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退去たいきょ強制きょうせい

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

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退去たいきょ強制きょうせい(たいきょきょうせい)とは、出入国しゅつにゅうこく管理かんりおよ難民なんみん認定にんていほう入管にゅうかんほう)にさだめられた行政ぎょうせい処分しょぶんひとつで、日本にっぽん滞在たいざいしている外国がいこくじん強制きょうせいてき日本にっぽんから退去たいきょさせることをいう。退去たいきょ強制きょうせい処分しょぶんいたるまでの調査ちょうさ審理しんり手続てつづきふくめてうときは「退去たいきょ強制きょうせい手続てつづき」という。関係かんけい官庁かんちょうないでは「退去たいきょ強制きょうせい令書れいしょ」をちぢめて「退すされい(たいれい)」とりゃくされ、報道ほうどうとうでは「強制きょうせい送還そうかん(きょうせいそうかん)」、「国外こくがい退去たいきょ処分しょぶん(こくがいたいきょしょぶん)」などの表現ひょうげんもある。

なお、どうほうには日本にっぽん国外こくがい領域りょういきから日本にっぽん入国にゅうこく正確せいかくには上陸じょうりく)しようとして拒否きょひされる処分しょぶん退去たいきょ命令めいれい略称りゃくしょう退すさいのち)があるが、退去たいきょ強制きょうせいとは趣旨しゅし条項じょうこう罰則ばっそくとうまったことなるべつ概念がいねんものとされている。報道ほうどうとうではこちらも「強制きょうせい送還そうかん[1]、「国外こくがい退去たいきょ」と表現ひょうげんすることがあり、両者りょうしゃ混同こんどうして認識にんしきするれいすくなくない。

退去たいきょ強制きょうせい事由じゆう

出入国しゅつにゅうこく管理かんりおよ難民なんみん認定にんていほうだい24じょう各号かくごう所定しょてい退去たいきょ強制きょうせい事由じゆう要約ようやくして列記れっき。この場合ばあい本邦ほんぽう」とは日本にっぽんこくす。正確せいかく退去たいきょ強制きょうせい事由じゆう条文じょうぶん[2]参照さんしょう

  1. 有効ゆうこう旅券りょけん所持しょじせず本邦ほんぽうはいったものまた入国にゅうこく審査しんさかんから上陸じょうりく許可きょかけないで本邦ほんぽう上陸じょうりくする目的もくてきゆうして本邦ほんぽうはいったもの(1ごう
  2. 入国にゅうこく審査しんさかんから上陸じょうりく許可きょかけないで本邦ほんぽう上陸じょうりくしたもの(2ごう
  3. 在留ざいりゅう資格しかくされたもの(2ごうの2)
  4. 在留ざいりゅう資格しかくされたもので、出国しゅっこく必要ひつよう期間きかん経過けいかして本邦ほんぽう残留ざんりゅうするもの(2ごうの3)
  5. 外国がいこくじん不正ふせい上陸じょうりく許可きょか在留ざいりゅう資格しかく変更へんこう許可きょか在留ざいりゅう期間きかん更新こうしん許可きょかとうけさせる目的もくてきで、文書ぶんしょとう偽造ぎぞうし、偽造ぎぞう文書ぶんしょとう行使こうし貸与たいよとうをしたもの(3ごう
  6. 本邦ほんぽう在留ざいりゅうする外国がいこくじんかり上陸じょうりく許可きょか寄港きこう上陸じょうりく許可きょか通過つうか上陸じょうりく許可きょか乗員じょういん上陸じょうりく許可きょかまた遭難そうなんによる上陸じょうりく許可きょかけたもののぞく。)でつぎかかげるもの(4ごう
    1. 資格しかくがい活動かつどう禁止きんし違反いはんして事業じぎょう運営うんえいする活動かつどうまた報酬ほうしゅうける活動かつどうもっぱっているとあきらかにみとめられるしゃ(イ。人身じんしん取引とりひきとう被害ひがいしゃのぞく。)
    2. 在留ざいりゅう期間きかん更新こうしんまた変更へんこうけないで在留ざいりゅう期間きかん経過けいかして本邦ほんぽう在留ざいりゅうするもの(ロ。いわゆるオーバーステイ入院にゅういんとう正当せいとう理由りゆうがある場合ばあいのぞく)
    3. 人身じんしん取引とりひきひとしおこなったものとう(ハ)
    4. 旅券りょけんほう違反いはん犯罪はんざいけいしょせられたもの(ニ。一部いちぶ除外じょがいあり。)
    5. 入管にゅうかんほう違反いはん犯罪はんざいけいしょせられたもの(ホ。一部いちぶ除外じょがいあり。)
    6. 外国がいこくじん登録とうろくほう違反いはん犯罪はんざい禁錮きんこ以上いじょうけい実刑じっけいかぎる。)にしょせられたもの(ヘ)
    7. 少年しょうねん長期ちょうき3ねんえる懲役ちょうえきまた禁錮きんこしょせられたもの(ト)
    8. 薬物やくぶつ犯罪はんざい有罪ゆうざい判決はんけつけたもの(チ)
    9. そのほか無期むきまたは1ねんえる懲役ちょうえきしくは禁錮きんこしょせられたもの(リ。実刑じっけいかぎる。)
    10. 売春ばいしゅん直接ちょくせつ関係かんけいある業務ぎょうむ従事じゅうじするもの(ヌ。人身じんしん取引とりひきとう被害ひがいしゃのぞく。)
    11. 外国がいこくじん不法ふほう上陸じょうりく不法ふほう入国にゅうこくをあおり、そそのかし、たすけたもの(ル)
    12. 日本国にっぽんこく憲法けんぽうまたはそのした成立せいりつした政府せいふ暴力ぼうりょく破壊はかいすることをくわだてて、しくは主張しゅちょうし、またはこれをくわだてしくは主張しゅちょうする政党せいとうとう結成けっせいしくはこれに加入かにゅうしているもの(オ)
    13. つぎかかげる政党せいとうとう結成けっせいしくはこれに加入かにゅうし、またはこれと密接みっせつ関係かんけいがあるもの(ワ)
      1. 公務員こうむいんであるという理由りゆうにより、公務員こうむいん暴行ぼうこうくわまた公務員こうむいん殺傷さっしょうすることを勧奨かんしょうする政党せいとうとう((1))
      2. 公共こうきょう施設しせつ不法ふほう損傷そんしょうし、また破壊はかいすることを勧奨かんしょうする政党せいとうとう((2))
      3. 工場こうじょう事業じぎょうじょうにおける安全あんぜん保持ほじ施設しせつ正常せいじょう維持いじまた運行うんこうとまはいし、またさまたげるような争議そうぎ行為こうい勧奨かんしょうする政党せいとうとう((3))
    14. 上記じょうき政党せいとうとう目的もくてきたっするため、文書ぶんしょ図画ずが作成さくせい頒布はんぷ展示てんじしたもの(カ)
    15. そのほか法務大臣ほうむだいじん日本にっぽんこく利益りえきまた公安こうあんがいする行為こういおこなったと認定にんていするもの(ヨ)
  7. 別表べっぴょうだい1の在留ざいりゅう資格しかく在留ざいりゅうするもので、一定いってい刑法けいほう犯罪はんざいとうにより懲役ちょうえきまた禁錮きんこしょせられたもの(4ごうの2)
  8. 短期たんき滞在たいざい在留ざいりゅう資格しかくをもって滞在たいざいするもので、本邦ほんぽうにおいておこなわれる国際こくさい競技きょうぎかいとう経過けいか結果けっか関連かんれんして、またはその円滑えんかつ実施じっしさまたげる目的もくてきをもって、その会場かいじょうとうにおいて不法ふほうひと殺傷さっしょうし、ひと暴行ぼうこうくわえ、ひと脅迫きょうはくし、また建造けんぞうぶつそのもの損壊そんかいしたもの(4ごうの3。いわゆるフーリガン対策たいさく
  9. かり上陸じょうりく許可きょか条件じょうけん違反いはんしゃとう(5ごう
  10. 上陸じょうりく拒否きょひ事由じゆう該当がいとう退去たいきょ命令めいれいけたもので、遅滞ちたいなく退去たいきょしないもの(5ごうの2)
  11. 寄港きこう上陸じょうりく許可きょかとうけたもので、許可きょか期間きかん経過けいかして本邦ほんぽう残留ざんりゅうするもの(6ごう
  12. 数次すうじ乗員じょういん上陸じょうりく許可きょかされたもので、出国しゅっこく必要ひつよう期間きかん経過けいかして本邦ほんぽう残留ざんりゅうするもの(6ごうの2)
  13. 日本にっぽん国籍こくせき離脱りだつしたものまた本邦ほんぽう出生しゅっしょうした外国がいこくじんとう在留ざいりゅう資格しかく取得しゅとくせずに、国籍こくせき離脱りだつ出生しゅっしょうから60にち経過けいかして本邦ほんぽう残留ざんりゅうするもの(7ごう
  14. 出国しゅっこく命令めいれいけたもの出国しゅっこく期限きげん経過けいかして本邦ほんぽう残留ざんりゅうするもの(8ごう
  15. 出国しゅっこく命令めいれいさいされた条件じょうけん違反いはんしたため出国しゅっこく命令めいれいされたもの(9ごう
  16. 難民なんみん認定にんていされたもの(10ごう一部いちぶ除外じょがいあり。)

出国しゅっこく命令めいれい退去たいきょ強制きょうせいとの関係かんけい

出国しゅっこく命令めいれい対象たいしょうしゃ対象たいしょう範囲はんいについては出国しゅっこく命令めいれい参照さんしょうのこと)は、だい1てきには出国しゅっこく命令めいれい手続てつづき出国しゅっこくすることとなる。もっとも、出国しゅっこく期限きげんない出国しゅっこくしなかった場合ばあい出国しゅっこく命令めいれいさいされた条件じょうけん違反いはんしたため出国しゅっこく命令めいれいされた場合ばあいには、退去たいきょ強制きょうせい手続てつづきによることになる。

一方いっぽう退去たいきょ強制きょうせい手続てつづき途中とちゅう出国しゅっこく命令めいれい対象たいしょうしゃであることが判明はんめいした場合ばあいには、出国しゅっこく命令めいれい手続てつづき移行いこうする(47じょう2こう、48じょう7こう、49じょう5こう、55じょうの3)。

退去たいきょ強制きょうせい手続てつづき

退去たいきょ強制きょうせい手続てつづきは、違反いはん調査ちょうさ収容しゅうよう審査しんさ口頭こうとう審理しんり異議いぎ申出もうしで退去たいきょ強制きょうせい令書れいしょはつづけ退去たいきょ強制きょうせい令書れいしょ執行しっこうながれでおこなわれる。以下いか概説がいせつする。

違反いはん調査ちょうさ

違反いはん調査ちょうさとは、退去たいきょ強制きょうせい事由じゆう存否そんぴについて入国にゅうこく警備けいびかんによりおこなわれる調査ちょうさである。入国にゅうこく警備けいびかんは、容疑ようぎしゃ証人しょうにん調しらべ、地方裁判所ちほうさいばんしょまた簡易かんい裁判所さいばんしょ裁判官さいばんかん令状れいじょうにより臨検りんけん捜索そうさくおよ押収おうしゅうをすることができる。

収容しゅうよう

入国にゅうこく警備けいびかんが、容疑ようぎしゃ退去たいきょ強制きょうせい事由じゆう該当がいとうするとうたがうにりる相当そうとう理由りゆうがあり、またその外国がいこくじん出国しゅっこく命令めいれい対象たいしょうしゃ該当がいとうしない場合ばあいには、主任しゅにん審査しんさかん収容しゅうよう令書れいしょはつづけ請求せいきゅうする。主任しゅにん審査しんさかんがこれをみとめて収容しゅうよう令書れいしょはつした場合ばあい入国にゅうこく警備けいびかんは、容疑ようぎしゃ収容しゅうよう令書れいしょしめして容疑ようぎしゃ収容しゅうようじょうとう収容しゅうようすることができる。収容しゅうよう期間きかんは30にち以内いないであるが、やむをない事由じゆうがあるときには30にちかぎ延長えんちょうすることができる。

実務じつむじょうは、退去たいきょ強制きょうせい事由じゆう該当がいとうする場合ばあいであっても、帰国きこく意思いしをもってみずか地方ちほう入国にゅうこく管理かんりきょくとう出頭しゅっとうし、自力じりき帰国きこくできる見込みこみがあるものたいしては、入管にゅうかんほう違反いはん以外いがい犯罪はんざい嫌疑けんぎがなければ、身柄みがら拘束こうそくおこなわず在宅ざいたくでの取調とりしらべとなることもおおい。

審査しんさ

入国にゅうこく警備けいびかんは、容疑ようぎしゃ収容しゅうよう48時間じかん以内いないに、調書ちょうしょおよ証拠しょうこぶつとともに,当該とうがい容疑ようぎしゃ入国にゅうこく審査しんさかんわたす。引渡ひきわたしをけた入国にゅうこく審査しんさかんは、った調書ちょうしょおよ証拠しょうこぶつ精査せいさし、容疑ようぎしゃから事情じじょう聴取ちょうしゅするなどして、容疑ようぎしゃ退去たいきょ強制きょうせい事由じゆう該当がいとうするかについて審査しんさおこなう。審査しんさ結果けっか退去たいきょ強制きょうせい事由じゆうがないと認定にんていされた場合ばあいには、ただちに容疑ようぎしゃ放免ほうめんされる。出国しゅっこく命令めいれい対象たいしょうしゃであると認定にんていされた場合ばあいには出国しゅっこく命令めいれい手続てつづき移行いこうし、容疑ようぎしゃ出国しゅっこく命令めいれいけたらただちに放免ほうめんされる。容疑ようぎしゃ退去たいきょ強制きょうせい対象たいしょうしゃ該当がいとうすると認定にんていされた場合ばあいには、そのむね口頭こうとう審理しんりける権利けんり告知こくちされる。容疑ようぎしゃ認定にんていふくした場合ばあいには、主任しゅにん審査しんさかんにより退去たいきょ強制きょうせい令書れいしょはつされる。

口頭こうとう審理しんり

容疑ようぎしゃ認定にんてい異議いぎがあるときは、認定にんてい通知つうちから3にち以内いない日数にっすう通知つうち翌日よくじつから起算きさん)に特別とくべつ審理しんりかんたいし、口頭こうとう審理しんり請求せいきゅうをすることができる。特別とくべつ審理しんりかんは、関係かんけい書類しょるい精査せいさし、容疑ようぎしゃから事情じじょう聴取ちょうしゅするなどして、入国にゅうこく審査しんさかん認定にんていあやまりがないかの口頭こうとう審理しんりおこなう。入国にゅうこく審査しんさかん認定にんていあやまりがあり、退去たいきょ強制きょうせい事由じゆうがないと判定はんていされた場合ばあいには、ただちに容疑ようぎしゃ放免ほうめんされる。出国しゅっこく命令めいれい対象たいしょうしゃであると判定はんていされた場合ばあいには出国しゅっこく命令めいれい手続てつづき移行いこうし、容疑ようぎしゃ出国しゅっこく命令めいれいけたらただちに放免ほうめんされる。容疑ようぎしゃ退去たいきょ強制きょうせい対象たいしょうしゃ該当がいとうするとの認定にんていあやまりがないと判定はんていされた場合ばあいには、そのむね異議いぎさる権利けんり告知こくちされる。容疑ようぎしゃ判定はんていふくした場合ばあいには、主任しゅにん審査しんさかんにより退去たいきょ強制きょうせい令書れいしょはつされる。

異議いぎ申出もうしで

容疑ようぎしゃ判定はんてい異議いぎがあるときは、判定はんてい通知つうちから3にち以内いない日数にっすう通知つうち翌日よくじつから起算きさん)に法務大臣ほうむだいじんたいし、異議いぎさるをすることができる。法務大臣ほうむだいじんまたはその権限けんげん委任いにんけた地方ちほう入国にゅうこく管理かんり局長きょくちょうは、関係かんけい書類しょるい精査せいさし、異議いぎ申出もうしで理由りゆうがあるかを書面しょめん審理しんりする。異議いぎ申出もうしで理由りゆうがあり、退去たいきょ強制きょうせい事由じゆうがないと裁決さいけつされた場合ばあいには、ただちに容疑ようぎしゃ放免ほうめんされる。出国しゅっこく命令めいれい対象たいしょうしゃであると裁決さいけつされた場合ばあいには出国しゅっこく命令めいれい手続てつづき移行いこうし、容疑ようぎしゃ出国しゅっこく命令めいれいけたらただちに放免ほうめんされる。異議いぎ申出もうしで理由りゆうがなく、在留ざいりゅう特別とくべつ許可きょかをしないと裁決さいけつされた場合ばあいには、主任しゅにん審査しんさかんにより退去たいきょ強制きょうせい令書れいしょはつされる。法務大臣ほうむだいじんとうは、異議いぎ申出もうしで理由りゆうがない場合ばあいであっても、永住えいじゅう許可きょかけているとき、かつて日本にっぽん国民こくみんとして本邦ほんぽう本籍ほんせきゆうしたことがあるとき、人身じんしん取引とりひきとう被害ひがいしゃであるときその法務大臣ほうむだいじんとう特別とくべつ在留ざいりゅう許可きょかすべき事情じじょうがあるとみとめるときには、そのもの在留ざいりゅう特別とくべつ許可きょかし、ただちにそのもの放免ほうめんする。

ただし、「日本人にっぽんじんとの婚姻こんいん関係かんけいがある」と偽装ぎそう結婚けっこんする、在留ざいりゅう特別とくべつ許可きょか悪用あくようが、在日ざいにち中国人ちゅうごくじん社会しゃかいくろてんしろ(ヘイ・ジャン・パイ)として流行りゅうこう。それを手助てだすけする日本人にっぽんじん業者ぎょうしゃすくなくない。

退去たいきょ強制きょうせい令書れいしょ執行しっこう

主任しゅにん審査しんさかんによりはつされた退去たいきょ強制きょうせい令書れいしょ入国にゅうこく警備けいびかんまた警察官けいさつかんしくは海上かいじょう保安ほあんかん)が執行しっこうする。退去たいきょ強制きょうせい令書れいしょはつづけけたものは、入国にゅうこくしゃ収容しゅうよう所長しょちょうまた主任しゅにん審査しんさかん許可きょかて、自費じひ本邦ほんぽう退去たいきょすることもできる。退去たいきょ強制きょうせいけるもの原則げんそくとして本国ほんごく送還そうかんされる。

実務じつむじょう取扱とりあつかいとして、退去たいきょ強制きょうせい費用ひようおも航空こうくう運賃うんちん)を自分じぶん支弁しべんできたり、差入さしいれをけることが可能かのうものは、身柄みがら拘束こうそく収容しゅうよう)されていても10日とおかから14にち程度ていど出国しゅっこくができるが、費用ひよう支弁しべんできない場合ばあいは、種々しゅじゅ手続てつづき決裁けっさい国家こっか予算よさん送還そうかんされるため、収容しゅうよう状態じょうたい長期ちょうきおよぶこともある。退去たいきょしゃが、退去たいきょこばんであばれるケースもあるため、1人ひとり退去たいきょのためにすうにん警備けいびいんける必要ひつようがあるなど、費用ひようかさむこともおおい。国家こっか予算よさん使用しようすることへは批判ひはん根強ねづよく、あくまで自費じひ退去たいきょさせるようにすべきだとの批判ひはんがある。国費こくひ送還そうかんは2014~16ねんやく200にんずつ、2017ねん308にん、2018ねん385にん実施じっししている[3]

定期ていき運航うんこう便びん一部いちぶ座席ざせきげて複数ふくすう送還そうかんしゃいち送還そうかんする、小口おぐち集団しゅうだん送還そうかん実施じっししている。2017年度ねんどは2かいで12にん、2018年度ねんどは6がつまでに3かい13にん実績じっせきがある[3]

退去たいきょ費用ひよう抑制よくせいのため、2013ねんより、退去たいきょさきくにおなすうじゅうにん不法ふほう滞在たいざいしゃを、チャーター集団しゅうだん退去たいきょさせる手法しゅほう導入どうにゅうされた[4]機長きちょうから搭乗とうじょう拒否きょひされることなく送還そうかんできる。

チャーター祖国そこく強制きょうせい送還そうかんした記録きろく。( )ない職員しょくいんとう人数にんずう[5]

  1. 2013ねん7がつ、フィリピンじん74にん[6](62)
  2. 2013ねん12月、タイじん46にん[6](60)
  3. 2014ねん12月、スリランカじん26にん・ベトナムじん6にん[6](70)
  4. 2015ねん11月25にち、バングラデシュじん22にん[6](63)
  5. 2016ねん9がつ22にち、スリランカじん30にん[7](69)
  6. 2017ねん2がつ20日はつか・21にち、タイじん32にん、ベトナムじん10にん、アフガニスタンじん1にん費用ひようやく2700まんえん[8][9](69)
  7. 2018ねん2がつ8にち、ベトナムじん47にん費用ひようやく2600まんえん[10]

2018ねん強制きょうせい退去たいきょ手続てつづきをとった外国がいこくじん前年ぜんねん19%ぞうの16,269にんで、くにべつではベトナム4,395にん中国ちゅうごく4,185にん、タイ2,101にんだった[11]

退すされいかり放免ほうめんしゃ

退去たいきょ強制きょうせい令書れいしょ発行はっこうされただちに送還そうかんされるべきもののうち、諸般しょはん事情じじょう難民なんみん申請しんせいちゅう国籍こくせきこく政府せいふ身柄みがらりを拒否きょひ、など)により送還そうかんできないことから、一定いってい条件じょうけんのもと一時いちじてき収用しゅうようかれているもの退去たいきょ強制きょうせい令書れいしょ効力こうりょくうしなわれないため、送還そうかんされるべき(帰国きこくするべき)立場たちばにある。かり放免ほうめん制度せいど出入国しゅつにゅうこく管理かんりおよ難民なんみん認定にんていほうによりさだめられている。退去たいきょかり放免ほうめんしゃすう年々ねんねん増加ぞうかし2015ねんに3,606にんとピークにたっし、その減少げんしょう傾向けいこうてんじたが、2018ねん6がつ時点じてんで2,796にんとなっている[3]送還そうかん忌避きひしゃとも表現ひょうげんされる[3]

裁判さいばんれい

難民なんみん認定にんていかんする裁判所さいばんしょ判例はんれい裁判所さいばんしょウェブサイト掲載けいさい判例はんれいのみ)は1980年代ねんだいは7けんのみであるが、1999ねん平成へいせい11ねん)から2022ねんれい4ねん)までの24年間ねんかんでは160けん作成さくせいされた[12][注釈ちゅうしゃく 1]

  • 退去たいきょ強制きょうせい令書れいしょはつづけ処分しょぶん無効むこう確認かくにんとう難民なんみん認定にんていをしない処分しょぶん取消とりけし請求せいきゅう控訴こうそ事件じけん平成へいせい17ねんがつ31にち東京とうきょう高等こうとう裁判所さいばんしょだい14民事みんじ判決はんけつ[13]

脚注きゃくちゅう

注釈ちゅうしゃく
  1. ^ 1999ねん設置せっち司法しほう制度せいど改革かいかく審議しんぎかいによって弁護士べんごし増加ぞうかした。
出典しゅってん
  1. ^ 一般いっぱん企業きぎょう作業さぎょう業務ぎょうむミスや事故じここして、会社かいしゃあるいは現場げんばからかえらされる表現ひょうげんもちいらることおおい。
  2. ^ 出入国しゅつにゅうこく管理かんりおよ難民なんみん認定にんていほう”. e-Gov法令ほうれい検索けんさく. 総務そうむしょう行政ぎょうせい管理かんりきょく. 2006ねん3がつ30にち閲覧えつらん
  3. ^ a b c d 退去たいきょ強制きょうせい業務ぎょうむについて 法務省ほうむしょう入国にゅうこく管理かんりきょく 2018ねん12月 (PDF)
  4. ^ 不法ふほう滞在たいざい、チャーターで75にん一斉いっせい送還そうかん. 読売新聞よみうりしんぶん. (2013ねん7がつ7にち). オリジナルの2013ねん7がつ7にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130707033402/http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130707-OYT1T00203.htm 2013ねん7がつ7にち閲覧えつらん 
  5. ^ 退去たいきょ強制きょうせい業務ぎょうむについて 法務省ほうむしょう入国にゅうこく管理かんりきょく(2017ねん11月) (PDF)
  6. ^ a b c d 日本にっぽん政府せいふ、バングラデシュじん22にん強制きょうせい送還そうかん 難民なんみん認定にんていしゃも”. ロイター. (2015ねん12月10にち). https://jp.reuters.com/article/bangladesh-idJPKBN0TT05020151210 2018ねん6がつ22にち閲覧えつらん 
  7. ^ スリランカへの一斉いっせい送還そうかん(2016ねん9がつ22にち)にたいする抗議こうぎ声明せいめい”. 難民なんみん支援しえん協会きょうかい (2016ねん10がつ6にち). 2018ねん6がつ22にち閲覧えつらん
  8. ^ 入管にゅうかん、タイじんら43にん強制きょうせい送還そうかん チャーターで、滞在たいざい25ねんも”. 共同通信きょうどうつうしん 47NEWS. (2017ねん2がつ21にち). オリジナルの2017ねん2がつ21にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://archive.is/bTuhg 2018ねん6がつ22にち閲覧えつらん 
  9. ^ 入管にゅうかん強制きょうせい送還そうかんしゃを”水増みずまし”――3ぶんの2が対象たいしょうがいの「帰国きこく希望きぼうしゃ」”. 週刊しゅうかん金曜日きんようび. (2017ねん3がつ23にち). http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/2017/03/23/%E5%85%A5%E7%AE%A1%E3%81%8C%E5%BC%B7%E5%88%B6%E9%80%81%E9%82%84%E8%80%85%E3%82%92%E6%B0%B4%E5%A2%97%E3%81%97%E2%80%95%E2%80%953%E5%88%86%E3%81%AE2%E3%81%8C%E5%AF%BE%E8%B1%A1%E5%A4%96/ 2018ねん6がつ22にち閲覧えつらん 
  10. ^ “チャーターでベトナムじん47にん強制きょうせい送還そうかん. 産経さんけいニュース. (2018ねん2がつ8にち). https://www.sankei.com/article/20180208-VJPEC4DTUVIXTJLMVH57KUXWSQ/ 2018ねん6がつ22にち閲覧えつらん 
  11. ^ “18ねん強制きょうせい退去たいきょ外国がいこくじん、19%ぞう 最多さいたはベトナム”. 日本経済新聞にほんけいざいしんぶん. (2019ねん3がつ27にち). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42975400X20C19A3PP8000/ 
  12. ^ 裁判さいばんれい検索けんさく - 裁判所さいばんしょ。「退去たいきょ強制きょうせい令書れいしょ」、「難民なんみん認定にんてい」で検索けんさく
  13. ^ 退去たいきょ強制きょうせい令書れいしょはつづけ処分しょぶん無効むこう確認かくにんとう難民なんみん認定にんていをしない処分しょぶん取消とりけし請求せいきゅう控訴こうそ事件じけん平成へいせい17ねんがつ31にち東京とうきょう高裁こうさい」- ビザ衛門えもん

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