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ジョン・ガンサー

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ジョン・ガンサー英語えいご:John Gunther、1901ねん8がつ30にち - 1970ねん5月29にち)は、アメリカジャーナリストノンフィクション・ライターかれ成功せいこうはまず1940年代ねんだい1950年代ねんだいおとずれ、そのとき仕事しごとは「内幕うちまくもの」でられる社会しゃかい政治せいじがくてき一連いちれん作品さくひんであった。

今日きょうでは、「おごるなかれ」(邦訳ほうやく岩波いわなみ新書しんしょ)でもっともよくられる。この作品さくひんは、じゅうだい脳腫瘍のうしゅようによりくなった息子むすこジョニー・ガンサーの回想かいそうろくである。

人生じんせい[編集へんしゅう]

ガンサーは、イリノイしゅうシカゴそだった。シカゴ大学だいがく進学しんがくし、そこで学生がくせい新聞しんぶん編集へんしゅうしゃとして活動かつどうした。

1924ねんから1936ねんまで、ガンサーはシカゴ・デイリー・ニューズロンドン事務所じむしょ勤務きんむしていた。のちにガンサーは回想かいそうし「わたしいちだけでなくなんも、デイリー・ニューズのオフィスで責任せきにんある立場たちばになった。ロンドン、ベルリンウィーンモスクワローマパリ。そしてポーランドポーランドバルカン半島ばるかんはんとうスカンディナビア諸国しょこくおとずれた。わたしポルトガルのぞすべてのヨーロッパはたらいたことになる。わたしはヨーロッパ全体ぜんたいのとても印象深いんしょうぶか景観けいかんを1924ねんから1936ねんのうちにた」と[1]

作品さくひん[編集へんしゅう]

ガンサーが有名ゆうめいになった一連いちれん作品さくひん内幕うちまくもの」は、世界せかいかく大陸たいりくについての調査ちょうさであった。それぞれのほんで、ガンサーはそのほん対象たいしょうとする地域ちいき徹底的てっていてきおとずれ、政治せいじ社会しゃかい、ビジネスのかく分野ぶんやのリーダーにインタビューをおこない、市井しせい人々ひとびとにもはなしき、対象たいしょう地域ちいきについての統計とうけい吟味ぎんみした。かれなにまなび、いかに理解りかいしたかについてのなが概観がいかんいた。

「ヨーロッパの内幕うちまく」で、ガンサーはこういている:「このほん世界中せかいじゅうでヒットした。わたしはこのほんがまさにただしいときにたことでしあわせなとき、3にん全体ぜんたい主義しゅぎ独裁どくさいしゃ壇上だんじょうかれらにひどく興味きょうみをもった」と。

内幕うちまくもの」にくわえ、ガンサーは小説しょうせつを8さく伝記でんきを3さくいた。特筆とくひつすべきものはBright NemesisThe Troubled Midnight、『回想かいそうのルーズベルト』 (1950)、有名ゆうめい将軍しょうぐんについての自伝じでん『アイゼンハワー ――かれ世界せかいうごかしている』であり、1952ねん出版しゅっぱんされた。そのとしアイゼンハワー大統領だいとうりょう当選とうせんした。さらに、かれ若年じゃくねんしゃけのほんをいくつかいた。アレクサンダー大王だいおうについての伝記でんきを1953ねんMeet Soviet Russia、2さつ構成こうせいの『ソヴェトの内幕うちまく』を1962ねんいた。

しかし、ガンサーのもっとのこした作品さくひんは、政治せいじかかわったものではなかった。『おごるなかれ』は、息子むすこジョニーが17さい脳腫瘍のうしゅようくなったときの回想かいそうである。この作品さくひんで、ちちガンサーは自身じしんかれもとつま息子むすこいのちすくおうと全力ぜんりょくたたかった様子ようす過激かげき外科げか手術しゅじゅつからきびしく管理かんりされた食事しょくじ療法りょうほうまで)を詳細しょうさいえがいた。沢山だくさん治療ちりょうほうためしたこと、あきらかな小康しょうこう状態じょうたいとうげあいだおこなったりたりしたこと、3しゃがそれぞれびょうとのたたかいで疲労ひろう困憊こんぱいする有様ありさまとう、ガンサーは、自身じしん息子むすこ特筆とくひつすべきわかおとこえがいている――かれ偶然ぐうぜんにも物理ぶつり出来できにおいてアインシュタイン一致いっちするぐらい――そして息子むすこによる悲嘆ひたんがガンサーによってかたられる。作品さくひんはこのことでベストセラーになり、このテレビ映画えいがが1975ねんにエミーしょうにノミネートされた。キャストはジョン・ガンサーやくアーサー・ヒルかれつまやくジェーン・アレグザンダー、ジョニーやくロビー・ベンスンだった。この作品さくひんは、今日きょういたるまでおおくのアメリカの高校こうこう必読ひつどくしょとされている。

『アメリカの内幕うちまく』はブロードウェイレヴューで1948ねん初演しょえんうたハワード・ディエツアーサー・シュワルツいた。このげき様々さまざまなキャスト――ベアトリス・リリージャック・ヘイリー――によってもえんじられ、累計るいけい399かいにもおよんだ[2]

"High Road"[編集へんしゅう]

1959ねん9がつ7にちから1960ねん9がつ17にちまで、ガンサーはABC系列けいれつのテレビ番組ばんぐみ"John Gunther's High Road"のホストとナレーションをつとめた。これはもともと月曜げつようよる8時半じはんから放送ほうそうされ、まもなくのち土曜どようよる8からに変更へんこうになった。この直後ちょくごに、ディック・クラークのバラエティー番組ばんぐみつづいた。この"High Road"は世界中せかいじゅう様々さまざまくにへの紀行きこう映像えいぞう構成こうせいされた。いくつかのフィルムはとくにこの番組ばんぐみのために制作せいさくされたが、それ以外いがいのソースからってきたものだった。ぜんエピソードに共通きょうつうしていることはガンサーのナレーションだったが、これは実際じっさい内容ないようとはほとん関係かんけいないか、またはまった関係かんけいがなかった[3]

評価ひょうか[編集へんしゅう]

ガンサーのルポルタージュは日本にっぽんでも「内幕うちまくもの」を中心ちゅうしん翻訳ほんやくされ、まれた。本多ほんだ勝一かついちは「内幕うちまくもの」について以下いかのように好意こういてきひょうしている:「これらはたん時事じじてき出版しゅっぱんぶつにとどまらず、いまなお歴史れきし証言しょうげんとしてきている立派りっぱなルポルタージュ」であると[4]

作品さくひんリスト[編集へんしゅう]

ノンフィクション[編集へんしゅう]

  • (1936) Inside Europe
  • (1938 ed) Inside Europe (includes minor updates)
  • (1939 ed) Inside Europe (includes minor updates) (大江おおえせんいち やくおうしゅう内幕うちまく今日きょう問題もんだいしゃ, 1939)
  • (1939) The High Cost of Hitler
  • (1939) Inside Asia大江おおえせんいち やく亜細亜あじあ内幕うちまく今日きょう問題もんだいしゃ, 1939)
  • (1940 ed) Inside Europe (includes major additions and changes due to the geopolitical impacts of Hitler and Nazi Germany)
  • (1941) Inside Latin America山崎やまざきひろし やく中南米ちゅうなんべい内幕うちまくだい日本にっぽん出版しゅっぱん, 1942)
  • (1944) D-Day
  • (1947) Inside U.S.A.読売新聞社よみうりしんぶんしゃ欧米おうべい やく『アメリカの内幕うちまく読売新聞社よみうりしんぶんしゃ, 1950/鹿島かしま研究所けんきゅうじょ出版しゅっぱんかい やく鹿島かしま研究所けんきゅうじょ出版しゅっぱんかい,1965)
  • (1949) Death Be Not Proud, memoir(中野なかの好夫よしお矢川やがわ徳光とくみつ やくおごるなかれ』岩波いわなみ新書しんしょ, 1950、改版かいはん1974)
  • (1949) Behind the Curtain (published in the UK as Behind Europe's Curtain) (木下きのした秀夫ひでお わけソ連それん勢力せいりょくけん内幕うちまく時事通信社じじつうしんしゃ,1950)
  • (1950) Roosevelt in Retrospect: A Profile in History, biography(清水しみず俊二しゅんじ わけ回想かいそうのルーズベルト』六興ろっこう出版しゅっぱんしゃ じょうした,1950。早川書房はやかわしょぼう,1968)
  • (1951) The Riddle of MacArthur: Japan, Korea, and the Far East木下きのした秀夫ひでお安保あんぽ長春ちょうしゅん やく『マッカーサーのなぞ日本にっぽん朝鮮ちょうせん極東きょくとう時事通信社じじつうしんしゃ,1951)
  • (1952) Eisenhower, the Man and the Symbol, biography(木下きのした秀夫ひでお やく『アイゼンハワー ―かれ世界せかいうごかしている』文藝春秋ぶんげいしゅんじゅうしんしゃ, 1952)
  • (1953) Alexander the Great, biography
  • (1955) Inside Africa土屋つちやあきら わけ現代げんだい体系たいけい10・11 植民しょくみん革命かくめい アフリカの内幕うちまくみすず書房しょぼう, 1956-57)
  • (1956) Days to Remember: America, 1945-1955 (with B. Quint)
  • (1958) Inside Russia Today湯浅ゆあさ義正よしまさ やく『ソヴェトの内幕うちまく』みすず書房しょぼう, ぜん2かん・1958-59、ぞうてい新版しんぱん ぜん1かん, 1963)
  • (1961) Inside Europe Today坂西さかにし志保しほ わけ現代げんだいヨーロッパの内幕うちまく新潮社しんちょうしゃ, 1962)
  • (1962) Meet Soviet Russia:2 volumes
  • (1965) Procession内山うちやまさとし わけ世紀せいきだい行進こうしん集英社しゅうえいしゃ,1967/『20世紀せいきリーダーのだい行進こうしん集英社しゅうえいしゃ文庫ぶんこ[5], 1988)
  • (1967) Inside South America土屋つちやあきら町野まちのたけし やくみなみアメリカの内幕うちまく I・II』みすず書房しょぼう,1969-70)
  • (1969) Twelve Cities内山うちやまさとし やく都市とし内幕うちまく』タイムライフインターナショナル, 1969)
  • (1972) John Gunther's Inside Australia and New Zealand (with W. H. Forbis) ISBN 0-241-02180-4

小説しょうせつ[編集へんしゅう]

  • (1926) The Red Pavilion
  • (1927) Peter Lancelot: An Amusement
  • (1926) Eden for One: An Amusement
  • (1929) The Golden Fleece
  • (1932) Bright Nemesis
  • (1945) The Troubled Midnight
  • (1964) The Lost City
  • (1970) The Indian Sign (published in the UK as Quatrain)

参照さんしょう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  1. ^ John Gunther: Abbreviated profile from World Authors 1900-1950. 2007ねん7がつ4にち取得しゅとく.
  2. ^ IBDB: The official source for Broadway Information
  3. ^ Tim Brooks and Earle Marsh, The Complete Directory to Prime Time Network and Cable TV Shows, 1946 to the Present, eighth edition, copyright 2003, Ballantine Books, p. 616.
  4. ^ 本多ほんだ勝一かついち『ルポルタージュの方法ほうほう』、朝日あさひ文庫ぶんこ、1983ねん
  5. ^ しょうばんで、文庫ぶんこ解説かいせつ猪瀬いのせ直樹なおき