ファイルサーバ

ファイルサーバは、LANやWANなどのネットワーク上うえで、ファイルを共有きょうゆうするために設置せっちされるサーバである。

概要がいよう

複数ふくすうのクライアントが同おなじファイルを必要ひつようとする場合ばあい、ファイルを共有きょうゆうしておけばその転送てんそうの手間てまが省はぶけ、また、ファイルを更新こうしんした際さいに起おこりがちな不ふ整合せいごうを防ふせぐことができる。

また、バックアップなどのデータ管理かんりも一括いっかつして行おこなえる。ただし、データ紛失ふんしつのリスクは、複数ふくすうのクライアントによりリスク分散ぶんさんしていた所ところを、一括いっかつして集中しゅうちゅうすることでリスク確かく率りつが上あがってしまう。すなわちリスクが集中しゅうちゅうするため（要ようするに、ファイルサーバ1台だいまたは数すう台だいに障害しょうがいが発生はっせいしただけでシステム全体ぜんたいの障害しょうがいとなる）、ファイルサーバの信頼しんらい性せいは重要じゅうようである。

ファイルサーバにとって最さい重視じゅうしされる使命しめいは、その中なかに保存ほぞんされているファイルがきちんと読よみ書かきできることである。ハードディスクは元来がんらい壊こわれやすい部品ぶひんであり、ファイルサーバにとってハードディスクの故障こしょうは最大さいだいの敵てきである。

リスク管理かんり

ハードディスクを全まったく壊こわれないようにすることは不可能ふかのうなので、以下いかのような対策たいさくを考かんがえる必要ひつようがある。

• HDDを壊こわれにくくする方法ほうほう

HDDの温度おんど・湿度しつどの適切てきせつな管理かんり

• HDDが壊こわれても大丈夫だいじょうぶなようにする方法ほうほう
  • RAID
  • バックアップ

後者こうしゃの方法ほうほうについて、RAIDとは複数ふくすうのハードディスクを組くみ合あわせ冗長じょうちょう度どを高たかめるものである。RAIDには様々さまざまな方式ほうしきがあり、予算よさん・性能せいのう・信頼しんらい性せいなどを勘案かんあんし適切てきせつな方式ほうしきを選えらべばよい。

また、RAIDだけでも完全かんぜんではなく、バックアップも同様どうように重要じゅうようである。ユーザの誤操作ごそうさによるデータ消去しょうきょに対たいしてRAIDはバックアップの代替だいたい対策たいさくにならず、バックアップもRAIDの代替だいたいにはならない。

ファイルサーバ

最近さいきんでは、ファイルサーバ機能きのうに特とく化かした専用せんよう機きもあり、ネットワークアタッチトストレージと呼よばれている。ファイル共有きょうゆうの通信つうしんプロトコルには、NFSまたはCIFSが使つかわれる。

ファイルサーバには、高度こうどな演算えんざん能力のうりょくや描画びょうが能力のうりょくがほとんど求もとめられないので、旧型きゅうがたのパソコンに大だい容量ようりょうのハードディスクを取とり付つけて使つかう方法ほうほうが、1990年代ねんだい中期ちゅうきからしばしば用もちいられている。

LinuxやFreeBSDをインストールし、Sambaと呼よばれるソフトを用もちいることで、Windowsを含ふくむ様々さまざまなOSから利用りよう可能かのうなファイルサーバを構築こうちくすることができ、利用りよう者しゃが増ふえている。

関連かんれん項目こうもく

• ハードディスク
• ファイルシステム
• サーバ
• RAID
• ネットワークアタッチトストレージ (NAS)
• ストレージエリアネットワーク (SAN)
• SCSI (Small Computer System Interface)
• オンラインストレージ - ユーザが自由じゆうに読よみ書かき可能かのうなサーバのディスクスペースをインターネット経由けいゆで利用りようするサービス。