ソーマ・プラバー

ソーマ・プラバー（Somaprabha）は、インド神話しんわにおけるアスラ族ぞくの娘むすめ。

父ちちはアスラ族ぞくの偉大いだいな建築けんちく家かマヤースラ、長女ちょうじょはスヴァヤム・プラバーでマヤースラの次女じじょになる。長女ちょうじょスヴァヤム・プラバーは処女しょじょで未婚みこんのまま父ちちのもとにおり、ソーマ・プラバー自身じしんは夜叉やしゃ族ぞくの王おうクベーラの子こナラクーバラに嫁とついだ。

人間にんげんの王女おうじょカリンガゼーナと親友しんゆうである。カリンガゼーナは魔法まほうで動うごく人形にんぎょうに感動かんどうして一いち日にち中ちゅう何なにも食たべないほどであった。カリンガゼーナは両親りょうしんにソーマ・プラバーを見みせた。ソーマ・プラバーあまりにの美うつくしさに両親りょうしんは「好すきなように楽たのしんできなさい」と言いったという。その後ごヴィンディア山中さんちゅうにある父ちちマヤースラの宮殿きゅうでんに到着とうちゃくし不死ふしになれる実みをカリンガゼーナに与あたえた。その後ごカリンガゼーナの王宮おうきゅうに戻もどった。2人ふたりはその後ごしばらく過すごしたがソーマ・プラバーはカリンガゼーナに「あなたが結婚けっこんしたら友達ともだちの夫おっとは決けっして見みてはならない」と言いう。

アスラの都城みやこのじょう

岩本いわもと裕ひろしは、アスラの都城みやこのじょうの遊園ゆうえんの様子ようすを

其処には、黄金おうごんの蓮華れんげの咲さきそろった池いけがあり、甘露かんろのように甘あまい果実かじつのなった樹木じゅもくがあり、黄金おうごん色しょくや種々しゅじゅの色いろの翅の鳥とりが飛とびかっていました。また、美うつくしい宝玉ほうぎょくの柱はしらが立たちならんで、壁かべのないところでは壁かべの感かんじを与あたえ、壁かべのあるところでは壁かべのない感かんじがしました。また、水みずのあるところは乾かわいた土地とちのような感かんじがし、乾かわいた土地とちでは水みずの感かんじがしました。アスラのマヤが造営ぞうえいしましたこの遊園ゆうえんは、別世界べっせかいのように思おもわれました。嘗かつてシーター姫ひめを探さがしに猿さる群ぐんがこの遊園ゆうえんに這入はいいりこみ、スヴァヤム・プラバーの恩寵おんちょうによって、長ながい年月としつき滞在たいざいした後のちにここから出でてゆくことを許ゆるされました — 岩本いわもと裕ひろし訳やく、　「カター・サリット・サーガラ　－インド古典こてん説話せつわ集しゅう　第だい３」岩波書店いわなみしょてん（岩波いわなみ文庫ぶんこ）、1958年ねん、ｐｐ109-110

と訳やくしている。

参考さんこう文献ぶんけん

• 岩本いわもと裕ひろし訳やく『カター・サリット・サーガラ　－インド古典こてん説話せつわ集しゅう　第だい３』岩波書店いわなみしょてん（岩波いわなみ文庫ぶんこ）、1958年ねん。

関連かんれん項目こうもく

• ナラクーバラ - 夫おっと
• マヤースラ - 父ちち