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エニグマ (ミュージシャン)

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
エニグマ
ENIGMA
出身しゅっしん地ち ドイツの旗 ドイツ
ジャンル ニューエイジ、電子でんし音楽おんがく
活動かつどう期間きかん 1990年ねん -
レーベル ヴァージン・レコード
EMI
Charisma
公式こうしきサイト www.enigmaspace.com
メンバー Micheal Cretu
旧きゅうメンバー David Fairstein
Frank Peterson
Sandra Cretu
Louisa Stanley
Peter Cornelius
Jens Gad
Andreas Harde
Todd Alan Peleg
Ruth-Ann Boyle
Elizabeth Houghton
Margarita Roig
Nanuk
Sebastian Cretu
Nikita Cretu
Andru Donalds
著名ちょめい使用しよう楽器がっき
Korg M1
Alchemist
Merlin

Enigma（エニグマ）はドイツを活動かつどう拠点きょてんとするヨーロッパの音楽おんがくプロジェクトの名前なまえ。1990年ねんにマイケル(ミヒャエル)・クレトゥと元もとアラベスクのサンドラ・アン・ラウアー (現げん・サンドラ・クレトゥ〔Sandra Cretu〕、マイケル・クレトゥの元もと妻つま)を中心ちゅうしんに結成けっせいされた。

中心ちゅうしん人物じんぶつのクレトゥは1957年ねんにルーマニアのブカレストで生うまれている。ブカレスト、パリ、フランクフルト・アム・マインでクラシック音楽おんがくを学まなび、1970年代ねんだい後半こうはんにセッション・ミュージシャン（担当たんとうはキーボード）として活動かつどうを始はじめた。サンドラと出会であったのもアラベスクのツアーにクレトゥが参加さんかしたのがきっかけである。1979年ねんにはアルバム『Moon, Light & Flowers』でソロ・デビューを果はたしている。

概要がいよう[編集へんしゅう]

民族みんぞく音楽おんがくやグレゴリオ聖歌せいか（グレゴリアン・チャント）、カンタータなどの古典こてん音楽おんがくとダンスビートを緻密ちみつなサウンド・プロダクションで融合ゆうごうしたサウンドで、世界せかい的てきにヒットする。世界せかい的てきに大おおきな影響えいきょうを及およぼし、模倣もほうとも思おもわれる作品さくひんも続出ぞくしゅつした。一般いっぱん的てきには、後ごのディープ・フォレストやアディエマスのような、いわゆる「ヒーリング・ミュージック」の先駆せんく者しゃとして語かたられることが多おおい。膨大ぼうだいな音おと素材そざいを劣化れっかなく迅速じんそくに合成ごうせいする必要ひつようがあるため、活動かつどう当初とうしょからハードディスクレコーディングを導入どうにゅうしている。

略歴りゃくれき[編集へんしゅう]

1990年ねん暮くれ、ヴァージン・レコードからシングル「サッドネス・パート1」でデビュー。翌よく1991年ねん初頭しょとうには本国ほんごくドイツを始はじめヨーロッパ各国かっこくでヒットし、2月がつにはアメリカでも発売はつばいされ、4月がつにはトップ5入いりを果はたす。また、この年としに発売はつばいされた1stアルバム『サッドネス・永遠えいえんの謎なぞ（MCMXC a.D.）』もヒットした。同どう作品さくひんの世界せかい的てきなヒットにより、全面ぜんめんに使用しようされたグレゴリオ聖歌せいかが再ふたたび脚光きゃっこうを浴あびるという波及はきゅう効果こうかをもたらしている。

1993年ねん、パラマウント映画えいが『硝子がらすの塔とう(Sliver)』(主演しゅえん=シャロン・ストーン)のフィリップ・ノイス監督かんとくより同どう映画えいがへの音楽おんがくを依頼いらいされ、2曲きょくの新曲しんきょくと前作ぜんさくアルバムの1曲きょくを提供ていきょうした。その新曲しんきょくの1曲きょくである「カーリーの歌うた(Carly's song)」は、更さらに改訂かいていされて「エイジ・オブ・ロンリネス(カーリーの歌うた)(Age Of Lonliness (Carly's song))」と改題かいだいされ、翌よく1994年ねんにリリースされた2ndアルバム『エニグマ2 ザ・クロス・オブ・チェンジス (The Cross of Changes)』に収録しゅうろくされた。なお、同どうアルバムからは「リターン・トゥ・イノセンス(Return To Innocence)」がシングル・カットされ、1996年ねん夏季かきオリンピックのテーマソングとして使用しようされ、エニグマの代表だいひょう曲きょくのひとつとされている。

この『リターン・トゥ・イノセンス』については、サンプリング元もとの音源おんげんになった台湾たいわんアミ族ぞくの歌うたい手てであるDifang(郭かく英男ひでお)らに、1998年ねん、音源おんげんの無断むだん使用しようにつき訴訟そしょうを提訴ていそされたが、のち和解わかい金きんの支払しはらいと更さらなるリリースについてはDifangらをクレジットする（ロイヤリティ含ふくむ）ことで和解わかいしている。この件けんについてクレトゥは、録音ろくおんの時点じてんでは、パブリックドメインに属ぞくする音源おんげんと信しんじていたという趣旨しゅしの弁解べんかいをしている。またこの一いち件けんを機きに、それまでワールドミュージックのひとつとして認識にんしきされていた「台湾たいわん原住民げんじゅうみん」の音楽おんがくが広ひろく知しられることとなった。

1995年ねん、3rdアルバム『エニグマ3 (Le Roi Est Mort, Vive Le Roi!)』をリリースした後のち、サンドラの出産しゅっさんに伴ともない一時いちじ活動かつどうを休止きゅうしした。2000年ねん、カール・オルフの『カルミナ・ブラーナ』をサンプリングした『ザ・スクリーン・ビハインド・ザ・ミラー（The Screen Behind the Mirror）』で活動かつどうを再開さいかい。以後いご『ボヤジュール（Voyageur）』、『ア・ポウステリオーリ（A Posteriori）』、『七ななつの命いのち、無数むすうの顔かお（Seven Lives Many Faces）』と、2～3年ねんに1作さくペースでアルバムをリリースしている。

『ア・ポウステリオーリ』と『七ななつの命いのち、無数むすうの顔かお』はヨーロッパではDVD版ばんもリリースされ（後者こうしゃについてはw:en:Seven Lives Many Faces#DVD release参照さんしょう）、DVD版ばん『七ななつの命いのち、無数むすうの顔かお』では、DVD版ばん『ア・ポウステリオーリ』の一いち曲きょく「ジ・アルケミスト（The Alchemist）」で試験しけん的てきに用もちいられた5.1chサラウンドを導入どうにゅうしている。

「サッドネス・永遠えいえんの謎なぞ」の時点じてんでは、エニグマという音楽おんがくプロジェクトの正体しょうたいは告知こくちされていなかったが、「ザ・クロス・オブ・チェンジス」「エニグマ3」のCDライナー・ノーツにおいて、クレトゥ（サンプリング、ボーカル。「ザ・クロス・オブ・チェンジス」では「Carly M.C.」名義めいぎ）を中心ちゅうしんに、サンドラ（メイン・ボーカル、「ザ・クロス・オブ・チェンジス」では「Sandra」名義めいぎ）、ルイーザ・スタンレイ（メイン・ボーカル）、ピーター・コーネリウス（ギター）、イェンズ・ガート（ギター。サンドラのソロプロジェクトにも参加さんか）らの参加さんかが明あきらかにされた（「ザ・クロス・オブ・チェンジス」の日本にっぽん版ばんライナーでは他ほかにもフランク・ピーターソン、トーマス・シュワルツ、マイケル・ウェアー等とうが参加さんかしている(らしい)事ことが記載きさいされた）。「エニグマ3」からはアンドルー・ドナルズ（ボーカル）、ルース・アン(イギリスのアンビエントポップスバンド、"Olive"のボーカリスト)がゲスト扱あつかいながら毎回まいかい参加さんかしている。｢ア・ポウステリオーリ」以降いこうはマイケル・クレトゥのソロプロジェクト色しょくが一層いっそう強つよまり、ゲストの参加さんかもかなり少すくなくなっている。

一度いちどライブを計画けいかくしていたものの、準備じゅんびに二に年間ねんかん掛かかることが判わかり、それだけの期間きかんがあるのであればエニグマのレコーディングに費ついやした方ほうが得策とくさくだとして、結局けっきょく実現じつげんしなかった。

中心ちゅうしん人物じんぶつであるマイケル・クレトゥは音楽おんがくのダウンロードによる販売はんばいに対たいして前向まえむきであり、｢森林しんりんや石油せきゆ資源しげん等とうの保護ほごにも繋つながる｣とコメントしている。日本にっぽんにおけるダウンロード販売はんばいはiTunes Storeとmoraを通とおして行おこなわれており、特とくに『ザ・スクリーン・ビハインド・ザ・ミラー』はmoraでしか購入こうにゅうできない。

日本にっぽん国内こくないでは「Sadeness」はテレビ朝日てれびあさひで1991年ねん頃ごろに放送ほうそうされていたドラマ「不思議ふしぎな幻燈げんとう館かん」に、2ndアルバムの収録しゅうろく曲きょく「Age of Loneliness」は三菱みつびし・ギャランのCM (1994年ねん)、「Beyond The Invisible」はトヨタ・ランドクルーザー PRADO (J90系けい、1998年ねん)など、1990年代ねんだいのCMやドラマVTRのBGMに使用しようされていた。

海外かいがいではアメリカ・CBSテレビで放送ほうそうされていたドラマ「コールドケース」でも使用しようされた[1]。

2010年ねんに「MMX(The Social Song)」をリリースした以降いこうは大おおきな動うごきがなかったエニグマだったが、2016年ねん夏なつ頃ごろに約やく8年ねんぶりに最新さいしんのアルバムが発売はつばいすると発表はっぴょう、2016年ねん11月4日にちにヨーロッパで、 日本にっぽんでは11月11日にちに「フォール・オブ・ア・レベル・エンジェル(堕おちた反逆はんぎゃくの天使てんし) (The Fall Of a Rebel Angel)」がリリースされた。アルバムにはミヒャエル・クンツェやアングンらが参加さんかしている。日本にっぽんではEMIがユニバーサルの傘下さんかになったこともあり、今いま作さくではユニバーサルミュージックジャパンからのリリースとなった。

ディスコグラフィ[編集へんしゅう]

アルバム[編集へんしゅう]

年とし タイトル アルバム詳細しょうさい チャート最高さいこう位い 認定にんてい
GER
[2] 		AUS
[3] 		AUT
[4] 		FRA
[5] 		NLD
[6] 		NOR
[7] 		SWE
[8] 		SWI
[9] 		UK
[10] 		US
[11]
1990 MCMXC a.D.
  • 発売はつばい日び: 1990年ねん12月がつ10日とおか
  • レーベル: Virgin
  • フォーマット: CD, LP, cassette
  • 全米ぜんべい売上うりあげ: 400万まん枚まい[12][13]
 3 2 3 1 7 4 3 2 1 6
1993 The Cross of Changes
  • 発売はつばい日び: 1993年ねん12月6日にち
  • レーベル: Virgin
  • フォーマット: CD, LP, cassette
  • 全米ぜんべい売上うりあげ: 200万まん枚まい[21]
 5 2 5 9 7 5 3 4 1 9
  • GER: プラチナ[14]
  • AUS: プラチナ[15]
  • AUT: ゴールド[16]
  • FRA: ゴールド[17]
  • SWE: ゴールド[18]
  • SWI: プラチナ[19]
  • UK: 2× プラチナ[20]
  • US: 2× プラチナ[21]
1996 Le Roi Est Mort, Vive Le Roi!
  • 発売はつばい日び: 1996年ねん11月20日にち
  • レーベル: Virgin
  • フォーマット: CD, cassette
  • 全米ぜんべい売上うりあげ: 100万まん枚まい[21]
 3 10 4 8 6 1 8 4 12 25
  • GER: ゴールド[14]
  • AUS: ゴールド[15]
  • AUT: ゴールド[16]
  • FRA: ゴールド[17]
  • SWI: プラチナ[19]
  • UK: ゴールド[20]
  • US: プラチナ[21]
2000 The Screen Behind the Mirror
  • 発売はつばい日び: 2000年ねん1月がつ14日にち
  • レーベル: Virgin
  • フォーマット: CD, cassette
  • 全米ぜんべい売上うりあげ: 50万まん枚まい[21]
 2 44 6 16 4 2 7 4 7 33
  • GER: ゴールド[14]
  • SWE: ゴールド[22]
  • SWI: ゴールド[19]
  • UK: シルバー[20]
  • US: ゴールド[21]
2003 Voyageur
  • 発売はつばい日び: 2003年ねん9月がつ30日にち
  • レーベル: Virgin
  • フォーマット: CD, cassette
 6 — 19 32 13 — 31 29 46 94
2006 A Posteriori
  • 発売はつばい日び: 2006年ねん9月がつ22日にち
  • レーベル: Virgin
  • フォーマット: CD
 16 — 17 98 8 — — 24 — 95
2008 Seven Lives Many Faces
  • 発売はつばい日び: 2008年ねん9月がつ19日にち
  • レーベル: Virgin
  • フォーマット: CD
  • 全米ぜんべい売上うりあげ: 8.5万まん枚まい[23]
 15 — 30 93 22 — — 18 116 92
2016 The Fall of a Rebel Angel
  • 発売はつばい日び: 2016年ねん11月11日にち
  • レーベル: Island
  • フォーマット: CD, LP
 10 73 24 71 29 — — 19 40 122
"—"は未み発売はつばいまたはチャート圏外けんがいを意味いみする。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ Sadenessは「コールドケース」シーズン2第だい5話わ、「ブレスレット」 時代じだい設定せっていは1991年ねん、 Return To Innocenceはコールドケースシーズン3第だい15話わ、「教会きょうかい」時代じだい設定せっていは1998年ねん
  2. ^ “Charts.de: Enigma (albums)”. Media Control Charts. Charts.de. 2012年ねん12月28日にち閲覧えつらん。
  3. ^ Australian (ARIA Chart) peaks:
  4. ^ “Austriancharts.at: Enigma”. Hung Medien. 2013年ねん10月がつ2日にち閲覧えつらん。
  5. ^ French peak positions for albums:
  6. ^ “GfK Dutch Charts: Enigma”. Hung Medien. 2013年ねん10月がつ2日にち閲覧えつらん。
  7. ^ “Norwegiancharts.com: Enigma”. Hung Medien. 2013年ねん10月がつ2日にち閲覧えつらん。
  8. ^ “Swedishcharts.com: Enigma”. Hung Medien. 2013年ねん10月がつ2日にち閲覧えつらん。
  9. ^ “Artist Enigma: Swiss album-positions to Enigma”. Hung Medien. 2010年ねん8月がつ12日にち閲覧えつらん。
  10. ^
  11. ^ “Enigma: Billboard 200”. Billboard. 2010年ねん8月がつ12日にち閲覧えつらん。
  12. ^ “Catalog Albums”. Billboard (1997年ねん4月がつ19日にち). 2012年ねん8月がつ22日にち閲覧えつらん。
  13. ^ “Biography E3 Le Roi Est Mort, Vive Le Roi! (1996)”. enigmaspace. 2011年ねん3月がつ6日にち閲覧えつらん。
  14. ^ a b c d "Gold-/Platin-Datenbank (Enigma)" (German). Bundesverband Musikindustrie. 2010年ねん8月がつ12日にち閲覧えつらん。
  15. ^ a b c Ryan, Gavin (2011). Australia's Music Charts 1988–2010. Mt. Martha, VIC, Australia: Moonlight Publishing 
  16. ^ a b c “Gold & Platin”. International Federation of the Phonographic Industry (Austria). 2011年ねん5月がつ11日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2010年ねん8月がつ12日にち閲覧えつらん。
  17. ^ a b c “Les Certifications depuis 1973”. infodisc.fr. 2010年ねん6月がつ21日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2010年ねん8月がつ12日にち閲覧えつらん。
  18. ^ a b “Sweden's certification-database 1987-1998”. International Federation of the Phonographic Industry (Sweden). 2011年ねん6月がつ16日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2013年ねん10月がつ2日にち閲覧えつらん。
  19. ^ a b c d “Hitparade.ch: Edelmetall (Enigma)”. International Federation of the Phonographic Industry (Switzerland). 2013年ねん10月がつ2日にち閲覧えつらん。
  20. ^ a b c d “BPI: Certified Awards Search”. British Phonographic Industry. 2014年ねん6月がつ25日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2013年ねん10月がつ2日にち閲覧えつらん。
  21. ^ a b c d e f g “Search Results: Enigma”. RIAA. 2010年ねん8月がつ12日にち閲覧えつらん。
  22. ^ “ÅR 2000”. International Federation of the Phonographic Industry (Sweden). 2011年ねん6月がつ16日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2013年ねん10月がつ2日にち閲覧えつらん。
  23. ^ “Upcoming Releases”. 'Hits Daily Double'. HITS Digital Ventures. 2016年ねん9月がつ28日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2016年ねん9月がつ28日にち閲覧えつらん。

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

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