ザ・ロード (小説しょうせつ)

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ザ・ロード』(えい: The Road)は、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく作家さっかコーマック・マッカーシー2006ねん発表はっぴょうした、ピューリッツァーしょう受賞じゅしょうした終末しゅうまつもの小説しょうせつである。2009ねんには映画えいがばん公開こうかいされた。

概要がいよう[編集へんしゅう]

詳細しょうさい不明ふめいわざわいに見舞みまわれた世界せかいで、名前なまえのないちち息子むすこみち南進なんしんする。舞台ぶたい南西なんせいアパラチア山脈さんみゃくわざわいからやく10年間ねんかんがすぎ、ほとんどの動植物どうしょくぶつしゅ絶滅ぜつめつし、文明ぶんめい消滅しょうめつし、灰色はいいろあつくも気候きこう変動へんどうのために植物しょくぶつえない。のこ人類じんるいだい部分ぶぶんひと部族ぶぞくとして存続そんぞくしている。

父子ふしは、飢餓きが凍死とうし危機ききをはじめさまざまな恐怖きょうふ経験けいけんしながら、倫理りんり理想りそうてずにすすつづけようとする。かみんだという着想ちゃくそう言及げんきゅうおおいが[1]ちち道徳どうとく信仰しんこうてない。かれかんがえでは、自分じぶん息子むすこ神聖しんせいなるかみ受肉であって、生命せいめい意味いみあたえる存在そんざいである[2]

結末けつまつちち荒野あらの病死びょうしし、息子むすこにはつづけるようにうながす。「あなたはってけなければならない。」[3]数日すうじつ息子むすこはある夫婦ふうふ発見はっけんされ、家族かぞく一員いちいんになる。

評価ひょうか[編集へんしゅう]

2006ねんのリリースから、『ザ・ロード』は数々かずかず好意こういてき批評ひひょうった。記憶きおくまる[4]悲痛ひつう[5], ちくような[6]代表だいひょうさくとされ、『エンターテイメント・ウィークリーの2008ねん6がつごうによれば 過去かこ25年間ねんかんもっとすぐれたほんである。Metacritic平均へいきん90てん獲得かくとくしている。.[7]

2007ねん4がつ16にちピューリッツァーしょう フィクション部門ぶもん受賞じゅしょうした[8]。 2006ねん全米ぜんべい批評ひひょう協会きょうかいしょう最終さいしゅう選考せんこう作品さくひんとなり[9]ジェイムズ・テイト・ブラック記念きねんしょう(the James Tait Black Memorial Prize)もった。

日本語にほんごやく[編集へんしゅう]

  • 『ザ・ロード』 黒原くろばる敏行としゆきわけ早川書房はやかわしょぼう、2008ねんハヤカワepi文庫ぶんこ、2010ねんISBN 4151200606

映画えいが[編集へんしゅう]

映画えいがは2009ねん11月25にち北米ほくべい公開こうかい監督かんとくオーストラリア出身しゅっしんジョン・ヒルコートちち息子むすこやくえんじる俳優はいゆうヴィゴ・モーテンセンコディ・スミット=マクフィー母親ははおややくシャーリーズ・セロンロバート・デュヴァルガイ・ピアース共演きょうえん

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ McCarthy (2006) (英語えいご). The Road. Random House Inc. pp. 170. ISBN 0307387895. "There is no God and we are his prophets" 
  2. ^ McCarthy (2006) (英語えいご). The Road. Random House Inc. pp. 50. ISBN 0307387895. "If he is not the word of God God never spoke" 
  3. ^ McCarthy (2006) (英語えいご). The Road. Random House Inc. pp. 278. ISBN 0307387895. "You have to carry the fire" 
  4. ^ Mark Holcomb. “End of the Line” (英語えいご). The Village Voice. http://www.villagevoice.com/books/0636,holcomb,74342,10.html 2007ねん4がつ23にち閲覧えつらん. "It may be the saddest, most haunting book he's ever written" 
  5. ^ Malcolm Jones (2006ねん9がつ22にち). “On the Lost Highway” (英語えいご). Newsweek. 2009ねん1がつ22にち閲覧えつらん。 “The question that the novel implicitly poses [...] takes on heartbreaking force.”
  6. ^ “The Road to Hell” (英語えいご). The Guardian. (2006ねん11月4にち). http://books.guardian.co.uk/reviews/generalfiction/0,,1938954,00.html 
  7. ^ The Road by Cormac McCarthy: Reviews” (英語えいご). Metacritic. 2009ねん1がつ22にち閲覧えつらん
  8. ^ “Novelist McCarthy wins Pulitzer” (英語えいご). BBC. (2007ねん4がつ17にち). http://news.bbc.co.uk/1/hi/entertainment/6563291.stm 2007ねん9がつ8にち閲覧えつらん 
  9. ^ The National Book Critics Circle 2006 finalists (英語えいご)