ゴースト (マーベル・コミック)

ゴースト（Ghost）は、マーベル・コミックが出版しゅっぱんするアメリカン・コミックスに登場とうじょうするキャラクターである。

Ghost
出版しゅっぱんの情報じょうほう
出版しゅっぱん者しゃ	マーベル・コミック
初はつ登場とうじょう	『アイアンマン』#219 （1987年ねん6月がつ）
クリエイター	デイヴィッド・ミッチェリーニ ボブ・レイトン
作中さくちゅうの情報じょうほう
本名ほんみょう	不明ふめい
所属しょぞくチーム	ロクソン・エナジー・コーポレーション A.I.M. サンダーボルツ
著名ちょめいな別名べつめい	ファンタズム キャスパー
能力のうりょく	優秀ゆうしゅうな発明はつめい家か、戦術せんじゅつ家か、コンピューターハッカー 熟練じゅくれんした射手しゃしゅ 優すぐれた知性ちせい バトルスーツの性能せいのう: ステルス技術ぎじゅつ 無形むけい性せい 不可視ふかし

発行はっこう履歴りれき

デイヴィッド・ミッチェリーニとボブ・レイトンによって創造そうぞうされたゴーストは、『アイアンマン』第だい219号ごう（1987年ねん6月がつ）に初はつ登場とうじょうした。アイアンマンの敵てきとしてデビューし、“サンダーボルツ”のメンバーとしても活躍かつやくした。

キャラクター経歴けいれき

ゴーストの正体しょうたいはほとんど知しられていない。本人ほんにんはかつてIT研究けんきゅう者しゃであり、企業きぎょうの貪欲どんよくさが現在げんざいの自分じぶんを生うんだと主張しゅちょうする彼かれは、高度こうどな技術ぎじゅつと監視かんしを扱あつかう人々ひとびとに最もっとも興味きょうみを持もち、抑圧よくあつ的てきと見みなしている様々さまざまな政治せいじ・経済けいざい機関きかんを転覆てんぷくしようとする反はん資本しほん主義しゅぎの破壊はかい者しゃである。彼かれは時々ときどき、利害りがい関係かんけいが一致いっちしたノーマン・オズボーンの“サンダーボルツ”などの勢力せいりょくにも雇やとわれた。

オリジン

ゴーストとなる本名ほんみょう不明ふめいの内向ないこう的てきな青年せいねんは、かつて新興しんこうIT会社かいしゃ“オムニサピエント”でプログラマー兼けんエンジニアとして働はたらいていた。彼かれは自みずからの技術ぎじゅつ力りょくと天才てんさい的てきな知性ちせいで開発かいはつした非ひ実体じったい化かを可能かのうにするプロセッサ“ゴーストテック” によって取締役とりしまりやく会かいを感動かんどうさせると、社内しゃないでのランクを上あげ同社どうしゃの旗艦きかんプロジェクトを引ひき受うけた。会社かいしゃの株価かぶかは急騰きゅうとうしたものの、取締役とりしまりやく会かいに依存いぞんされた青年せいねんは疲つかれ果はてて、退職たいしょくを決きめると、魅力みりょく的てきな同僚どうりょう女性じょせいとの関係かんけいを始はじめた。これまで以上いじょうに幸しあわせな時間じかんを過すごせたものの、自宅じたくで起おきた謎なぞの爆発ばくはつによって彼女かのじょを失うしなってしまう。落おち込こんだ青年せいねんは、更さらに仕事しごとに没頭ぼっとうするようになり、開発かいはつしたプロセッサと自身じしんの意識いしきをコンピュータと連結れんけつさせることに成功せいこうすると、恋人こいびとが実じつは自分じぶんを喜よろこばせるために取締役とりしまりやく会かいに雇やとわれた人物じんぶつであり、このことをバラしてほしくなければ報酬ほうしゅうを上あげるよう取締役とりしまりやく会かいを脅迫きょうはくした結果けっか、殺ころし屋やに始末しまつされたことを知しった。この件けんに関かんして復讐ふくしゅうを誓ちかった彼かれはゴーストとなり、取締役とりしまりやく会かいたちを次々つぎつぎに殺害さつがい。それだけでは気きが収おさまらず、彼かれはその後ごも反はん企業きぎょう活動かつどうをするようになった。

アキュテック・マージャー

この後のちゴーストは、“ロクソン・オイル・コーポレーション”の主要しゅよう幹部かんぶであるキャリントン・パックスに雇やとわれ、ライバル企業きぎょうの“アキュテック社しゃ”を倒産とうさんに追おい込こむため破壊はかい活動かつどうに出でた。パックスたちロクソン社しゃの他ほかの幹部かんぶが差さし向むけたスパイマスターを返かえり討うちにしたゴーストは、アキュテック社しゃを買収ばいしゅうしたトニー・スターク/アイアンマンこそが企業きぎょう文明ぶんめいを代表だいひょうする人物じんぶつだと確信かくしんしてスタークと対峙たいじ。激はげしい戦闘せんとうの末すえ、“ベータ粒子りゅうし発生はっせい器き”によるスタークの罠わなに嵌はまって追おい詰つめられると、しかし装置そうちから発生はっせいした電撃でんげきによって黒焦くろこげとなり敗北はいぼくした。

アンホーリー・ゴースト

次つぎにゴーストは、ジャスティン・ハマーが所有しょゆうするイタリアの会社かいしゃ“エレクトロニカ・ファブリジ”に狙ねらいを定さだめた。ハマーとスタークがゴースト打倒だとうのために手てを組くみ、ブラックラッシュ、ブリザード、ブーメランも加くわえるが、ハマーのチームはスタークを裏切うらぎり、両方りょうほうの敵てきを追おい払はらおうと計画けいかく。彼かれらとの戦たたかいの末すえにゴーストは、エレクトロニカ・ファブリジの破壊はかいに成功せいこうした。

ゴーストは次つぎにキングピンに雇やとわれ、合成ごうせいヴィブラニウムを作成さくせいするための新あたらしいロクソン・プロセスを盗ぬすみ、スパイダーマンとブラックパンサーと戦たたかった。

また、ゴーストはサンチュリオンやウルトロンには連敗れんぱいした。

能力のうりょく・装備そうび

ゴーストは優すぐれた戦術せんじゅつ家か、発明はつめい家か、ハッカーとしての頭脳ずのうを有ゆうしており、まず敵てきとの直接的ちょくせつてきな対峙たいじを完全かんぜんに避さけ、偽装ぎそうと待まち伏ぶせ戦術せんじゅつを発案はつあんして用もちいることを好このむ。

ゴーストが自みずからのテクノロジーを注つぎ込こんでデザインし着用ちゃくようするバトルスーツは、ヘルメット内ないのサイバネティック回路かいろを通つうじた偏へん極ごく電子でんしのコントロールにより、彼かれ自身じしんの姿すがたと彼かれが触ふれる物体ぶったいのクローキング・非ひ実体じったい化かを可能かのうにし、探知たんち機きにも反応はんのうされない。スーツに搭載とうさいされたデバイスは、ゴーストの周囲しゅういのあらゆる電子でんしシステムをハッキングして再さいプログラムし、電磁でんじ信号しんごうを傍受ぼうじゅ、改かいざん、または打うち消けすこともできる。

ゴーストはまた、エレクトリックバーストや脳震盪のうしんとうを誘発ゆうはつさせる特殊とくしゅ銃じゅうを発明はつめいし、焼夷弾しょういだん、手榴弾しゅりゅうだん、音響おんきょう爆ばく弾だんを含ふくむハイテク兵器へいきを保管ほかんする大だい規模きぼな武器ぶき庫こも所有しょゆうしている。

その他たのバージョン

『アルティメット・マーベル』バージョンのゴーストは、『Ultimate Comics: Armor Wars』第だい1号ごうで紹介しょうかいされ、トニー・スタークの隠かくれ家がの1つに忍しのび込こみ、窃盗せっとう行為こういを行おこなった。

MCU版ばん

『マーベル・シネマティック・ユニバース』（MCU）では、エイヴァ・スター / ゴースト（Ava Starr / Ghost）という女性じょせいのキャラクターとなり、ハナ・ジョン＝カーメンが演えんじる。日本語にほんご吹替は田中たなか理恵りえが担当たんとうする。

キャラクター像ぞう

エライアス・スターとキャサリン・スターの一人娘ひとりむすめ。6歳さいの頃ころに父ちちが起おこした“量子りょうしトンネル”の暴走ぼうそう事故じこに巻まき込こまれ両親りょうしんを喪うしない、全身ぜんしんが“量子りょうしフェージング”状態じょうたいとなってしまった。

事故じこの後のち、“S.H.I.E.L.D.”に保護ほごされると、自身じしんの治療ちりょうと引ひき換かえに物品ぶっぴんの奪取だっしゅやスパイに暗殺あんさつまでを遂行すいこうするステルス秘密ひみつ工作こうさく員いんとして活動かつどうを強しいられ、組織そしきに兵器へいきとして利用りようされ続つづけていた。S.H.I.E.L.D.崩壊ほうかい後ごはビル・フォスターに引ひき取とられた。

妖あやしい笑えみを浮うかべながら相手あいてを威嚇いかくしたり、用意ようい周到しゅうとうな策さくから、力ちから尽ことごとく且かつ人道じんどう外はずれた手段しゅだんまで用もちいようとするなど、苛烈かれつな女性じょせいだが、その行動こうどう原理げんりは必死ひっしに生いき続つづけたいと強つよく願ねがう想おもいから来くるものであり、徹底てっていした邪よこしまな心しんの持もち主ぬしというわけではない。

能力のうりょく

量子りょうしフェージング能力のうりょくと、S.H.I.E.L.D.時代じだいに仕込しこまれた格闘技かくとうぎやビークルの操縦そうじゅう技術ぎじゅつなど秘密ひみつ工作こうさく員いんとしての各かく技能ぎのうによって、優すぐれた戦闘せんとう能力のうりょくを発揮はっきする。しかし、スコット・ラング/アントマンやホープ・ヴァン・ダイン/ワスプと1対たい1の攻防こうぼうでも拮抗きっこうしたり若干じゃっかん押おされ気味ぎみになることもあるため、その実力じつりょくは圧倒的あっとうてきとは言いい切きれない。

量子りょうしフェージング能力のうりょく

全身ぜんしんの細胞さいぼうが分離ぶんりと収束しゅうそくを繰くり返かえす体質たいしつであることから、幽霊ゆうれいの如ごとくあらゆる物質ぶっしつをすり抜ぬけられる特殊とくしゅ能力のうりょく。普段ふだんから左右さゆう・斜ななめに動うごく自身じしんの姿すがたが互たがいに重かさなり合あったかのような動作どうさと揺ゆれ動うごく残像ざんぞうを見みせる一方いっぽうで、全身ぜんしんの分子ぶんしの結合けつごう力りょくが弱よわく、エイヴァは絶たえ間まない苦痛くつうにも襲おそわれている。

ツール

ゴースト・スーツ（Ghost Suit）

かつてS.H.I.E.L.D.が、エイヴァのために開発かいはつした特殊とくしゅボディスーツ。グレー系けいのカラーが特徴とくちょうで、着用ちゃくよう者しゃの重要じゅうような臓器ぞうきを安定あんていさせるチェンバー（胸部きょうぶ）や、スワイプ式しきコントローラー（前腕ぜんわん部ぶ）、フェーズ・シフティング緩衝かんしょうパネル（両りょう大腿だいたい部ぶ）がそれぞれ搭載とうさいされた本体ほんたい部ぶと、赤あかく発光はっこうし、フェーズ・シフティング中ちゅうの視界しかいをサポートする5つの目めが付ついた不気味ぶきみなマスク、頭部とうぶのヘルメット、フードで構成こうせいされる。

エイヴァはS.H.I.E.L.D.に属ぞくしていた頃ころからこれを着用ちゃくようすることで、自みずからの制御せいぎょ困難こんなんな量子りょうしフェージング能力のうりょくの安定あんてい化か・制御せいぎょと、能力のうりょくの反動はんどうによる絶たえ間まない痛いたみを軽減けいげんしつつ、S.H.I.E.L.D.の暗殺あんさつ任務にんむなどの活動かつどうに当あたっていた。そして現代げんだいでも外界がいかいで行動こうどうする際さいにこのスーツを着用ちゃくようし、その外観がいかんとエイヴァ自身じしんの能力のうりょくから、スコットたちからエイヴァは“ゴースト”と呼称こしょうされる。

現在げんざいのところ、このほかの専用せんようのツールは所有しょゆうしていないが、ソニー・バーチの一味いちみが運用うんようしていたトライアンフ・スラクストン Rの1台だいを奪取だっしゅしてカーチェイスに参戦さんせんしたこともある。

描写びょうしゃ

『アントマン&ワスプ』

本ほん作さくで『MCU』初はつ登場とうじょう。

ビルが作つくった“特殊とくしゅチェンバー”で休眠きゅうみんしながら身体しんたいのフェージングを抑制よくせいする日々ひびを送おくっていたものの、体質たいしつは根本こんぽん的てきに治療ちりょうされる訳わけではないため、現在げんざいのところ寿命じゅみょうが2〜3週間しゅうかんほどとなっており、自身じしんの治療ちりょう法ほうを模索もさくしながらも、切羽詰せっぱつまっていた。そこでハンク・ピムの研究けんきゅうを知しり、“量子りょうし世界せかい”に治療ちりょうの手てがかりがあると考かんがえ、量子りょうし世界せかいのジャネット・ヴァン・ダインからエネルギーを得えるためにピムたちが所有しょゆうする“モバイル研究所けんきゅうじょ”を奪取だっしゅしようと企たくらむ。

ホープとソニー・バーチらが“量子りょうしスタビライザー”を巡めぐって乱闘らんとうしていた“ウィ”に姿すがたを現あらわすと、ホープや彼女かのじょに加勢かせいしたスコットと対戦たいせんし撃退げきたいされるが、ピムを襲おそって研究所けんきゅうじょとスタビライザーの奪取だっしゅに成功せいこう。後のちに自宅じたくのチェンバーで休眠きゅうみんしていたところにやって来きたピム父ちち娘むすめやスコットを捕とらえ、ビルと共ともに自身じしんの境遇きょうぐうを明あかし、ジャネットからエネルギーを抽出ちゅうしゅつする手伝てつだいを迫せまるが、ピムの作戦さくせんに嵌はまって彼かれらの離脱りだつと研究所けんきゅうじょ奪還だっかんを許ゆるしてしまった。

スコットたちを誘おびき寄よせるためにキャシー・ラングを利用りようするという案あんをビルに拒否きょひされると、代かわりにスコットの親友しんゆうであるルイスたちの下したに赴おもむき、バーチらに尋問じんもんされていた彼かれがスコットたちの居場所いばしょをき出きだすと、FBIが押収おうしゅうしようとした研究所けんきゅうじょを再ふたたび奪うばうことに成功せいこう。研究所けんきゅうじょ内ないの“量子りょうしトンネル”を使つかって治療ちりょうに取とり掛かかろうとするものの、駆かけ付つけたピム父ちち娘むすめとスコットの反撃はんげきで失敗しっぱいし、またしても研究所けんきゅうじょを奪還だっかんされた。

クライマックスでは、スコットたちとバーチの一味いちみによるカーチェイスに乱入らんにゅうし、ルイスが持もっていた研究所けんきゅうじょのリモコンを取とり上あげ、研究所けんきゅうじょと量子りょうしトンネルを三さん度ど手しゅにし、ビルの制止せいしも跳はね除のけ、量子りょうし世界せかいからピムと共ともに帰還きかん途中とちゅうだったジャネットからエネルギーを抽出ちゅうしゅつし始はじめたが、スコットとホープに阻止そしされた。帰還きかんしたジャネットの心遣こころづかいと能力のうりょくにより症状しょうじょうが緩和かんわされて感謝かんしゃを示しめすと、現地げんちに出動しゅつどうしてきた地元じもと警察けいさつに捕つかまらないようビルに1人ひとりで逃にげるように進言しんげんするが、彼かれの決意けついを受うけて、ビルと共ともに逃亡とうぼう生活せいかつへ出でることを決意けついする。

2024年ねん現在げんざい、『アントマン&ワスプ』 以外いがいの作品さくひんには登場とうじょうしていないが、2025年ねん5月がつ2日にち公開こうかい予定よていの映画えいが『サンダーボルツ』にも出演しゅつえんが決定けっていしている。

その他たのメディア

テレビアニメ

• 1995年ねんの『アイアンマン』のエピソード『アーマーウォーズ、パート1』にカメオ出演しゅつえんし、同時どうじにジェニファー・ヘイル、ジェイミー・ホートン、トム・ケインが同時どうじに声こえをあてた。彼かれはアイアンマンのアーマーのデザインを盗ぬすむためにジャスティン・ハマーに雇やとわれた。
• 『アイアンマン ザ・アドベンチャーズ』では知的ちてきな傭兵ようへいとして登場とうじょう。マイケル・ドブソンが声こえをあてた。
• 『アベンジャーズ・アッセンブル』では、フェーズ能力のうりょくを持もつインヒューマンズとして登場とうじょうし、ジム・カミングスが声こえをあてた。
• 『マーベル スパイダーマン』シーズン1の第だい8話わ『スターク・エキスポ』においては、元もとスターク・インダストリーズの従業じゅうぎょう員いんとして登場とうじょうし、ジム・カミングスが声こえをあてた。

ゲーム

• PSPとWiiの『アイアンマン2』ではボスキャラクターとして登場とうじょうし、スティーヴン・ブルームが声こえをあてた。
• 『Marvel Heroes』ではフィル・バックマンが声こえをあてた。
• 『Marvel: Avengers Alliance 2』にも登場とうじょうした。
• 『マーベルアイアンマン VR』には、ゴーストの女性じょせい版ばんが登場とうじょうし、シャンテル・バリーが声こえをあてた。
• 『LEGO マーベル スーパー・ヒーローズ 2 ザ・ゲーム』においては、MCU版ばんゴーストがプレイ可能かのうなDLC追加ついかキャラクターとして登場とうじょうする。

モーションコミック

『スパイダーウーマン』においては、ジェシー・ファルコンが声こえをあてた。

参考さんこう文献ぶんけん

• 『マーベル・スタジオ キャラクター事典じてん』株式会社かぶしきがいしゃうさぎ出版しゅっぱん、2020年ねん。ISBN 978-4-418-19429-2。