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ストローブ＝ユイレ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
（ダニエル・ユイレから転送てんそう）

ストローブ＝ユイレ（Straub-Huillet、もしくはStraub/Huillet）は、フランス国籍こくせきの映画えいが監督かんとく。

ジャン＝マリー・ストローブ（Jean-Marie Straub、1933年ねん1月がつ8日にち メス - 2022年ねん11月20日にち ロール）と、ダニエル・ユイレ（Danièle Huillet、1936年ねん5月1日にち パリ - 2006年ねん10月9日にち ショレ）の二人ふたりが完全かんぜんな共同きょうどう作業さぎょうで映画えいがを制作せいさくし、通常つうじょうは連名れんめい標記ひょうきされる。

なお、私生活しせいかつにおいて両りょう名なは夫婦ふうふ関係かんけいにあった。

経歴けいれき[編集へんしゅう]

ドイツとの国境こっきょう沿ぞいにありフランス領りょうとドイツ領りょうを行いき来きをした経緯けいいを持もつメス(Metz) で生うまれ育そだち、幼年ようねん時じにドイツ語ご教育きょういくを強制きょうせいされた経験けいけんを持もつストローブは高等こうとう映画えいが学院がくいん（IDHEC）進学しんがくのためにパリに上京じょうきょうし、当時とうじソルボンヌ大学そるぼんぬだいがく生なまだったユイレと知しり合あう。同時どうじにシネマテーク・フランセーズで知しり合あった、ゴダールやロメール、リヴェットら後ごのヌーヴェルヴァーグの面々めんめんと親交しんこうを深ふかめる。1956年ねん、ストローブはリヴェットの35ミリ撮影さつえいの短編たんぺん『王手おうて飛車ひしゃ取とり』の助監督じょかんとくにつく[1]。

1958年ねん、ストローブはアルジェリア戦争せんそうへの荷担かたんを拒否きょひするために徴兵ちょうへいを忌避きひし、ユイレ共ども々ドイツに亡命ぼうめいする。軍事ぐんじ法廷ほうていで有罪ゆうざいとなり、この後のち11年間ねんかんフランスに帰国きこくすることができなかった。

ドイツで長年ながねん構想こうそうを温あたためていた『アンナ・マグダレーナ・バッハの日記にっき』（DVDリリース題だい『アンナ・マクダレーナ・バッハの年代ねんだい記き』）制作せいさくのための資金しきんを貯ためながら短編たんぺん・中編ちゅうへん映画えいがを作成さくせいし、二に本ほん目めの『妥協だきょうせざる人々ひとびと』（1965年ねん）でニュー・ジャーマン・シネマの旗手きしゅともて囃はやされる。1968年ねんに念願ねんがんの『アンナ・マグダレーナ・バッハの日記にっき』を制作せいさく・発表はっぴょうして世界せかい各地かくちで絶賛ぜっさんされ、その名なを世界せかい的てきなものとした。

ジャン＝マリー・ストローブはミュンヘンの小しょう劇場げきじょう「アクション・テアーター（Aktion-Theater）」と繋つながりがあり[2]、同どう劇場げきじょう出身しゅっしんのライナー・ヴェルナー・ファスビンダーが率ひきいたグループ「アンチテアター（ドイツ語ご版ばん）」のメンバーらと協きょう働はたらかして舞台ぶたい演出えんしゅつに携たずさわったことがある[3][2]。この公演こうえんの映像えいぞうは映画えいが『花婿はなむこ、女優じょゆう、そしてヒモ』（1968年ねん）に活用かつようされている[4][3][2]。また、ストローブはファスビンダー監督かんとくの最初さいしょの長編ちょうへん映画えいが『愛あいは死しより冷酷れいこく』（1969年ねん）にも野外やがい撮影さつえいの協力きょうりょく者しゃとして参加さんかしている[3]。

ドイツ在住ざいじゅうの後のち、イタリアに移住いじゅう。

監督かんとく作品さくひん[編集へんしゅう]

関連かんれん文献ぶんけん [編集へんしゅう]

  • アテネ・フランセ文化ぶんかセンター・神戸こうべファッション美術館びじゅつかん監修かんしゅう、細川ほそかわ晋すすむ編へん　『ストローブ=ユイレの映画えいが』　フィルムアート社しゃ、　1997年ねん   
  • 『カイエ・デュ・シネマ・ジャポン　映像えいぞうの二に一いち世紀せいきⅣ　ゴダールとストローブ=ユイレによる映画えいが』　勁草書房しょぼう、　1997年ねん
  • 渋谷しぶや哲也てつや 編へん『ストローブ＝ユイレ　シネマの絶対ぜったいに向むけて』森もり話はなし社しゃ、2018年ねん1月がつ。ISBN 978-4-86405-125-5。 

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ このことの歴史れきし的てき意義いぎについては、AJYMフィルムの項こう参照さんしょう。
  2. ^ a b c ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー「ハナ・シグラ──スターにあらず、われわれ皆みなと同おなじ人間にんげん（興味きょうみをそそるある女性じょせいについてのまとまりのない考かんがえ）」 (pp. 141-142, 144)、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー『映画えいがは頭あたまを解放かいほうする』勁草書房しょぼう（明石あかし政紀まさのり 訳わけ）、1998年ねん、pp. 122-145。
  3. ^ a b c “愛あいは死しより冷酷れいこく”. 武蔵野美術大学むさしのびじゅつだいがく 美術館びじゅつかん・図書館としょかん イメージライブラリー所蔵しょぞう 映像えいぞう作品さくひんデータベース. 武蔵野美術大学むさしのびじゅつだいがく. 2023年ねん2月がつ20日はつか閲覧えつらん。
  4. ^ 持田もちだ 睦あつし (2020年ねん6月がつ4日にち). “フェルディナント・ブルックナーの戯曲ぎきょく『青春せいしゅんの病やまい』（ストローブによる縮小しゅくしょう編集へんしゅう版ばん）の日本語にほんご訳やく（旧きゅうブログより）”. ユイレとストローブの映画えいがを見みる前まえに／見みた後のちに. 2020年ねん1月がつ4日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2023年ねん2月がつ21日にち閲覧えつらん。

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

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