カイヤ・サーリアホ

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カイヤ・アンネリ・サーリアホ
Kaija Saariaho
2013ねんパリ
基本きほん情報じょうほう
生誕せいたん (1952-10-14) 1952ねん10月14にち
出身しゅっしん  フィンランド
ウーシマーしゅう ヘルシンキ
死没しぼつ (2023-06-02) 2023ねん6月2にち(70さいぼつ
学歴がくれき シベリウス音楽おんがくいん
ジャンル クラシック音楽おんがく
職業しょくぎょう 作曲さっきょく

カイヤ・アンネリ・サーリアホKaija Anneli Saariaho, 1952ねん10月14にち - 2023ねん6月2にち)は、フィンランド作曲さっきょくヘルシンキ出身しゅっしん

略歴りゃくれき[編集へんしゅう]

地元じもとシベリウス音楽おんがくいん卒業そつぎょうフライブルクにてブライアン・ファーニホウクラウス・フーバー師事しじし、パリIRCAMでも経験けいけんんだ。1989ねんイタリアしょう獲得かくとくクロノス・カルテットのための作品さくひんによってリンカーン・センターからアルス・エレクトロニカしょうを、またアンサンブル・アンテルコンタンポランのための作品さくひんによってIRCAMより授賞じゅしょうされている。2000ねんにはソプラノ電子でんし楽器がっきのための《Lonh 》によって北欧ほくおう協議きょうぎかい音楽おんがくしょう授与じゅよされた。2001ねんにはロルフ・ショックしょう音楽おんがく部門ぶもんにて受賞じゅしょうしている。あま言及げんきゅうがされないが、北欧ほくおう出身しゅっしんクラーニヒシュタイナー音楽おんがくしょう作曲さっきょく部門ぶもん受賞じゅしょうした女性じょせい彼女かのじょ最初さいしょである。音楽おんがく芸術げいじゅつ誌上しじょう間宮まみや芳生よしお絶賛ぜっさんし、日本にっぽん聴衆ちょうしゅうにもかなりしたしまれた存在そんざいである。2014年度ねんど武満たけみつとおる作曲さっきょくしょう審査しんさいんつとめた。

2023ねん6がつ2にち、パリの自宅じたくにて死去しきょ[1]。70さいぼつ[2]公式こうしきInstagramに公表こうひょうされているが、死因しいんがんであった[3]

作品さくひんは、チェスターしゃ[4]から出版しゅっぱんされている。

作風さくふう[編集へんしゅう]

  • 1980年代ねんだいと1990年代ねんだい作品さくひんは、9にん奏者そうしゃとライヴ・エレクトロニクスのための《ひかり Lichtbogen》(1985-86ねん)や弦楽げんがくよん重奏じゅうそうとライヴ・エレクトロニクスのための《睡蓮すいれん秘密ひみつ花園はなぞのIII) Nymphéa (Jardin secret III)》(1987ねん)などのように、音色ねいろ強調きょうちょうや、伝統でんとう楽器がっき電子でんし楽器がっき併用へいようによって特徴とくちょうづけられていた。
  • チェスター出版しゅっぱんしゃ移籍いせきしてからは次第しだい古典こてんへの回帰かいき顕著けんちょとなり、1990年代ねんだい後半こうはんになると、電子でんし楽器がっき手控てびかえ、しだいに旋律せんりつ強調きょうちょうするようになった。そして、旋律せんりつ伴奏ばんそうそしてノイズといったきわめてわかりやすい音楽おんがく様式ようしき提示ていじへむかう。オペラの委嘱いしょくはいったことで彼女かのじょ作風さくふうはさらに平明へいめいなものになった。ただし、古典こてんてきなものに完全かんぜん回帰かいきしたわけではなく、彼女かのじょ作品さくひん協和きょうわ音程おんてい連続れんぞく音響おんきょうたいとなっている。ミニマリズム作曲さっきょくではないが、反復はんぷく進行しんこうきわめておおい。
  • フルート使つかった作品さくひんおおく、現代げんだい音楽おんがくのフルーティストはサーリアホの作品さくひん定番ていばんのレパートリーとなっている。

主要しゅよう作品さくひん[編集へんしゅう]

  • Verblendungen (1984; orchestra, electronics)
  • Lichtbogen (1986; flute, percussion, piano, harp, strings, live electronics)
  • Io (1987; large ensemble, electronics)
  • Nymphéa (1987; string quartet, electronics)
  • Petals (1988; cello, electronics)
  • Du cristal... (1989; orchestra, live electronics)
  • ...à la Fumée (1990; solo alto flute and cello, orchestra)
  • Graal théâtre (1994; violin, orchestra)
  • L’amour de loin (2000; opera)
  • Orion (2002; orchestra)
  • Adriana Mater (2005; opera)
  • Asteroid 4179: Toutatis (2005; orchestra)
  • La Passion de Simone (2006; oratorio/opera)
  • Notes on Light (2007; cello concerto)
  • Terra Memoria (2007; string quartet)
  • Laterna Magica, 2008
  • Émilie (2010; opera)

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ カイヤ・サーリアホ死去しきょ時事じじドットコム”. 時事じじドットコム. 2023ねん6がつ3にち閲覧えつらん
  2. ^ 作曲さっきょくカイヤ・サーリアホさん死去しきょ”. www.asahi.com. www.asahi.com. 2023ねん6がつ3にち閲覧えつらん
  3. ^ kaijasaariaho”. www.instagram.com. www.instagram.com (2023ねん6がつ2にち). 2023ねん6がつ3にち閲覧えつらん
  4. ^ Kaija Saariaho, Vista (2019)”. www.musicsalesclassical.com. 2019ねん5がつ15にち閲覧えつらん

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]