イケトラコンビ

イケトラコンビとは、1980年代ねんだい後半こうはん（1989年ねんごろ）から1990年代ねんだい中期ちゅうきまで、プロ野球やきゅうヤクルトスワローズのクリーンナップ中核ちゅうかくを担になった池山いけやま隆たかし寛ひろしと広沢ひろさわ克己かつみのコンビの俗称ぞくしょう。イケは池山いけやまを、トラは広沢ひろさわを、それぞれ指さす。

概要がいよう

1989年ねんシーズン、監督かんとくだった関根せきね潤じゅん三さんは開幕かいまく前まえに広沢ひろさわと池山いけやまを呼よび寄よせて「お前まえらに一いちシーズンで100三振さんしんやる（それぞれシーズン100個この三振さんしんまでは我慢がまんする）」と言いったが、結果けっか、二人ふたり共どもに100三振さんしんは軽かるく超こえ、池山いけやまに至いたっては150近ちかい三振さんしんを喫きっしたことから、関根せきね曰いわく「100じゃ効きかなかった。どうしようもない二人ふたりだ」と言いわれてしまった。三振さんしんを繰くり返かえす2人ふたりを関根せきねは我慢がまんして起用きようし続つづけ、これが後こうの活躍かつやくに繋つながったと小川おがわ淳司あつしGMは後年こうねん振ふり返かえっている。なお、彼かれらとともに主軸しゅじくを担になったラリー・パリッシュも100三振さんしん以上いじょうしている。

1990年ねん、野村のむら克也かつやが監督かんとくに就任しゅうにんすると、広沢ひろさわは不動ふどうの4番ばん打者だしゃとして勝負しょうぶ強つよい活躍かつやくをし、池山いけやまは主おもに5・6番ばんを担になって常つねにフルスイングを心こころがけた。三振さんしんの数かずは球界きゅうかい屈指くっしだったが、そのキャラクターの面白おもしろさからプロ野球やきゅうニュースでの露出ろしゅつも多おおく、一躍いちやく人気にんきとなった。

おちゃらけたキャラクターで芸風げいふうも面白おもしろい広沢ひろさわと、ジャニーズ系けいとも言いわれた端整たんせいな顔立かおだちの池山いけやまのアンバランスが話題わだいとなったが、非常ひじょうに仲なかのいい二人ふたりとして知しられる。1994年ねんオフ広沢ひろさわがFAで読売よみうりジャイアンツに移籍いせきした後のちは「広沢ひろさわさんという最大さいだいのライバルがいなくなった」と、池山いけやまの成績せいせきが急降下きゅうこうかしているほか、2002年ねんに後輩こうはいの池山いけやまが一足早ひとあしはやく引退いんたいすることになった際さいには「広沢ひろさわさんには最後さいごまで言いえなかった」と話はなした。