センサ検査けんさよう延長えんちょうブーム

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格納庫かくのうこのOBSS。シャトルのSRMSにけられるまえ状態じょうたい
STS-114でSRMSにけられたOBSS。
カナダアーム2にけられたOBSSのイメージ。

センサ検査けんさよう延長えんちょうブーム(センサつきけんさようえんちょうブーム、Orbiter Boom Sensor System : OBSS)とは、スペースシャトルロボットアーム (SRMS) の先端せんたんけられる検査けんさよう延長えんちょうブームである。ながさは15m(50フィート)で、一端いったんには検査けんさ機器きき格納かくのうした筐体きょうたいけられている。

離陸りりくねつ防護ぼうごシステム (TPS) が損傷そんしょうしたために結果けっかてきにシャトルが破壊はかいされたコロンビアごう事故じこ教訓きょうくんに、TPS の損傷そんしょう検査けんさすることを目的もくてき開発かいはつされディスカバリーごうによる「飛行ひこう再開さいかい」ミッションである STS-114 から導入どうにゅうされた。OBSS で重大じゅうだい損傷そんしょうつかった場合ばあいには、搭乗とうじょういんふねがい活動かつどう修復しゅうふくこころみるか、損傷そんしょう修復しゅうふく不可能ふかのうなら国際こくさい宇宙うちゅうステーションにドッキングし、救出きゅうしゅつミッションが実施じっしされるまでつことになる。

OBSS の先端せんたんには、テレビカメラと、2つのレーザセンサ(LDRILCS)がけられている。分解能ぶんかいのうすうmmで、毎秒まいびょうやく2.5インチ(6.3cm)の速度そくどでスキャンが可能かのうである。その、デジタルカメラも追加ついかされた。

軌道きどう投入とうにゅうに OBSS でかなら検査けんさすることになっているのは、主翼しゅよくぜんえん、ノーズキャップ(機首きしゅ先端せんたん)、乗員じょういんしつである。上昇じょうしょうちゅう撮影さつえいされた映像えいぞうランデブー・ピッチ・マニューバときにISSから撮影さつえいされた画像がぞうにより、懸念けねんされる損傷そんしょううたがわれる場合ばあいには、さらに詳細しょうさいなOBSS検査けんさおこなわれる。

開発かいはつにはロボットアーム操作そうさ第一人者だいいちにんしゃであるJAXA宇宙うちゅう飛行ひこう若田わかた光一こういちかかわっており、2009ねん3がつSTS-119ではみずか操作そうさおこなった。

シャトル引退いんたい[編集へんしゅう]

2011ねんにスペースシャトルが引退いんたいしたため、OBSSはSTS-134国際こくさい宇宙うちゅうステーション(ISS)に設置せっちした(過去かこに、STS-123からSTS-124までのあいだ、ISSじょうのこされて保管ほかんした実績じっせきもある)。これはISSにあるカナダアーム2だけでは、太陽たいようパネルのすみなどとどかない範囲はんいがあるためで、カナダアーム2の先端せんたんにOBSSをして使用しようすることで、到達とうたつ距離きょりばせる。STS-120では亀裂きれつはいった太陽たいようパネルを修理しゅうりするため実際じっさい利用りようされた。