グナエウス・カルプルニウス・ピソ

グナエウス・カルプルニウス・ピソ（Gnaeus Calpurnius Piso, 紀元前きげんぜん44年ねん - 20年ねん）は、ユリウス＝クラウディウス朝あさの元老げんろう院いん議員ぎいん。ヒスパニアの総督そうとく、およびプロコンスルとしてアフリカを統治とうちした。ゲルマニクスの殺害さつがいの嫌疑けんぎをかけられた。9年ねんにはコンスル職しょくに就任しゅうにんしている。

17年ねんに皇帝こうていティベリウスによってシリア属ぞく州しゅうの総督そうとくに任命にんめいされ、4師団しだんとともに赴おもむく。一説いっせつによるとティベリウスは東方とうほうの行政ぎょうせいを視察しさつしたゲルマニクスを抑おさえるための秘策ひさくを授さづけていたと言いわれている。ゲルマニクスはピソとたびたび口論こうろんをかわし、19年ねんにピソは任地にんちであるシリアを離はなれた。とくに証拠しょうこはなかったが、同年どうねんに彼かれの任地にんち離脱りだつとゲルマニクスの死しが重かさなったため、当時とうじの人々ひとびとはピソがゲルマニクスを毒殺どくさつしたとの噂うわさが広ひろがっていた。

そしてゲルマニクスの死後しご、再ふたたびピソがシリアに軍団ぐんだんを連つれて赴おもむいたことが当時とうじの人々ひとびとの怒いかりを買かい、これを見みてティベリウスはピソの容疑ようぎを元老げんろう院いんで裁判さいばんにかけることを命令めいれいした。そしてピソは自殺じさつする。

人々ひとびとはこの顛末てんまつを、ゲルマニクス暗殺あんさつを支持しじしたティベリウスが、事ことの真相しんそうを隠蔽いんぺいするために殺ころさせたのだと噂うわさした。

関連かんれん項目こうもく

• ピソ
• ユリウス＝クラウディウス朝あさ
• ゲルマニクス