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ジョン・ペンドリー

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Sir John Brian Pendry
ジョン・ペンドリー
ペンドリー(2014年ねん)
生誕せいたん (1943-07-04) 1943年ねん7月がつ4日にち（80歳さい）[1]
イングランドの旗 イングランド・マンチェスター　
国籍こくせき イギリスの旗 イギリス
研究けんきゅう分野ぶんや 物理ぶつり学者がくしゃ
研究けんきゅう機関きかん インペリアル・カレッジ・ロンドン
ケンブリッジ大学けんぶりっじだいがく
ベル研究所けんきゅうじょ
Daresbury研究所けんきゅうじょ[1]
出身しゅっしん校こう ケンブリッジ大学けんぶりっじだいがくダウニング・カレッジ[1]
論文ろんぶん The application of pseudopotentials to low energy electron diffraction (1970)
博士はかせ課程かてい
指導しどう教員きょういん		 Volker Heine
主おもな業績ぎょうせき 透明とうめいマント
メタマテリアル・クローキング（英語えいご版ばん）
メタマテリアル
スーパーレンズの理論りろん
主おもな受賞じゅしょう歴れき ロイヤル・メダル (2006)
ポール・ディラック賞しょう (1996)
アイザック・ニュートン・メダル (2003)
カヴリ賞しょうナノサイエンス部門ぶもん (2014)
プロジェクト:人物じんぶつ伝でん
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ジョン・ブライアン・ペンドリー (Sir John Brian Pendry、1943年ねん7月がつ4日にち[2][3] - ) はイギリスの理論りろん物理ぶつり学者がくしゃ。屈折くっせつ率りつの研究けんきゅうと初はじめて実用じつよう的てきな「透明とうめいマント」を考案こうあんしたことで有名ゆうめい。

インペリアル・カレッジ・ロンドンで理論りろん固体こたい物理ぶつり学がくの教授きょうじゅを務つとめており、そこで物理ぶつり学科がっか長ちょう(1998年ねん – 2001年ねん)と理学部りがくぶ長ちょう(2001年ねん – 2002年ねん)も務つとめた。ケンブリッジ大学けんぶりっじだいがくのダウニング・カレッジ（学部がくぶ時代じだいの出身しゅっしん）の名誉めいよフェローであり、IEEEフェローである[4]。

経歴けいれき

マンチェスター出身しゅっしん。父ちちは石油せきゆ販売はんばい代理人だいりにんであった。ケンブリッジ大学けんぶりっじだいがくで自然しぜん科学かがくのPhDを取得しゅとくし[5]、1969年ねんから1975年ねんにかけてケンブリッジ大学けんぶりっじだいがくのダウニングカレッジで研究けんきゅう員いんに指名しめいされた。1972年ねんから翌年よくねんまではベル研究所けんきゅうじょで過すごし、1975年ねんから1981年ねんにかけてSERC Daresbury研究所けんきゅうじょの理論りろんグループの長ちょうを務つとめ、その後ごは引退いんたいまでインペリアル・カレッジ・ロンドンで理論りろん物理ぶつり学長がくちょうを務つとめた。教育きょういくよりも管理かんり職しょくを優先ゆうせんし、1993年ねんから1996年ねんまでRoyal College of Scienceの学長がくちょう、1998年ねんから2001年ねんまで物理ぶつり学科がっか長ちょう、2001年ねんから2002年ねんまで理学部りがくぶ長ちょうを務つとめた。300以上いじょうの研究けんきゅう論文ろんぶんを執筆しっぴつし、多おおくの実験じっけん的てきイニシアティブを奨励しょうれいしている[2][6]。

1984年ねんに王立おうりつ協会きょうかいフェロー(FRS)に選出せんしゅつされ、2004年ねんの国王こくおう誕生たんじょう記念きねん叙勲じょくんでナイトを授さずかった[7][8]。2008年ねん、65歳さいの誕生たんじょう日びを記念きねんしてJournal of Physics: Condensed Matterが彼かれに献呈けんていされた。

ケンブリッジで会あい国税こくぜい官かんとなったPatと結婚けっこんした。子供こどもはいない。趣味しゅみはピアノ演奏えんそうなど。

研究けんきゅう

幅広はばひろい種類しゅるいの論説ろんせつや書籍しょせきを著あらわし、共著きょうちょしている[9][10][11][12][13][14][15][16]。

Pendryの研究けんきゅうキャリアはPhDで行おこなった低速ていそく電子でんし線せん回折かいせつ(LEED)で始はじまった。これは20世紀せいきに発見はっけんされた材料ざいりょうの表面ひょうめんを調しらべる技術ぎじゅつであるが、結果けっかを計算けいさんするPendryの方法ほうほうが実用じつよう的てきになるのが待またれていた。指導しどう教官きょうかんであるVolker HeineはPendryの様子ようすを見みて「私わたしが自分じぶんでは決けっしてできなかったことを独立どくりつして行いった数少かずすくない研究生けんきゅうせいの1人ひとりである」と感かんじた。ベル研究所けんきゅうじょでは、Patrick Leeとともに光ひかり電子でんし分光ぶんこう法ほうを用もちいてEXAFSの数量すうりょう化か理論りろんを開発かいはつした。これにより1996年ねんにディラック賞しょうを受賞じゅしょうしている。

光ひかり電子でんし放出ほうしゅつの問題もんだいはLEEDの彼かれの研究けんきゅうと似にており、このことが重要じゅうようであることにDaresburyのシンクロトロンがちょうど稼働かどうを開始かいしした時ときに気きづいた。理論りろんグループ長ちょうとして角度かくど分解ぶんかい光こう電子でんし放出ほうしゅつの理論りろんを発表はっぴょうした。これは現在げんざいでも当該とうがい分野ぶんやの標準ひょうじゅん的てきなモデルとなっている。これらの方法ほうほうにより固体こたいおよび表面ひょうめんにおける電子でんしのバンド構造こうぞうを前例ぜんれいのないほどの精度せいどで決定けっていすることが可能かのうとなり、1980年ねんには逆光ぎゃっこう電子でんしの技術ぎじゅつを提案ていあんし、これは非ひ占有せんゆう電子でんし状態じょうたいを調しらべるのに広ひろく用もちいられている。

イギリスを代表だいひょうする理論りろん表面ひょうめん物理ぶつり学者がくしゃとしての地位ちいを維持いじしつつも、インペリアル・カレッジ・ロンドンでは無秩序むちつじょ媒質ばいしつ中ちゅうでの電子でんしの振ふる舞まいの研究けんきゅうを始はじめ、1次元じげんにおける一般いっぱん的てきな散乱さんらん問題もんだいの完全かんぜん解かいを導みちびき出だし、生体せいたい分子ぶんしの導しるべ電でん率りつに関連かんれんするより高こう次元じげんの研究けんきゅうのための高度こうどな技術ぎじゅつを得えた。1994年ねんにフォトニック・バンド構造こうぞうに関かんする最初さいしょの論文ろんぶんを発表はっぴょうし、金属きんぞく系けいと光ひかりの相互そうご作用さようを発見はっけんした。これはメタマテリアルのアイディアにつながった。

完全かんぜんレンズ

ロシアの科学かがく者しゃヴィクトル・ヴェセラゴにより行おこなわれた研究けんきゅうを拡張かくちょうし、焦点しょうてんが理論りろん的てきには完全かんぜんなレンズを作成さくせいする単純たんじゅんな方法ほうほうを提案ていあんした2000年ねんのPhysical Review Lettersの論文ろんぶんは最もっとも引用いんようされた論文ろんぶんとなっている当初とうしょはこのような短みじかい論文ろんぶんがそんなに革新かくしん的てきなアイデアを提示ていじできることを信しんじることのできず批判ひはんする者ものが多おおかったが、ペンドリーのアイデアは実験じっけん的てきに確認かくにんされ、スーパーレンズの概念がいねんはナノスケール光学こうがくに革命かくめいをもたらした。

透明とうめいマント

2006年ねん、物体ぶったいの周まわりに物体ぶったいを効果こうか的てきに見みえなくするための容器ようきを形成けいせいすることで光ひかりを曲まげるというアイデアを思おもいつき、その考かんがえをマイクロ波なみ帯たいで実証じっしょうしたデューク大学だいがくのDavid R. Smithとともに論文ろんぶんを著あらわした。このアイデアは一般いっぱん的てきには透明とうめいマントとして知しられ、メタマテリアルの分野ぶんやの多おおくの研究けんきゅうを近年きんねん刺激しげきしている[17]。2009年ねんにペンドリーとStefan Maierは可視かし光こうの範囲はんいで完全かんぜんレンズと透明とうめいマントを開発かいはつするための大だい規模きぼな助成じょせい金きんをLeverhulme Trustから受うけた[18]。

受賞じゅしょう歴れき

脚注きゃくちゅう

  1. ^ a b c “‘PENDRY, Sir John (Brian)’, Who's Who 2013, A & C Black, an imprint of Bloomsbury Publishing plc, 2013; online edn, Oxford University Press”. 2018年ねん6月がつ閲覧えつらん。
  2. ^ a b Inglesfield, J.; Echenique, P. (2008). “Sir John Pendry FRS”. Journal of Physics: Condensed Matter 20 (30): 300301–300953. Bibcode: 2008JPCM...20D0301I. doi:10.1088/0953-8984/20/30/300301. 
  3. ^ J.B. Pendry – Curriculum Vitae, http://www.cmth.ph.ic.ac.uk/photonics/Newphotonics/bio.pdf 2009年ねん9月がつ30日にち閲覧えつらん。 
  4. ^ 著作ちょさく一覧いちらん - Microsoft Academic Search.
  5. ^ Pendry, John (1969). The application of pseudopotentials to low energy electron diffraction (PhD thesis). University of Cambridge.
  6. ^ Ahuja, Anjana (2012年ねん). “Leading Light”. 2012年ねん7月がつ12日にち閲覧えつらん。
  7. ^ “Knighthood for Imperial theoretical physicist in Birthday Honours list”. imperial.ac.uk. imperial.ac.uk. 2012年ねん7月がつ12日にち閲覧えつらん。
  8. ^ “Prof Sir John Pendry, FRS”. Debretts. 2012年ねん7月がつ12日にち閲覧えつらん。
  9. ^ Pendry, J. B. (2000). “Negative Refraction Makes a Perfect Lens”. Physical Review Letters 85 (18): 3966–3969. Bibcode: 2000PhRvL..85.3966P. doi:10.1103/PhysRevLett.85.3966. PMID 11041972. 
  10. ^ Pendry, J. B.; Schurig, D.; Smith, D. R. (2006). “Controlling Electromagnetic Fields”. Science 312 (5781): 1780–1782. Bibcode: 2006Sci...312.1780P. doi:10.1126/science.1125907. PMID 16728597. 
  11. ^ Schurig, D.; Mock, J. J.; Justice, B. J.; Cummer, S. A.; Pendry, J. B.; Starr, A. F.; Smith, D. R. (2006). “Metamaterial Electromagnetic Cloak at Microwave Frequencies”. Science 314 (5801): 977–980. Bibcode: 2006Sci...314..977S. doi:10.1126/science.1133628. PMID 17053110. 
  12. ^ Pendry, J.; Holden, A.; Stewart, W.; Youngs i, I. (1996). “Extremely Low Frequency Plasmons in Metallic Mesostructures”. Physical Review Letters 76 (25): 4773–4776. Bibcode: 1996PhRvL..76.4773P. doi:10.1103/PhysRevLett.76.4773. PMID 10061377. 
  13. ^ Pendry, J. B.; Holden, A. J.; Robbins, D. J.; Stewart, W. J. (1999). “Magnetism from conductors and enhanced nonlinear phenomena”. IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques 47 (11): 2075. Bibcode: 1999ITMTT..47.2075P. doi:10.1109/22.798002. 
  14. ^ Martín-Moreno, L.; García-Vidal, F.; Lezec, H.; Pellerin, K.; Thio, T.; Pendry, J.; Ebbesen, T. (2001). “Theory of Extraordinary Optical Transmission through Subwavelength Hole Arrays”. Physical Review Letters 86 (6): 1114–1117. arXiv:cond-mat/0008204. Bibcode: 2001PhRvL..86.1114M. doi:10.1103/PhysRevLett.86.1114. PMID 11178023. 
  15. ^ Pendry, J. (1974) Low Energy Electron Diffraction: The Theory and Its Application to Determination of Surface Structure (Techniques of physics). Academic Press Inc., U.S., ISBN 978-0-12-550550-5
  16. ^ Pendry, J. (1987) Surface Crystallographic Information Service: A Handbook of Surface Structures. Springer, ISBN 978-90-277-2503-5
  17. ^ (video) "Invisibility Cloak" by professor Sir John Pendry, Niels Bohr Institute, http://www.nbi.ku.dk/english/sciencexplorer/lectures/invisibility_cloak/video/ 2018年ねん6月がつ閲覧えつらん。 
  18. ^ £4.9 million to develop metamaterials for 'invisibility cloaks' and 'perfect lenses', Imperial College London, (12 November 2009), http://www3.imperial.ac.uk/newsandeventspggrp/imperialcollege/newssummary/news_12-11-2009-13-23-57 2018年ねん6月がつ閲覧えつらん。 
  19. ^ Bhattacharjee, Yudhijit (2014年ねん5月がつ29日にち). “Nine Scientists Share Three Kavli Prizes”. 2018年ねん6月がつ閲覧えつらん。

外部がいぶリンク

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