–30–

日系にっけいアメリカ人じんの強制きょうせい収容しゅうよう所しょであるジェローム戦争せんそう移住いじゅうセンターで新聞しんぶんを発行はっこうしていたハリー・シラミズは、1944年ねん6月がつの収容しゅうよう所しょの閉鎖へいさ前まえに最終さいしゅう号ごうを発行はっこうした後のち、編集へんしゅう室しつの黒板こくばんに"30"と書かいた。

–30–は、北米ほくべいのジャーナリストが編集へんしゅう作業さぎょうや原稿げんこうを印刷いんさつ工程こうていに出だす際さいに伝統でんとう的てきに使用しようしてきた、「記事きじの末端まったん」を意味いみするフレーズである。電信でんしん、テレタイプなどで複数ふくすうの原稿げんこうをまとめて送おくる際さいに、記事きじの切きれ目めを示しめすために使用しようされる。また、プレスリリースの末尾まつびに用もちいられることもある。

このフレーズの由来ゆらいは不ふ詳しょうである。一説いっせつには、南北戦争なんぼくせんそう時代じだいに用もちいられていた電信でんしん略号りゃくごうである92符号ふごうにおいて"30"が「送信そうしん終了しゅうりょう」を意味いみしていたことに由来ゆらいし、これがAP通信つうしんのウォルター・P・フィリップスが開発かいはつした簡略かんりゃく符号ふごうであるフィリップス符号ふごうに導入どうにゅうされて広ひろまったという。

これはメタデータであり、印刷いんさつの際さいには取とり除のぞかれるものであるが、誤あやまって印刷いんさつされてしまうこともある。『ニューヨーク・タイムズ』の記事きじで、ある裁判さいばんの開廷かいてい日びが「2月がつ30日にち」というあり得えない日付ひづけになっていたことがあった。これは、記者きしゃが記事きじの末尾まつびに書かいた"–30–"を印刷いんさつ工こうが記事きじの一部いちぶと勘違かんちがいして"February 30"としてしまったためだった。

ケベック州しゅうには、ケベックプロジャーナリスト連盟れんめい(Fédération professionnelle des journalistes du Québec)が発行はっこうする-trente-というジャーナリズム雑誌ざっしがある（trenteはフランス語ふらんすごで30の意味いみ）。

大衆たいしゅう文化ぶんかにおいて

• -30- - ロサンゼルスの架空かくうの新聞しんぶん社しゃを舞台ぶたいとした1959年ねんの映画えいが。ジャック・ウェッブが制作せいさく・監督かんとく・出演しゅつえん。
• "–30–" - テレビドラマ『THE WIRE/ザ・ワイヤー』の最終さいしゅう回かいのタイトル。
• "30" - 『LAW & ORDER:犯罪はんざい心理しんり捜査そうさ班はん』のエピソード（邦題ほうだいは『デッドライン』）。
• 『スーパーマン』で、デイリープラネットの社員しゃいんがこの署名しょめいを使用しようしなかったことで、そのキャラクターの偽装ぎそうやマインドコントロールが判明はんめいするという筋書すじがきが何なん度どか使つかわれている。
• 1952年ねんの映画えいが『パーク・ロウ』の終おわりは新聞しんぶん『ニューヨーク・グローブ』の発刊はっかんに関かんするものであり、「THE END」の代かわりに「THIRTY」という言葉ことばで終了しゅうりょうしている。

関連かんれん項目こうもく

• 墓石はかいし記号きごう
• End Of File
• 伝送でんそう終了しゅうりょう文字もじ