ジャンバッティスタ・デッラ・ポルタ

ジャンバッティスタ・デッラ・ポルタ

ジャンバッティスタ・デッラ・ポルタ（伊い:Giambattista della Porta 、1535年ねん頃ごろ - 1615年ねん2月がつ4日にち）は、ルネサンス期きのイタリア、ナポリの博学はくがく者しゃ、医師いしである。中世ちゅうせいの魔術まじゅつ師し・錬金術れんきんじゅつ師しと近代きんだいの科学かがく者しゃとの間あいだの存在そんざいである。

来歴らいれき

彼かれは、裕福ゆうふくな父ちちナルド・アントニオ・デッラ・ポルタの4人にんの息子むすこの3男おとことして、ナポリ近郊きんこうの町まちに生うまれた。1558年ねんに出版しゅっぱんされた著者ちょしゃ『自然しぜん魔術まじゅつ』には、実験じっけんを重視じゅうしする近代きんだいの科学かがく的てき方法ほうほうの萌芽ほうがと言いうべき多おおくの記述きじゅつがある。例たとえば「カメラ・オブスクラ（画家がか用ようのピンホールのある暗室あんしつ）のピンホールにレンズを用もちいると、像ぞうが鮮明せんめいになる」ことなどが記述きじゅつされていた。ナポリで出版しゅっぱんされた『自然しぜん魔術まじゅつ』（ラテン語らてんご）は各国かっこく語ごに翻訳ほんやくされてベストセラーとなった。1560年ねんには自然しぜん科学かがくの最初さいしょの学会がっかいともいえるOtiosi（怠なまけ者ものたちの会かい：Academia Secretorum Naturaeとも）を自宅じたくに開ひらき、科学かがく実験じっけんを行おこなったが、時ときの教皇きょうこうパウルス5世せいにより禁止きんしされた。1563年ねんに暗号あんごう解読かいどく術じゅつの著書ちょしょを、1586年ねんに『観相かんそう術じゅつ』を出版しゅっぱんした。文芸ぶんげいの分野ぶんやでも20ばかりの悲劇ひげき・喜劇きげきを創作そうさくし、後ごの作家さっかに影響えいきょうを与あたえた。

訳書やくしょ

• 『自然しぜん魔術まじゅつ』 澤井さわい繁男しげお訳わけ、青土おうづち社しゃ、1990年ねん／講談社こうだんしゃ学術がくじゅつ文庫ぶんこ、2017年ねん
• 『自然しぜん魔術まじゅつ　人体じんたい篇へん』 澤井さわい繁男しげお訳やく、青土おうづち社しゃ、1996年ねん

関連かんれん項目こうもく

• ルネサンス