ヘクサムの戦たたかい

ヘクサムの戦たたかい
戦争せんそう：薔薇ばら戦争せんそう
年月日ねんがっぴ：1464年ねん 5月15日にち
場所ばしょ：イングランド、ノーサンバランドのヘクサム 北緯ほくい54度ど58分ふん12秒びょう 西経せいけい2度ど6分ふん0秒びょう
結果けっか：ヨーク派はの勝利しょうり
交戦こうせん勢力せいりょく
ヨーク家か	ランカスター家か
指導しどう者しゃ・指揮しき官かん
モンターギュ男爵だんしゃく	サマセット公こう  ルーシュ男爵だんしゃく  ハンガーフォード男爵だんしゃく
戦力せんりょく
4,000	不明ふめい
損害そんがい
不明ふめい	不明ふめい
薔薇ばら戦争せんそう 第だい一いち次じセント・オールバンズ ブロア・ヒース ラドフォード橋きょう ノーサンプトン ウェイクフィールド モーティマーズ・クロス 第だい二に次じセント・オールバンズ フェリブリッジ タウトン ヘッジレイ・ムーア ヘクサム エッジコート・ムーア ルーズコート・フィールド バーネット テュークスベリー ボズワース ストーク・フィールド

ヘクサムの戦たたかいの場所ばしょ

ヘクサムの戦たたかい（Battle of Hexham）は、1464年ねん5月15日にち、エドワード4世せいの治世ちせいの早はやい時期じきに行おこなわれた薔薇ばら戦争せんそう中なかの戦たたかいで、北きたイングランドにおける主おもなランカスター派はの抵抗ていこうの終焉しゅうえんをもたらした戦たたかいであった。

戦闘せんとうはノーサンバーランドのヘクサム（Hexham）の町まちの近ちかくで行おこなわれた。後のちにモンターギュ侯こうとなるモンターギュ卿きょうジョン・ネヴィルは、3,000から4,000という、軍隊ぐんたいというにはつつましい程ほどの兵へいを指揮しきして、反逆はんぎゃく者しゃランカスター派はを打うち負まかした。サマセット公こうヘンリー・ボーフォートを含ふくむ反乱はんらんの指導しどう者しゃの大だい部分ぶぶんが捕とらえられて、処刑しょけいされた。だがヘンリー6世せいは、今回こんかいはなんとか無事ぶじに逃にげ延のび（彼かれはこれまでの人生じんせいの中なかで、3回かい戦闘せんとう中ちゅうに捕獲ほかくされている）、北きたへ落おち延のびていった。

ランカスター派は内部ないぶの求心力きゅうしんりょくの低下ていかに伴ともない、ただ少数しょうすうの城しろだけが反逆はんぎゃく者しゃの手元てもとに残のこっている、という状態じょうたいであった。残のこるそれらの城しろがその年とし遅おそくに落おちた後のち、ウォリック伯はくが1469年ねんにランカスター派はに鞍替くらがえするまで、エドワード4世せいにはもはや大たいした障害しょうがいはなかった。

戦闘せんとうの背景はいけい

ヘッジレイ・ムーアの戦たたかいの後のち、ランカスター派ははヨーク派はが1463年ねんにスコットランドとの和平わへい交渉こうしょうを完了かんりょうさせるのを妨さまたげ損そこねた。そして間あいだもなく、ヨーク派はとスコットランドとの和平わへいは彼かれらの北きたの作戦さくせん基地きちを脅おびやかすという事ことに気きづいた。そこでランカスター派はは、エドワード4世せいの巨大きょだいな軍ぐんがレスターに集結しゅうけつして反乱はんらん鎮圧ちんあつのために北進ほくしんを開始かいしする前まえに、国内こくないのランカスター派は支援しえんを集あつめるための軍事ぐんじ行動こうどうを開始かいしすることにした。

ランカスター派は軍ぐんはサマセット公こうの指揮しきの下した、1464年ねん4月がつ下旬げじゅんにノーサンバランドを通過つうか移動いどうしつつ、ランカスター派は駐屯ちゅうとん地ちから支援しえんを集あつめ続つづけ、5月がつ初旬しょじゅんにはヘキサム近ちかくに駐屯ちゅうとんした。エドワード4世せいの前衛ぜんえいを預あずかるモンターギュ卿きょう配下はいかのヨーク派は軍ぐんは北きたへと疾走しっそうし、1464年ねん5月がつ14日にち、両りょう軍ぐんはヘキサムの町まちの外そとで衝突しょうとつした。

戦闘せんとうの経過けいか

詳細しょうさいな戦場せんじょうの位置いち、編成へんせいと兵へい数すうと出来事できごと等とうについては不明ふめいであるが、しかしこの戦闘せんとうは比較的ひかくてき無血むけつであったと思おもわれる。

ランカスター派はの陣じんは、ヘクサムのやや南みなみ、デヴィルズ・ウォーター（Devil's Water）に架かかるリネルズ橋きょう（Linnels Bridge）の近ちかくにあった。ヨーク派はは5月12、13日にちの夜よるにタイン川かわ（Tyne）の南みなみの土手どてを越こえて、14日にちの朝あさにはヘクサムを攻撃こうげき可能かのうな位置いちに陣取じんどっていた。恐おそらくヨーク派はの進軍しんぐん速度そくどのあまりの速はやさにランカスター派はの偵察ていさつ部隊ぶたいからの警鐘けいしょうが遅おくれて、ランカスター派はには充分じゅうぶんな戦闘せんとう準備じゅんびの時間じかんはなかった。

サマセット公こうは彼かれの軍隊ぐんたいをリネルズ橋きょうの近ちかくまで急いそいで移動いどうさせ、横並よこならびの3軍ぐんに分わかれるよう再さい編成へんせいした。彼かれとしては、ヨーク派はがヘクサムに入はいる前まえに、何なにとかして街まちの外そとでの戦闘せんとうに持もち込こみたかった。ランカスター派はより早はやく布陣ふじんの完了かんりょうしていたヨーク派はは、ランカスター派はよりもやや優位ゆういな高たかい丘おかに陣取じんどっていて、そこからランカスター派はの陣じんに突撃とつげきした。ヨーク派はの前進ぜんしんを見みるや否いなや、ルーシュ卿きょうによって指揮しきされたランカスター派はの中央ちゅうおう部隊ぶたいは向むきを変かえて、衝突しょうとつもしないうちに橋はしを渡わたってヘクサムの中なかに逃にげ込こんでしまった。ランカスター派はの士気しきは崩壊ほうかいし、若干じゃっかんの残存ざんそん兵へいも名なばかりの抵抗ていこうの後のちに川かわに追おい落おとされた。この日ひの死傷ししょう者しゃの大半たいはんは、この川かわで溺死できししたか、川かわから上あがってヘクサムの街まちに向むかって土手どてを登のぼる最中さいちゅうに殺ころされた。しかし大だい部分ぶぶんは、ただ進軍しんぐんするだけのヨーク派はに捕獲ほかくされ、捕虜ほりょにされた。

戦闘せんとうの余波よは

この戦たたかいの終おわった夜よる、モンターギュ卿きょうは30人にんのランカスター派はをヘクサムで処刑しょけいした。その中なかにはサマセット公こうやルース卿きょうも含ふくまれていた。ウィリアム・テイルボーイズ卿きょう（Sir William Tailboys）は、ヘンリーの軍資金ぐんしきんの2000ポンドとともに、すぐに捕とらえられた。イングランド北部ほくぶでのランカスター派はの抵抗ていこうは、その指導しどう者しゃを失うしなった事ことで崩壊ほうかいし、そしてヘンリー6世せいがランカシャーのクリスロー（Clitheroe）で捕とらえられたとき、反乱はんらんは実質じっしつ的てきにその幕まくを閉とじた。

比較的ひかくてき平和へいわな期間きかんはこの後のち、1469年ねんにウォリック伯はくがランカスター派は支持しじに乗のり換かえるまで続つづくことになる。