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ウェルシュ・コーギー(英語: Welsh Corgi)は、犬の品種(犬種)。ウェルシュ・コルギーとも。
起源は曖昧な部分が多いが、数百年もの間、ウエールズの牧畜において関与してきた。「ヤード・ロング・ドッグ」という別称があり、体長がほぼ40インチ(ウェールズの1ヤードに相当)であることを意味する。
平均的なウェルシュ・コーギーは体高が約25 - 30cmで、体重は約7 - 15kgである(個体によってバラつきがある)。もともと牧羊犬で羊や牛を追うために開発されており、活発で頭がいいとされる。同伴動物として適していると同時に、シープドッグ・トライアル(羊追い競技)やアジリティ・トライアル(障害競技)にも適している。
この名で呼ばれる犬種には、ウェルシュ・コーギー・カーディガン(Cardigan)、ウェルシュ・コーギー・ペンブローク(Pembroke)の2つがある。両者は同じイギリス西部のウェールズの原産で、形態・用途も似ているが、それぞれ独自に開発された犬種である。
カーディガンは比較的大きく、丸くなった大きめの耳と狼のような流れた尾が特徴。ペンブロークは丸くなったとがった耳といくぶん低めの姿勢が特徴。
1925年から1934年まで、この2種類のコーギーは同一犬種とされ、互いの間で交配が盛んにおこなわれた[1]。1935年にアメリカのケネルクラブがカーディガンとペンブロークを別々の犬種に分類した[1]。
2000年ごろに人気犬種となったウェルシュ・コーギーは、ペンブロークの方である。イギリス女王エリザベス2世が飼っているものもウェルシュ・コーギー・ペンブロークである。
個体によっては10歳前後から、変性性脊髄症(英語版)(Degenerative Myelopathy、DM)を発症する場合がある。原因不明で適切な治療方法は判明しておらず、発症から約3年で死に至る[2]。
- ^ a b “犬種大百科 カーディガン・ウェルシュ・コーギー”. アニマルプラネット. 2015年8月10日閲覧。
- ^ “ウェルシュ・コーギーの変性性脊髄症”. 岐阜大学動物病院 神経科. 2019年12月3日閲覧。