チェディペ

チェディペ（Chedipe、文字通もじどおり「売春ばいしゅん婦ふ」）は、インドのゴーダーヴァリ川がわ周辺しゅうへんの地域ちいきの民間みんかん伝承でんしょうに登場とうじょうする女性じょせいの吸血鬼きゅうけつき。それは、ヒンドゥー教きょうの神殿しんでんの神かみに捧ささげられ、しばしば神殿しんでんの売春ばいしゅん婦ふとして従事じゅうじしたデーヴァダーシーと関係かんけいがある。出産しゅっさんや自殺じさつなどの非情ひじょうな死しを遂とげた女性じょせいや売春ばいしゅん婦ふは、チェディペになる可能かのう性せいがある。チェディペは時々ときどきアンデッドとして特徴付とくちょうづけられる。

チェディペは、月明つきあかりに照てらされた夜よるに虎とらに乗のっている下品げひんな女性じょせいとして説明せつめいされている。典型てんけい的てきなチェディペの話はなしは、彼女かのじょが家いえを選えらび、魔法まほうのように家いえの施錠せじょうされたドアを強制きょうせい的てきに開ひらいて、裸はだかになってそこに入はいる所ところから始はじまる。彼女かのじょは家いえの住人じゅうにんに魔法まほうをかけ、彼かれらを深ふかい眠ねむりにつける。彼女かのじょはそれから爪先つまさきを通とおして家いえの全すべての男性だんせいから血ちを吸すう。 いくつかの伝説でんせつでは、彼女かのじょは家いえで最もっとも強つよい男おとこだけを楽たのしむという。他たの伝説でんせつでは、チェディペは嫌きらいな男性だんせいだけを標的ひょうてきにしていると示唆しさされている。朝あさ、チェディペの犠牲ぎせい者しゃは、チェディペの訪問ほうもんの記憶きおくがないまま、睡眠すいみんから目覚めざめる。彼かれは活力かつりょくを奪うばわれ、翌日よくじつ中ちゅうずっと不安定ふあんていになり、少すこしふらつくだろう。彼かれが何なんの対処たいしょもしない場合ばあい、チェディペは戻もどってくる。別べつの物語ものがたりでは、彼女かのじょは犠牲ぎせい者しゃが血液けつえきとエネルギーの喪失そうしつから回復かいふくする前まえに繰くり返かえし戻もどってきて、犠牲ぎせい者しゃをさらに弱体じゃくたい化かさせると説明せつめいされている。犠牲ぎせい者しゃは治療ちりょうを受うけない場合ばあい、干ひからびて死しぬ。

チェディペはまた、多おおくの場合ばあい、眠ねむっている犠牲ぎせい者しゃと性交せいこうを行おこない、犠牲ぎせい者しゃの妻つまの心しんに不貞ふていの疑念ぎねんをもたらす。これは家族かぞくの夫婦ふうふ間あいだの一体いったい感かんを打うち砕くだき、家族かぞくの愛あいと信頼しんらいを終おわらせる。結果けっかとして生しょうじる悲かなしみと痛いたみにチェディペは喜よろこぶ。彼女かのじょはまた、犠牲ぎせい者しゃの舌したを抜ぬいて、即座そくざに殺ころすかもしれない。チェディペはまた、男性だんせいの皮膚ひふに傷きずを負おわせ、そこから火ひのように熱あつい棒ぼうを挿入そうにゅうする可能かのう性せいがある。

時々ときどき、チェディペは服ふくを脱ぬぎ、片足かたあしだけ人間にんげんの脚あしをした虎とらに変かわり、森もりの中なかで男性だんせいを攻撃こうげきする。この形態けいたいはムルルプリ（Murulupuli、魅惑みわく的てきな虎とら）として知しられている。男おとこが武器ぶきで迎むかえ撃うった場合ばあい、彼女かのじょは逃にげる。誰だれかが彼女かのじょを虎とらの形かたちで認識にんしきした場合ばあい、彼女かのじょは自分じぶんの本当ほんとうの形かたちになり、ジャングルの根ねを掘ほっているふりをする。