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コミュニカティブアプローチ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

コミュニカティブアプローチ (Communicative Approach) は言語げんご学習がくしゅうかんひとつ。外国がいこく教授きょうじゅほうとしてかぞえられることもある。教授きょうじゅほうとしては、コミュニケーション能力のうりょく育成いくせい中心ちゅうしんとし、情報じょうほう格差かくさインフォメーション・ギャップ)をめることがコミュニケーションの本質ほんしつであると規定きていする。機械きかいてき練習れんしゅう中心ちゅうしんオーディオリンガルほうへの批判ひはんから発展はってんした。 また、2000年代ねんだいはいり「フォーカスオンフォーム」の観点かんてんから、このコミュニカティブアプローチに文法ぶんぽう指導しどうれたものが再度さいど注目ちゅうもくびている。英語えいごけんでは「Communicative language teaching (CLT)」という名称めいしょうばれることもおおい。

おも特徴とくちょう[編集へんしゅう]

  • タスク中心ちゅうしんとした活動かつどうおこなう。
  • タスクでは複数ふくすう学習がくしゅうしゃあいだに、かなら情報じょうほう格差かくさインフォメーション・ギャップ)がなければならない。
  • タスクにはかなら選択せんたくけんがあり、学習がくしゅうしゃ意志いし反映はんえいされなくてはならない。
  • 教師きょうし役割やくわり限定げんていてきである。
  • 学習がくしゅうしゃ役割やくわり中心ちゅうしんてきになる。
  • 機械きかいてき練習れんしゅう重視じゅうししないため、正確せいかくさよりもなめらかさが重視じゅうしされる。

典型てんけいてき練習れんしゅう方法ほうほう[編集へんしゅう]

ペアワーク[編集へんしゅう]

クラスを人組にんぐみにする。それぞれに内容ないようちがかみくばる。たとえば間違まちがさがしのなど。二人ふたりぐみはそれぞれの内容ないよう口頭こうとう相手あいて説明せつめいし、ちがいをつける。くばかみなんらかの内容ないようむような目的もくてき場合ばあいは、タスクシートとばれることがおおい。なお、ペアワーク人組にんぐみおこな練習れんしゅう形式けいしきのことであり、オーディオ・リンガルてきに(すなわちコミュニカティブではない練習れんしゅうで)使つかうこともできる。

ロールプレイ[編集へんしゅう]

ほとんどの場合ばあいペアワークおこなわれる。二人ふたりはそれぞれ役割やくわりかれたかみロールカード)をくばられる。簡単かんたん練習れんしゅうでは、店員てんいんきゃくのカードなど。店員てんいんがわのカードには商品しょうひんめい値段ねだんいてあり、きゃくがわのカードにはいたい商品しょうひんめいいてあるが値段ねだんかれていない。められた値段ねだん範囲はんいないで、自由じゆう商品しょうひんえらべる設定せっていになっている場合ばあいおおい。

なお、「シナリオプレイ」を広義こうぎの「ロールプレイ」とすることもあるが、シナリオプレイでは基本きほんてきすで完成かんせいしている脚本きゃくほんえんじるのが中心ちゅうしんであるため、あらかじめ学習がくしゅうしゃあいだにインフォメーション・ギャップや選択せんたくけんはなく、そのためコミュニカティブアプローチには該当がいとうしないというのが一般いっぱんてき認識にんしきである。

ばらばら練習れんしゅう[編集へんしゅう]

ばらばら練習れんしゅうはクラスの全員ぜんいんがって自由じゆう相手あいてつけて、指定していされた目的もくてきたっするために情報じょうほうをやりりするタイプの練習れんしゅうである。

練習れんしゅう方法ほうほうおも種類しゅるいがある。ひとつは全員ぜんいんから情報じょうほう断片だんぺん収集しゅうしゅうしてリストを作成さくせいするもの。たとえば、コースの最初さいしょにアイスブレーキングをかねて、おたがいに名前なまえいてまわり、クラスの名簿めいぼつく活動かつどうなどが有名ゆうめいである。ほかにも誕生たんじょう出身しゅっしんきた時刻じこくなどをいてまわる練習れんしゅうもよくおこなわれている。これはクラスの構成こうせいいんっていくにれて、おたがいのあいだにインフォメーション・ギャップがすくなくなっていくという問題もんだいがあるが、簡単かんたんなエクセルのテンプレートでインフォメーション・ギャップを大量たいりょうふくむタスクシートをつくるツールなども開発かいはつされている。

もうひとつは、学習がくしゅうしゃ全員ぜんいんにロールカードをくばり、自分じぶんおなじカードをっている学習がくしゅうしゃさがすタイプの練習れんしゅう。トランプの神経しんけい衰弱すいじゃくているので、「にんげん神経しんけい衰弱すいじゃく」とばれている。これも、微妙びみょう内容ないようちがうカードを大量たいりょうつく必要ひつようがあるが、エクセルのテンプレートなどで簡単かんたん自動じどう生成せいせいすることができる。

おも批判ひはん[編集へんしゅう]

コミュニカティブ・アプローチが注目ちゅうもくされるまえ中心ちゅうしんてき教授きょうじゅほうとされていたオーディオ・リンガル・メソッドの立場たちばからは文法ぶんぽうてき正確せいかくせいにかけるという批判ひはんがなされた。

また、コミュニカティブ・アプローチが誕生たんじょうした時代じだいにはインターネットなどがまだ教育きょういくかいでは使つかわれていなかったため、とく海外かいがいでは実際じっさい学習がくしゅう言語げんご使つかってその母語ぼご話者わしゃとコミュニケーションをすることまでは想定そうていされていなかった。これにたいしてとうさく靖彦やすひこらはソーシャル・ネットワーキング・アプローチとして、授業じゅぎょうちゅう学習がくしゅう言語げんご母語ぼご話者わしゃなどとつながるところまで指導しどうすべきと主張しゅちょうしている。