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デルタさん

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デルタさん
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識別しきべつ情報じょうほう
CAS登録とうろく番号ばんごう 54826-91-4
PubChem 11679790
ChemSpider 9854518
特性とくせい
化学かがくしき C3H2O3
モル質量しつりょう 86.05 g/mol
特記とっきなき場合ばあい、データは常温じょうおん (25 °C)・つねあつ (100 kPa) におけるものである。

デルタさん(Deltic acid)またはジヒドロキシシクロプロペノン(Dihydroxycyclopropenone)は、C3O(OH)2化学かがくしき化合かごうぶつである。シクロプロペンケトンおよアルコールとみることができ、オキソカーボンさん一種いっしゅでもある。室温しつおんでは安定あんてい白色はくしょく固体こたいであり、ジエチルエーテル溶解ようかいし、140℃から180℃で分解ぶんかいときには爆発ばくはつ)する。みずとはゆっくりと反応はんのうする[1]

デルタさん合成ごうせいは、1975ねんにDavid EggerdingとRobert Westによってはじめて記述きじゅつされた[2]

誘導体ゆうどうたい

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デルタさんしお

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デルタさんは、おおくのアルコールとことなり、水中すいちゅう酸性さんせいしめす。これは、ヒドロキシルもとプロトンうしな対称たいしょうせいつデルタさんアニオンC3O32-となるため (pKa1 = 2.57, pKa2 = 6.03) とかんがえられる。

最初さいしょのデルタさんしおリチウムしおカリウムしお)は、1976ねんにやはりEggerdingとWestによって最初さいしょ記述きじゅつされた。デルタさんリチウム(Li2C3O3)は、みず溶の白色はくしょく固体こたいである[1]。(CO)n2-あらわされるほか環状かんじょうジアニオンと同様どうように、デルタさんアニオンは芳香ほうこうぞくせいしめし、これが安定あんていせい寄与きよしている[1]

アナログ

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デルタさんアニオンのアナログは、3つの酸素さんそ原子げんし(=Oまたは-O-)をシアノイミノもと(=N-C≡Nまたは-N=C=N-)でえることでられ、対称たいしょうせいつアニオンC3(NCN)32-生成せいせいする[3]

合成ごうせい

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デルタさんは、ビス(トリメチルシリル)スクアリンさんエステルひかり分解ぶんかいによってはじめてられた。ビス(トリメチルシリル)スクアリンさんエステルは、ひかり分解ぶんかいによって、たまきから1つのカルボニルもと(CO)をうしなってビス(トリメチルシリル)デルタさんエステルになり、さらにブタノール分解ぶんかいされ、デルタさんとなる[2]

デルタさんは、スクアリンさんぎんクロロトリメチルシラン反応はんのうさせることでもられる[1][4]

近年きんねん常温じょうおんつねあつ条件下じょうけんかで、一酸化いっさんか炭素たんそ直接的ちょくせつてき環状かんじょうさんりょうすることでデルタさんアニオンがられた。ペンタン溶解ようかいした一酸化いっさんか炭素たんそは、ウラン錯体さくたい反応はんのうし、2つのウラン原子げんし結合けつごうしたデルタさんアニオンを生成せいせいした[5]

関連かんれん項目こうもく

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出典しゅってん

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  1. ^ a b c d David Eggerding and Robert West (1976), Synthesis and properties of deltic acid (dihydroxycyclopropenone) and the deltate ion. J. American Chemical Society, volume 98, p, 3641-3644. doi:10.1021/ja00428a043.
  2. ^ a b David Eggerding, Robert West (1975), Synthesis of dihydroxycyclopropenone (deltic Acid). J. American Chemical Society, volume 97, issue 1, pp 207-208. doi:10.1021/ja00834a047.
  3. ^ Johannes Beck and Petra Krieger-Beck (2006), Crystal structure of 1,2-bis(cyanoimino)-3-triethylammonio-cyclopropenylide. Analytical Sciences, volume 22, page x239. doi:10.2116/analscix.22.x239.
  4. ^ M. T. Reetz, G. Neumeier, and M. Kaschube (1975), Thermische umlagerung von quadratsaure-bis(trimethylsilyl)ester. Tetrahedron Letters, page 1295. doi:10.1016/S0040-4039(00)72653-0.
  5. ^ Owen T. Summerscales, F. Geoffrey N. Cloke, Peter B. Hitchcock, Jennifer C. Green, Nilay Hazari (2006), Reductive cyclotrimerization of carbon monoxide to the deltate dianion by an organometallic uranium complex. Science, volume 311, issue 5762 (10 February 2006), pp. 829 - 831. doi:10.1126/science.1121784.