インピーダンスミスマッチ

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インピーダンスミスマッチとは、インピーダンスの整合せいごうができていない状態じょうたいのことである。電気でんき電子でんし分野ぶんやにおいては、エネルギーの伝送でんそうという観点かんてんからは反射はんしゃ損失そんしつ発生はっせいさせ、効率こうりつ原因げんいんとなるため問題もんだいにされる。理論りろんてきには、電気でんきてきなものにかぎらず、音波おんぱなどといった媒質ばいしつちゅう伝搬でんぱんするなみについてまった同様どうよう現象げんしょうがある。

電気でんき電子でんし[編集へんしゅう]

電気でんきてき総合そうごうてき説明せつめいインピーダンス整合せいごう(この記事きじめいである「インピーダンスミスマッチ」のたいてきかたりである「インピーダンスマッチ」のことである)の記事きじにある。また高周波こうしゅうは(RF)の場合ばあいの、無線むせん給電きゅうでんせんとアンテナの運用うんようにおける実際じっさいてき内容ないようについては、マッチング (無線むせん工学こうがく)記事きじにある。

コンピュータシステム[編集へんしゅう]

コンピュータシステムでは、物理ぶつりてき対応たいおうがあるアナロジーではないが、APIなどのようなレイヤや領域りょういきことなるシステムあいだ界面かいめんインタフェース)において、想定そうていされた設計せっけいことなる使つかわれかた(ユースケース)であったり、「セマンティックギャップ」がある場合ばあいに、その界面かいめんはさんだ処理しょり効率こうりつ低下ていかや、プログラミングなどの実装じっそう工数こうすういちじるしい増加ぞうかなどといった効率こうりつ発生はっせいすることから、そういった整合せいごうを「インピーダンスミスマッチ」とぞくぶことがある。

データベースにおける事例じれい[編集へんしゅう]

山田やまださちひろし著書ちょしょ『ASP.NET MVC 5 実践じっせんプログラミング』によれば、とくに、アプリケーション開発かいはつにおいてしばしば発生はっせいするオブジェクト指向しこう言語げんごとリレーショナルデータベースとのギャップのことを[1]。システム開発かいはつじょう煩雑はんざつとなりがちで生産せいさんせいいちじるしく低下ていかする要因よういんとしてげられる。おもに、この問題もんだい解決かいけつするO/Rマッピングなどの手法しゅほう説明せつめいする文脈ぶんみゃくもちいられる。

オブジェクト指向しこうプログラミングリレーショナルデータベースことなるデータモデルをつ。リレーショナルデータベース関係かんけいモデル整合せいごうせい重視じゅうしした2次元じげんひょう構造こうぞうっており、データ同士どうし関係かんけい(リレーション)によって表現ひょうげんされる。一方いっぽうオブジェクト指向しこうプログラミングのデータはひとまとまりのオブジェクトとしてあつかわれ、関係かんけいモデルにおける関係かんけいおなじような構造こうぞうつとすれば、オブジェクト指向しこうとしての恩恵おんけいられるモデル設計せっけいができない。ぎゃくしかり、オブジェクトモデルをリレーショナルデータベースで実現じつげんしようとすると、整合せいごうせいそこなわれたり、関係かんけい表現ひょうげんできなくなる。このデータ構造こうぞう概念がいねんへだたりがインピーダンスミスマッチばれる。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ 山田やまだ さちひろし (2014). ASP.NET MVC 5 実践じっせんプログラミング. 秀和しゅうわシステム.

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]