カール・ロベルト・シュタインメッツ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

カール・ロベルト・シュタインメッツ(Karl Robert Steinmetz)は、田中たなか芳樹よしきのSF小説しょうせつ(スペース・オペラ)『銀河ぎんが英雄えいゆう伝説でんせつ』の登場とうじょう人物じんぶつ銀河ぎんが帝国ていこくがわ主要しゅよう人物じんぶつ

作中さくちゅうでの呼称こしょうは「シュタインメッツ」。

概要がいよう[編集へんしゅう]

ローエングラム陣営じんえい主要しゅよう提督ていとく一人ひとり一流いちりゅう用兵ようへい将帥しょうすい評価ひょうかされ、気骨きこつちた軍人ぐんじん主要しゅよう提督ていとくらのなかでは年長ねんちょうしゃぞくし、初代しょだいブリュンヒルトの艦長かんちょうとして本編ほんぺん開始かいし以前いぜんから直接ちょくせつラインハルトと関係かんけいがあった人物じんぶつで、かれからの信頼しんらいあつ一人ひとりであるが、提督ていとくくら登場とうじょう回数かいすうすくない。旗艦きかんは『フォンケル』。

本編ほんぺんでのはつ登場とうじょうは、レンネンカンプ、アイゼナッハとともおそく、だい8イゼルローン攻防こうぼうせんにおけるワープ実験じっけんだい3かん)で名前なまえのみ登場とうじょうし、本格ほんかくてき登場とうじょうだいいちラグナロック作戦さくせんちゅうのライガール・トリプラりょうほしいき会戦かいせんだい5かん)。ただし、本編ほんぺんでのとき系列けいれつじょうはリップシュタット戦役せんえきにラインハルト麾下きかはいったとされ、OVAばんではこの設定せってい外伝がいでんでの設定せっていけてリップシュタット戦役せんえき途中とちゅうから登場とうじょうする。物語ものがたり全体ぜんたいとき系列けいれつじょうはつ登場とうじょうだい4ティアマト会戦かいせんである(外伝がいでんほしくだもの』)。また、はじめもとSF文庫ぶんこ登場とうじょう人物じんぶつ説明せつめいでは、だい8かんでの死亡しぼうだい9かんはじめて名前なまえ登場とうじょうする。

副官ふっかん部下ぶか[編集へんしゅう]

  • クルーゼンシュテルン大将たいしょうふく指令しれいかん
  • ナイセバッハ中将ちゅうじょう参謀さんぼうちょう
  • ボーレン中将ちゅうじょう参謀さんぼうちょう
  • リッチェル中将ちゅうじょう(ガンダルヴァ駐留ちゅうりゅう司令しれいそう書記しょき
  • マルクグラーフ少将しょうしょう次席じせき参謀さんぼう
  • セルベル中佐ちゅうさ副官ふっかん
  • ルンプ中佐ちゅうさ護衛ごえい隊長たいちょう

略歴りゃくれき[編集へんしゅう]

正確せいかくぐんれき不明ふめいながら、ふるくから辺境へんきょう防備ぼうびにんつと武勲ぶくんてていたが、門閥もんばつ貴族きぞくではなかったために中将ちゅうじょうまりだった、と本編ほんぺんでは説明せつめいされる[1]

だい4ティアマト会戦かいせんにおいて、ラインハルトの乗艦じょうかんブリュンヒルトの初代しょだい艦長かんちょう任命にんめいされ作中さくちゅう登場とうじょうする(とき系列けいれつじょうはつ登場とうじょう[2][3]当時とうじ大佐たいさ。この戦闘せんとうちゅう艦長かんちょう職分しょくぶんおか行為こういをしたラインハルトを物怖ものおじせず諌言かんげんしたことでかれやキルヒアイスから一目いちもくかれる[4][5]本編ほんぺん開始かいしとなるアスターテ会戦かいせんでは、はんラインハルト思惑おもわくによってのラインハルトの子飼こがいの部下ぶからと同様どうよう異動いどうとなり、ふたた辺境へんきょうぼしいき勤務きんむばされていた[2]

リップシュタット戦役せんえきにおいて、担当たんとうしていた辺境へんきょう地域ちいき提供ていきょうすることで、ラインハルトの元帥げんすい登用とうようされる。これは原作げんさくとOVAばん経緯けいい描写びょうしゃがややことなり、原作げんさくでは戦役せんえき担当たんとう地域ちいきを「した」と記載きさいされる(のちかされる本編ほんぺん開始かいし以前いぜんかかわりの示唆しさもこの時点じてんではとくにない)[1]。OVAばんにおいては、戦役せんえきちゅう辺境へんきょう地域ちいき平定へいてい担当たんとうしていたキルヒアイスに、みずからの担当たんとう地域ちいき平定へいていして中将ちゅうじょう待遇たいぐう合流ごうりゅうしたことになっている(くわえて外伝がいでんまえてキルヒアイスと再会さいかいよろこ描写びょうしゃがある)[6]。また、このさいに、自身じしんいたうわさとしてラインハルトがヴェスターラントかく攻撃こうげき黙認もくにんしたという疑念ぎねんをキルヒアイスにつたえる(原作げんさくでキルヒアイスがったのはかく攻撃こうげき命令めいれい拒否きょひして脱走だっそうしたもと門閥もんばつ貴族きぞく陣営じんえい軍人ぐんじんからである)。

リップシュタット戦役せんえき主要しゅよう提督ていとくらの一括いっかつ昇進しょうしんおこなわれたが、このとき本編ほんぺん名前なまえ登場とうじょうであったため、このなかにシュタインメッツも昇進しょうしんしたかの明示めいじてき記載きさいはない。ただし、本編ほんぺんはつ登場とうじょうとなるだい8イゼルローン攻防こうぼうせんにおけるワープ実験じっけんでは、ワーレンやメックリンガーら大将たいしょうとなった主要しゅよう提督ていとくらと同格どうかく名前なまえ記載きさいされており[7]原作げんさく・OVAともにこののち肩書かたがき登場とうじょうするときにはすで大将たいしょうとなっている。

帝国ていこくれき490ねんだいいちラグナロック作戦さくせんにおいて、だい4じんいち艦隊かんたい指揮しきする[8]同年どうねん3がつ1にちのライガール・トリプラりょうほしいき会戦かいせんにおいてヤン艦隊かんたいたたかい、用兵ようへい巧者こうしゃであるがゆえにかれわなはまり、艦艇かんてい8わり喪失そうしつだい敗北はいぼくきっする[9]。ただし、本来ほんらいならじゅつもなく戦死せんし殲滅せんめつ必至ひっしのところを、ブラックホールを利用りようしたスイングバイ航法こうほう最低限さいていげん損害そんがいにまでおさんでおり、OVAばんではヤンからおもっただと感心かんしんされている[10]

しん帝国ていこくれき1ねんのローエングラム王朝おうちょう成立せいりつ帝国ていこくりょうとなったガンダルヴァぼしいき方面ほうめん司令しれいかんとなり、惑星わくせいウルヴァシーに駐屯ちゅうとんする[11][12]しょ提督ていとくらとおなじであればこのころ上級じょうきゅう大将たいしょう昇進しょうしん)。7月のヤン逮捕たいほはじまるレンネンカンプ拉致らちといったしょ問題もんだいについては、当時とうじ同盟どうめいない配属はいぞくされていたローエングラムあさ最高さいこう幹部かんぶとして、即座そくざ高等こうとう弁務べんむかん代行だいこう任命にんめいされ、同盟どうめい政府せいふやヤンらと交渉こうしょうし、レンネンカンプの遺体いたい返還へんかんなどのにんにあたる[13][12]。このとき直接ちょくせつ同盟どうめい政府せいふ責任せきにん追及ついきゅうするためにハイネセンへおもむこうとし、レンネンカンプと同様どうよう誘拐ゆうかいされることをおそれた部下ぶかのクルーゼンシュテルン(OVAばんではセルベル)にたいし、みずからをハイネセンごとばせばそれでむとこたえたというエピソードがのちかされる[2]

しん帝国ていこくれき2ねん2がつのハイネセンの制圧せいあつ主力しゅりょくとしてこれをおこない、レベロの葬儀そうぎ委員いいんちょうつとめる[14]

しん帝国ていこくれき2ねんの3がつ19にちにロイエンタールが統帥とうすい本部ほんぶ総長そうちょうからきゅう同盟どうめいりょうしん領土りょうど提督ていとく栄転えいてんするうちこと宣告せんこくされたさい皇帝こうてい直轄ちょっかつとなる統帥とうすい本部ほんぶ補佐ほさする役職やくしょくとして大本営だいほんえい幕僚ばくりょう総監そうかん新設しんせつ発表はっぴょうされ、その初代しょだい任命にんめいされる(本来ほんらいはヒルダのために用意よういされた役職やくしょくだったが固辞こじされたためシュタインメッツがなったとある)[15]

しん帝国ていこくれき2ねん回廊かいろうたたかいにおいて、本隊ほんたい構成こうせいするいち艦隊かんたい司令しれいとして参加さんかする。同年どうねん5がつ6にち、ラインハルトの旗艦きかん急襲きゅうしゅうしようとしたヤン艦隊かんたいとメルカッツ艦隊かんたいたいして防御ぼうぎょじんいて勇戦ゆうせんするが、乗艦じょうかん集中しゅうちゅう砲火ほうかびて戦死せんしする[16]幕僚ばくりょう総監そうかんしょく直後ちょくごにヒルダが暫定ざんていぐ(その正式せいしきまる)。

戦死せんし直後ちょくご特進とくしん元帥げんすいとなる[16]くわえて戦役せんえき新設しんせつされたジークフリード・キルヒアイス武勲ぶくんしょうにファーレンハイトととも授与じゅよされる[17]。また、さらにかれと、この時点じてんくなっていたほか2人ふたり元帥げんすい(キルヒアイスとファーレンハイト)にちなんで、しん要塞ようさいさん元帥げんすいしろ(ドライ・グロスアドミラルスブルク)」にのこ[18]

人物じんぶつ能力のうりょく[編集へんしゅう]

本編ほんぺんへの直接ちょくせつ登場とうじょうすくなく、容姿ようし年齢ねんれいかんする描写びょうしゃはまったくない(OVAばんではみじかめのくちひげとあごひげたくわえたいかにも軍人ぐんじんという風貌ふうぼうをしている)。しかし、作中さくちゅうでは敗北はいぼくした戦闘せんとうふくめて一貫いっかんして一流いちりゅう用兵ようへい将帥しょうすい評価ひょうかされ[9]、メックリンガーの回顧かいころくではファーレンハイトとともに「勇敢ゆうかんさと有能ゆうのうさにおいて苦情くじょうのつけようもない軍人ぐんじん」と記述きじゅつされ、さらに先述せんじゅつ初代しょだいブリュンヒルト艦長かんちょうのエピソードを引用いんようされ「ことに忠誠ちゅうせいしん卑屈ひくつさとの区別くべつ厳然げんぜんとわきまえていた」ととなえられる[4]。また、同盟どうめいりょう駐屯ちゅうとんしているときも、軍律ぐんりつきびしく、同盟どうめいたいする配慮はいりょおこたらなかったとある[19]。ヒルダにわって大本営だいほんえい幕僚ばくりょう総監そうかん任命にんめいされたけんなど、ラインハルトからもしょ提督ていとくらとともたか評価ひょうかされていた。

作中さくちゅうではしばしばレンネンカンプと比較ひかくされる。ライガール・トリプラりょうほしいき会戦かいせんにおいて、(最終さいしゅうてきりやめになったが)当事とうじしゃである2人ふたりのどちらかにラインハルトが敗戦はいせん責任せきにんわせようとしたときにはレンネンカンプがえらばれている[9]。また、レンネンカンプがヤンの容姿ようしてプライドをいたきずつけられのち暴挙ぼうきょはしったのと対照たいしょうてきに、シュタインメッツはだい1印象いんしょうこそレンネンカンプとおなじく「おれはあいつにけたのか」と憮然ぶぜんとしてつぶやいたが、すぐにひと外見がいけんではかるおろかさを反省はんせいしたとある[20]

先述せんじゅつとおり、戦闘せんとうふく直接ちょくせつ登場とうじょうすくないが、その数少かずすくないエピソードも上記じょうきとお軍人ぐんじんとしての気骨きこつちたものであふれており、ケンプやレンネンカンプとことなって、シュタインメッツにたいする批判ひはんてき記述きじゅつ描写びょうしゃ作中さくちゅうにはない。

私生活しせいかつでは独身どくしんだったものの、グレーチェン・フォン・エアフルトという女性じょせいと5ねんにわたり内縁ないえん関係かんけいにあったことが死後しごかされる(最期さいごのシーンでも彼女かのじょ絶命ぜつめいする)[17]内縁ないえんにとどめたのは、ラインハルトが結婚けっこんしていないことをはばかったためで、シュトライトがラインハルトに結婚けっこん進言しんげんするきっかけとなる。

声優せいゆう[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ a b だい4かんだい8しょう
  2. ^ a b c だい7かんだい3しょう
  3. ^ 外伝がいでんだい1かんだい9しょう
  4. ^ a b だい8かんだい8しょう
  5. ^ 外伝がいでんだい1かんだい9しょう
  6. ^ OVAだい23
  7. ^ だい3かんだい4しょう
  8. ^ だい4かんだい8しょう
  9. ^ a b c だい5かんだい6しょう
  10. ^ OVAだい50
  11. ^ だい5かんだい10しょう
  12. ^ a b だい7かんだい1しょう
  13. ^ だい6かんだい8しょう
  14. ^ だい7かんだい7しょう
  15. ^ だい7かんだい9しょう
  16. ^ a b だい8かんだい4しょう
  17. ^ a b だい8かんだい7しょう
  18. ^ だい9かんだい4しょう
  19. ^ だい6かんだい3しょう
  20. ^ だい6かんだい5しょう

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]