kPa 545.8 J/g 2172.5 J/g 180.2 J/g 1.497 kg/m3
140 °C 361.4 kPa 588.5 J/g 2142.8 J/g 183.2 J/g 1.967 kg/m3
150 °C 476.0 kPa 631.5 J/g 2111.8 J/g 186.1 J/g 2.548 kg/m3
160 °C 618.1 kPa 674.7 J/g 2080.0 J/g 188.7 J/g 3.263 kg/m3
170 °C 792.0 kPa 718.5 J/g 2047.0 J/g 190.6 J/g 4.023 kg/m3
180 °C 1002.7 kPa 762.5 J/g 2012.2 J/g 192.8 J/g 5.165 kg/m3
190 °C 1254.9 kPa 807.0 J/g 1975.8 J/g 194.5 J/g 6.402 kg/m3
200 °C 1554.3 kPa 851.9 J/g 1937.3 J/g 195.6 J/g 7.868 kg/m3
210 °C 1907.9 kPa 897.5 J/g 1897.5 J/g 196.3 J/g 9.606 kg/m3
221.1 °C 2369.8 kPa 948.5 J/g 1850.2 J/g 196.6 J/g 11.88 kg/m3
229.4 °C 2769.6 kPa 987.9 J/g 1812.5 J/g 196.2 J/g 13.87 kg/m3
240.6 °C 3381.1 kPa 1040.6 J/g 1759.4 J/g 195.1 J/g 16.96 kg/m3
248.9 °C 3904.1 kPa 1080.3 J/g 1715.8 J/g 193.7 J/g 19.66 kg/m3
260.0 °C 4695.9 kPa 1134.8 J/g 1653.9 J/g 190.8 J/g 23.84 kg/m3
271.1 °C 5603.4 kPa 1195.9 J/g 1586.5 J/g 186.9 J/g 28.83 kg/m3
279.4 °C 6366.5 kPa 1240.7 J/g 1532.5 J/g 183.3 J/g 33.18 kg/m3
290.6 °C 7506.2 kPa 1302.3 J/g 1456.3 J/g 177.4 J/g 39.95 kg/m3
298.9 °C 8463.9 kPa 1350.0 J/g 1394.8 J/g 172.2 J/g 45.93 kg/m3
310.0 °C 9878.0 kPa 1415.7 J/g 1307.7 J/g 164.2 J/g 55.25 kg/m3
321.1 °C 11461 kPa 1483.9 J/g 1212.7 J/g 154.5 J/g 66.58 kg/m3
329.4 °C 12785 kPa 1537.9 J/g 1133.2 J/g 145.6 J/g 76.92 kg/m3
340.6 °C 14727 kPa 1617.9 J/g 1007.6 J/g 130.9 J/g 94.25 kg/m3
348.9 °C 16331 kPa 1687.0 J/g 892.0 J/g 117.0 J/g 111.5 kg/m3
360.0 °C 18682 kPa 1797.0 J/g 694.0 J/g 91.0 J/g 145.3 kg/m3
371.1 °C 21349 kPa 1968.3 J/g 365.0 J/g 47.0 J/g 214.5 kg/m3
374.4 °C 22242 kPa 2151.2 J/g 0 J/g 0 J/g 306.8 kg/m3
Temp. Pressure H of liquid ΔでるたvapH ΔでるたvapW ρろー of vapor



ねつつたわりかた

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機械きかい工学こうがくでは、材料ざいりょうないでのねつつたわる仕組しくみについてかんがえる必要ひつようがある。 たとえば、自動車じどうしゃエンジンとかボイラとかを想像そうぞうしていただければ、納得なっとくしていただけるだろう。

そもそも、ねつとはなにか。ねつ温度おんどちがいはなにか。 物体ぶったい加熱かねつすれば温度おんど上昇じょうしょうすることから、ねつとは、それをることによって、温度おんどがるエネルギーであろう。(潜熱せんねつとか融解ゆうかいねつとかは、簡単かんたんのため、しばらく、かんがえないことにする。) そして、ねつは、外部がいぶからくわえなければ、自然しぜん温度おんどたかところから、温度おんどひくいところへと移動いどうしていく。 その結果けっか温度おんどたかかった場所ばしょは、ねつ手放てばなし、だんだんと温度おんどひくくなる。ぎゃくに、温度おんどひくかった場所ばしょ温度おんどたかくなる。そして、いつしか、ふたつの箇所かしょ温度おんどおなじになる。 いっぽう、ねつが、温度おんどひくいところから、温度おんどたかところへと自然しぜん移動いどうすることは、ない。 こうして、ねつ温度おんどたかいところにあったねつ拡散かくさんしていく。 ねつ温度おんどちがいにいては、くわしくは、物理ぶつり高校こうこう教科書きょうかしょなどを参照さんしょうしていただければ、ふつうはいてあるので、それらを参照さんしょうしていただきたい。

静止せいしした物体ぶったいでのねつつたわりかたには、おおきくければ、ねつ伝導でんどうねつ放射ほうしゃふたつにけられる。

ねつ放射ほうしゃ

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可視かしこうねつ放射ほうしゃが、このようなねっされた金具かなぐることができる。赤外線せきがいせん領域りょういきでの放射ほうしゃは、人間にんげん画像がぞう撮影さつえいされたカメラにはえないが、赤外線せきがいせんカメラでは撮影さつえいできる。

ねつ放射ほうしゃ(thermal radiation)とはなにか。じつは、絶対ぜったいれい以外いがい温度おんどつ、どの物体ぶったいも、電磁波でんじはしている。その放射ほうしゃする電磁波でんじはが、人間にんげんえないのは、たん放射ほうしゃ電磁波でんじは周波数しゅうはすうが、人間にんげん可視かし領域りょういきいからという理由りゆうである。 この放射ほうしゃする電磁波でんじはは、常温じょうおんでは周波数しゅうはすうひくく、赤外線せきがいせん領域りょういきである。高音こうおんになるほど、物体ぶったい放射ほうしゃ電磁波でんじは周波数しゅうはすうたかくなり、可視かし領域りょういきへとはいっていく。溶鉱炉ようこうろなどで、高温こうおんけた金属きんぞくひかるのは、この放射光ほうしゃこうによるものである。 この放射光ほうしゃこうもエネルギーを高温こうおんがわから低温ていおんがわ輸送ゆそうする。 ねつ放射ほうしゃは、別名べつめいではねつ輻射ふくしゃ(ねつふくしゃ)ともう。


ねつ伝導でんどうりつ

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平板へいばんでのねつ伝導でんどう概念がいねん

さて、ねつ伝導でんどう定義ていぎでは、以上いじょうのような放射光ほうしゃこうによるねつエネルギの輸送ゆそうとは、区別くべつしたべつ定義ていぎもちいる。 ねつ伝導でんどう定義ていぎ説明せつめいする。 まず、金属きんぞくかたまりでも、木材もくざいでもなにでもいいが、なんらかの固体こたい想像そうぞうしていただきたい。 このような固体こたい物体ぶったいに、加熱かねつなどで温度おんどしょうじさせると、分子ぶんしねつ振動しんどうによって、物体ぶったい内部ないぶねつ輸送ゆそう現象げんしょうがおこる。この個体こたい内部ないぶたいする、高温こうおんから低温ていおんへの、ねつ輸送ゆそうを、ねつ伝導でんどう(heat conduction)という。 放射ほうしゃは、便宜上べんぎじょうねつ伝導でんどうとしてはあつかわない。ねつ伝導でんどう放射ほうしゃとを区別くべつするのは、物理ぶつりがく分野ぶんやでの、そういった定義ていぎまりなので、読者どくしゃには、したがっていただくしかい。また、気体きたい液体えきたいなどの流体りゅうたいたいしては、対流たいりゅうという温度おんどによってしょうじるながれがしょうじるので、この流体りゅうたいたいするねつ輸送ゆそうのメカニズムは、ねつ伝導でんどうとは区別くべつする。くわしくは、「ねつ伝達でんたつ」にかんする項目こうもく解説かいせつする。


まず、個体こたい内部ないぶ温度おんどたいするねつ伝導でんどう仕組しくみを、数式すうしきもちいて定量ていりょうしよう。

結論けつろんからはなすと、以下いか定義ていぎをまずはおぼえていただきたい。

  • ねつりゅうたば

物体ぶったいない移動いどうしたねつのエネルギーを、単位たんい面積めんせきったもの。記号きごうはqであらわすのが一般いっぱんてき単位たんいは[W/m2]

  • 温度おんど勾配こうばい

材料ざいりょうないの2地点ちてんの、温度おんどを、2地点ちてん距離きょりった温度おんどΔでるたTとして、距離きょりをdとすれば、 温度おんど勾配こうばいΔでるたT/dである。単位たんいは[K/m]あるいは[℃/m]である。

  • ねつ伝導でんどうりつ

ねつ伝導でんどうにおける、ねつりゅうたば温度おんど勾配こうばいとの比例ひれい係数けいすうで、ねつりゅうたば温度おんど勾配こうばいったねつ伝導でんどうりつ(thermal conductivity)という。記号きごうλらむだ一般いっぱんねつ伝導でんどうりつ定義ていぎより、

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つ。

そして、ねつ伝導でんどうりつλらむだは、じつ物性ぶっせいである。物性ぶっせいとは、物質ぶっしつ種類しゅるいによって、がほとんどまるという種類しゅるいである。 さて、このような一連いちれん定義ていぎは、本当ほんとう妥当だとうなのか。定義ていぎそのものも、妥当だとうせい確認かくにんを、実験じっけんてきになされなければならない。このようなねつ伝導でんどう公式こうしき提唱ていしょう実験じっけんは、物理ぶつり学者がくしゃのフーリエたちによってなされた。 なので、このような歴史れきしてき経緯けいいから、上記じょうきしきの、

は、フーリエの業績ぎょうせきをたたえて、フーリエのしき、あるいはフーリエの法則ほうそく(Foulier's Law)とばれるようになった。 このフーリエの法則ほうそく公式こうしきは、ねつ伝導でんどう基本きほん法則ほうそくである。 固体こたいないねつ伝導でんどうについては、安心あんしんしてフーリエの法則ほうそく公式こうしきもちいてい。 ただし、あくまでも、「固体こたいないでの場合ばあいである。流体りゅうたいについては、対流たいりゅう現象げんしょうのため、通常つうじょうでは、フーリエのしき使つかえないので、間違まちがって流体りゅうたいにフーリエのしき適用てきようしないように注意ちゅういのこと。


フーリエの法則ほうそく物理ぶつりてき意味いみについて、かんがえよう。 まず、かり読者どくしゃねつ伝導でんどうのフーリエの法則ほうそくらなかったとして、定式ていしきまでのさい発見はっけん道筋みちすじをたどってみよう。 ねつ一方向いちほうこうのみにつたわるように問題もんだい設定せっていしたほうが定式ていしきしやすいので、空間くうかんないあつさdのたいらでひろかべ遮蔽しゃへいし、かべ片側かたがわ高温こうおんねっして温度おんど にしたとする。かべこうがわ温度おんど だとしよう。 ( > とする。) かべさき温度おんど蓄積ちくせき能力のうりょく十分じゅうぶんおおきく、ねつりゅうによる温度おんど変化へんか影響えいきょう微小びしょうだとして、かべ温度おんど時間じかんによらず一定いっていとしよう。かべ温度おんど一定いっていでないと、ねつりゅうたば一定いっていにならずに定常ていじょうになり解析かいせき複雑ふくざつになるので、簡単かんたんのための、問題もんだい設定せってい便宜べんぎである。

フーリエら先人せんじんたちは、かべたいらでない場合ばあいでのねつ伝導でんどう定式ていしき研究けんきゅうしているが、はつ学者がくしゃには難解なんかいなので、そのような事例じれいは、ここではかんがえず、かべたいらとしよう。 かべ温度おんど一定いっていでない、定常ていじょう温度おんど場合ばあいもフーリエは数学すうがくてき解析かいせきによって研究けんきゅうしているが、高校こうこうレベルをえる難解なんかい計算けいさんなので、今回こんかいかんがえない。

さて、温度おんどがあると、ねつ高温こうおんから低温ていおんへと輸送ゆそうされるのだった。まず2てん温度おんど

とすると、この温度おんどに、ねつ移動いどうりょう比例ひれいすることになる。しかし、まだ、2てんあいだかべあつさによる影響えいきょう考慮こうりょしていないのである。複数個ふくすうこかべ用意よういし、あつさのことなるかべ複数個ふくすうこほど用意よういしたとして、かくかべ両側りょうがわ温度おんどおなじにして実験じっけんをすれば、当然とうぜんかべあついほど、ねつ移動いどうしにくいだろう。

は、この条件じょうけんたしている。

ねつ伝達でんたつりつ

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流体りゅうたいについては、温度おんどによって対流たいりゅうこるため、通常つうじょう解析かいせきでは、流体りゅうたいでのねつつたわりの解析かいせきにはフーリエのしき使つかえない。読者どくしゃ注意ちゅういするが、間違まちがって、流体りゅうたいたいしてフーリエのしきもちいてはいけない。 では、つぎに、その流体りゅうたいでのねつつたわりかたの仕組しくみをかんがえよう。

流体りゅうたいだって、固体こたいおなじように、温度おんどってるし、温度おんど分子ぶんし振動しんどうだから、ねつ伝導でんどうこる。そして物性ぶっせいとしてのねつ伝導でんどうりつを、気体きたい液体えきたい物質ぶっしつであることにわりはないから、流体りゅうたいねつ伝導でんどうりつっている。 しかし、流体りゅうたいでは対流たいりゅうもおこるので、流体りゅうたいないでの温度おんど変化へんかねつ伝導でんどうによるものか、対流たいりゅうによるものか区別くべつをしづらい。 一般いっぱん設計せっけい実務じつむでは、流体りゅうたいでのねつ輸送ゆそうかんする計算けいさんでは、ねつ伝導でんどうのフーリエのしきもちいない。 かわりにねつ伝達でんたつ公式こうしきもちいる。

まず、高温こうおん温度おんどかべ1ばんと、低温ていおん温度おんどかべ2ばんに、流体りゅうたいはさまれているとしよう。かべおおきさは、両方りょうほうともおなじとしよう。両方りょうほうかべ十分じゅうぶんひろながいとする。簡単かんたんのため、流体りゅうたい密閉みっぺいされてるとしよう。断熱だんねつざいふたつのかべ密閉みっぺいしよう。断熱だんねつざいかべおおわないとする。 このとき、流体りゅうたい通過つうかするねつりゅうたばq

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あらわせる。ここで比例ひれい定数ていすうhは、ねつ伝達でんたつりつ(heat transfer coefficient)もしくはつてねつ係数けいすうねつ伝達でんたつ係数けいすうなどという。hの単位たんいは[W/(m^2・K)]である。 ねつ伝達でんたつりつ記号きごうhのわりに記号きごうαあるふぁあらわすこともある。流体りゅうたいせっしている高温こうおん物体ぶったい固体こたい温度おんど低温ていおん物体ぶったい固体こたい温度おんどである。 ねつ伝導でんどうしきことなるところは、あつさに影響えいきょうしないことである。そもそも対流たいりゅうこり、その対流たいりゅう影響えいきょうのほうがねつ伝導でんどうよりもつよいので、流体りゅうたいねつ伝達でんたつしきには、あつさをふくめるのは不合理ふごうりである。 ここでねつ伝達でんたつりつhは、りゅう形状けいじょう流速りゅうそく温度おんどなどによってわるであり、物性ぶっせいではない。流体りゅうたい物性ぶっせいによってもねつ伝達でんたつりつhの変化へんかをするが、しかし物性ぶっせい以外いがい影響えいきょうけて変化へんかするのでねつ伝達でんたつりつhは物性ぶっせいではない。このhのかたは、装置そうちごとに実験じっけんによる測定そくていによってめる。 文献ぶんけんなどをれば、様々さまざま条件じょうけんでのねつ伝達でんたつりつ測定そくてい結果けっかっていたり、実験じっけんしきっている場合ばあいがあるが、その実験じっけんしき設計せっけいよう参考さんこうであり、設計せっけいしゃにとっては推定すいていである。最終さいしゅうてきねつ伝達でんたつりつ正確せいかく決定けっていするさいには、装置そうちごとにねつ伝達でんたつりつ実験じっけん確認かくにんする必要ひつようがある。


ねつ通過つうかりつ

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ねつ伝導でんどうねつ伝達でんたつなど、ねつ移動いどう総称そうしょうして、ねつ通過つうかという。

ねつ伝導でんどうおこな固体こたいと、ねつ伝達でんたつおこな流体りゅうたいとを統一とういつてきあつかえるように、ねつ輸送ゆそう概念がいねん定義ていぎされる。 ねつ伝導でんどう公式こうしきねつ伝達でんたつ公式こうしきも、両方りょうほうとも、温度おんどqによってねつりゅうたば発生はっせいすることにはわらないので、以下いかのようにして、ねつ輸送ゆそうりつkの定義ていぎしきが、温度おんど温度おんど の2てんたいして定義ていぎされる。

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しきかたちは、ねつ伝達でんたつ類似るいじしてるが、ねつ輸送ゆそうりつ場合ばあいは、ねつつたえるものが固体こたい流体りゅうたいかはわない。 同様どうように、ねつつたえる仕組しくみがねつ伝導でんどうねつ輸送ゆそうかを、ねつ輸送ゆそうりつ場合ばあいは、わない。 たとえば、平板へいばんたいして、ねつ輸送ゆそうりつ定義ていぎした場合ばあい平板へいばんねつ輸送ゆそうりつkは、ねつ伝導でんどうりつλらむだ平板へいばんあつさをdとすれば、平板へいばんねつ輸送ゆそうりつkは、

となる。


複数ふくすうかべかさねた場合ばあいねつ通過つうかりつ

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複数ふくすうかべかさねた場合ばあいねつ通過つうかりつかんがえよう。(「ねつ伝導でんどう」ではなく、「ねつ通過つうかりつとしたのには、このほうが計算けいさんがしやすくなるという理由りゆうがあるため。) まず、かべが2まいだとして、あつねつ伝導でんどうりつたいらなかべ1ばんに、あつねつ伝導でんどうりつたいらなかべ2ばん隙間すきまなくかさねて、接触せっしょくさせたとしようたとしよう。かべ1ばんかべ2ばん接合せつごうめん温度おんど としよう。このりょうかべ接合せつごう温度おんど未知数みちすうである。 そうすると、かべ1ばん通過つうかしたねつりゅうたばqは、すべてかべ2ばんとおるとかんがえることができるので以下いかしきになる。

である。 そして、もとめたい複数ふくすうかべかさねた場合ばあいねつ通過つうかりつは、

である。 まず、かくかべねつ伝導でんどうりつしきを、ねつ通過つうかりつしき変換へんかんしたほうが、計算けいさんしやすいので、変換へんかんしよう。すると以下いかしきになる。

つぎのようにして、ねつりゅうたばを、ねつ伝達でんたつりつって、右辺うへん温度おんどだけのしきにする。

2しきわせれば、未知数みちすうえる。

これより


そして、q/(T_1-T_2)が、りょうかべ合成ごうせいしたねつ通過つうかりつkなので、

である。

かくかべねつ通過つうかりつを、かべ1ばんねつ通過つうかりつ と、かべ2ばんねつ通過つうかりつ とすると、合成ごうせいしたねつ通過つうかりつ以下いかかたちける。

これより、

である。


ねつ伝導でんどうおこな平板へいばんが、ねつ伝達でんたつおこな流体りゅうたいはさまれてる場合ばあい

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この場合ばあいの、ねつ輸送ゆそうりつもとかたも、同様どうように、ねつりゅうたばしきてて連立れんりつ方程式ほうていしき計算けいさんすればいい。

結果けっかうと、合成ごうせいえつ通過つうかりつをkとして、かべ高温こうおんがわ流体りゅうたいねつ伝達でんたつりつかべあつさをdとして、かべねつ伝導でんどうりつλらむだかべ低温ていおんがわねつ伝達でんたつりつ とすると、(温度おんど変数へんすうは、計算けいさん過程かていえる。)

になる。

右辺うへんのd/λらむだが、いちこうだけこうちがわってえるかもしれないが、このこうについては、かべねつ輸送ゆそうりつ とすれば、

だから、

ともける。

一般いっぱんには、

しきが、流体りゅうたいはさまれた平板へいばんかべ合成ごうせいねつ輸送ゆそうりつ公式こうしきとして使つかわれる。