マイケル・エドワーズ

マイケル・エドワーズ（2017年ねん3月がつ）

マイケル・エドワーズ（Michael Edwards、1963年ねん12月5日にち - ）は、イギリス史上しじょう初はつのスキージャンプオリンピック代表だいひょう選手せんしゅで、「エディー・ジ・イーグル（Eddie The Eagle）」のニックネームがよく知しられている。

スキージャンプのイギリス記録きろく保持ほじ者しゃであるだけではなく、スピードスキーで世界せかい歴代れきだい9位いの記録きろく（時速じそく106.8マイル=171.8キロメートル）を持もち、スタントジャンプでの世界せかい記録きろく（自動車じどうしゃ10台だい/バス6台だい）保持ほじ者しゃでもある。

来歴らいれき

イングランドのチェルトナム生うまれで、1988年ねんカルガリーオリンピックにイギリス唯一ゆいいつの代表だいひょうとして選出せんしゅつされたときは左官さかん職人しょくにんであった。1987年ねんのノルディックスキー世界せかい選手権せんしゅけんにもすでにイギリス代表だいひょうとして出場しゅつじょう、55位いにランクされた。

エドワーズはアメリカ、ニューヨーク州しゅうのレークプラシッドでチャック・ベルホーンの指導しどうのもとジャンプを始はじめた。体重たいじゅうがハンディキャップであり、82kgという体重たいじゅうは2番目ばんめに重おもたいジャンパーより9kgも重おもかった。またトレーニングの資金しきんにも事欠ことかいていた。もう一ひとつの問題もんだいは、彼かれは極度きょくどの遠視えんしであり、スキーをするときにレンズが汗あせで曇くもっても常つねに眼鏡めがねをかけなければならないことだった。「他人たにんは、私わたしは高所こうしょが怖こわいのだと言いいましたが、1日にちに60本ほんもジャンプをこなすと、そう言いうひとはほとんどいなくなりました」（英えいザ・ガーディアン紙かみ、2007年ねん9月3日にち）

しかし、成功せいこうしないことで彼かれは世界中せかいじゅうの人々ひとびとに愛あいされることになった。失敗しっぱいするほどますます人気にんき者しゃになった。その後ごメディアで有名人ゆうめいじんになり、世界中せかいじゅうのトークショーに出演しゅつえんした。メディアは彼かれをMr. Magoo（重要じゅうよう人物じんぶつ氏し）とあだ名なし、あるイタリア人じんジャーナリストはSki jumper ならぬSki dropper（スキーを履はいて落おちるヤツ）と呼よんだ。

エドワーズがカルガリーで大おおきく注目ちゅうもくされたことは、ジャンプ界かいの体制たいせい派はにとって重要じゅうような困惑こんわくの種たねに変かわり、多おおくのアスリートと当局とうきょくは彼かれがスポーツを『あざけっている』ように感かんじとった。オリンピックが終おわった直後ちょくごに、参加さんか条件じょうけんが非常ひじょうに厳きびしいものになり、彼かれのような選手せんしゅが後のちに続つづくのはほとんど不可能ふかのうになった。

閉会へいかい式しきで、オリンピック大会たいかい長ちょうは、オリンピックに貢献こうけんした彼かれを特別とくべつに取とり上あげた。「本ほん大会たいかいでは、ある競技きょうぎ者しゃは金きんメダルを獲得かくとくし、ある者ものは記録きろくを更新こうしんし、ある者ものはワシのように飛とびました。」その瞬間しゅんかんに、スタジアムを埋うめた100,000人にんの観衆かんしゅうは一斉いっせいに『エディー！エディー！』と声こえを上あげた。特定とくていの選手せんしゅが閉会へいかいのスピーチにおいて言及げんきゅうされたことは、オリンピック史上しじょう初はじめてのことだった。

なお、その後ごもエドワーズはジャンプを続つづけV字じジャンプもマスターし、2006年ねん現在げんざいも続つづけているという。

イギリス1

エドワーズはオリンピックにエントリーした時点じてんでイギリス最高さいこうのスキージャンプ選手せんしゅ「だった」。彼かれは1988年ねんカルガリーでのジャンプで73.5mのイギリス国内こくない記録きろくを樹立じゅりつした。

創造そうぞう的てきな才能さいのう

エドワーズは、その後ごOn the Piste （Pisteの上うえで）という本ほんとビデオを発売はつばいした。 そして、ずっと後あとで（2008年ねん9月がつ)、「Fly Eddie Fly」と呼よばれる曲きょくが英国えいこくでTop 50に入はいった。 彼かれはフィンランド語ごを話はなせなかったが、「Fly Eddie Fly」のフィンランド語ごバージョン（「"Mun nimeni on Eetu"」（「私わたしの名前なまえは、Eetu」です）というタイトルの）をレコーディングした。 エディーの拙つたない発音はつおんは、かえって人々ひとびとに大おおいにアピールした。後あとで、彼かれはもう1曲きょく「Eddien Siivell」というフィンランド語ごの歌うたをレコーディングした。これらの歌うたの両方りょうほうとも、フィンランドの人気にんきアーティストアーウィングッドマンによって作詞さくし作曲さっきょくされた。

商業しょうぎょう的てきな成功せいこう

エドワーズはいくつかの広告こうこくに出演しゅつえんした。例たとえば車くるまのテレビコマーシャルである。彼かれは、1時じ間あいだで10,000ポンドの出演しゅつえん料りょうを得えることができた。 それでも、彼かれは1992年ねんに破産はさん宣告せんこくを受うけた。そして、彼かれの所得しょとくのための信託しんたく財産ざいさんがきちんと準備じゅんびされなかったと主張しゅちょうする。その後ごレスターのデモンフォール大学だいがくで法律ほうりつの学位がくいを取得しゅとく。「私わたしは、10年ねん前まえ自分じぶんの受託じゅたく者しゃに対たいして民事みんじ訴訟そしょうを起おこしてから、法律ほうりつに興味きょうみがありました」と、2001年ねんのインタビューにおいて述のべている。

2006年ねん12月に、チャンネルファイブのThe Gadget Showに新あたらしいスキー道具どうぐを紹介しょうかいするプレゼンターのうちの1人ひとりとして出演しゅつえんした。

1990年ねん、エドワーズ現象げんしょうに応おうじて国際こくさいオリンピック委員いいん会かい（IOC）は、後のちにエディ・ジ・イーグルルールとして知しられるようになるルールを定さだめた。（オリンピックに出場しゅつじょうを希望きぼうするものは国際こくさい大会たいかいにおいて上位じょうい50人にんもしくは上位じょうい30パーセント以内いないに入はいっていることが必要ひつようというもの）

これによりエドワーズは1992年ねんアルベールビルオリンピック、1994年ねんリレハンメルオリンピックとも出場しゅつじょう資格しかくを得えられなかった。 1998年ねん長野ながのオリンピック出場しゅつじょうを目指めざす彼かれはイーグルエアラインというイギリスの小ちいさな航空こうくう輸送ゆそう会社かいしゃから5年間ねんかんの資金しきん援助えんじょを得えることが出来できた。しかしながらまたしても予選よせんを通とおることが出来できず2度目どめのオリンピック出場しゅつじょうはかなわなかった。

伝記でんき映画えいが

エドワーズの半生はんせいを綴つづる映画えいが『イーグル・ジャンプ』は、デクスター・フレッチャー監督かんとく、タロン・エジャトン主演しゅえんで2016年ねん2月がつ26日にちに全米ぜんべい公開こうかいとなった。

再ふたたびカルガリーへ

2008年ねん2月がつ13日にち、エドワーズはカルガリーオリンピック開催かいさいから20周年しゅうねんを記念きねんする祭典さいてんに参加さんかするために同地どうちを再ふたたび訪おとずれた。彼かれの訪問ほうもんの間あいだ、彼かれはジャマイカのボブスレーチーム（映画えいが「クール・ランニング」の題材だいざいとなったチームである）と共ともにカナダオリンピックパークのzip-line rideに搭乗とうじょうした（これは、スキージャンプ選手せんしゅの速度そくどを体験たいけんできる乗のり物ものである）。

関連かんれん項目こうもく

• エスペン・ブレーデセン - 1994年ねんリレハンメル五輪ごりんノーマルヒルで金きんメダルを獲得かくとくした名めい選手せんしゅであるが、五輪ごりん初はつ参加さんかの1992年ねんアルベールビル大会たいかいでは不調ふちょうのため惨憺さんたんたる結果けっかに終おわり、1988年ねんカルガリー大会たいかいのエドワーズを想起そうきさせるとして「Espen the Eagle」と呼よばれた。
• エリック・ムサンバニ - 2000年ねんシドニーオリンピックの競泳きょうえい競技きょうぎで「溺おぼれかけ」ながら泳およぎきって話題わだいを振ふりまいた選手せんしゅ。
• フィリップ・ボイト - ケニアのクロスカントリースキー選手せんしゅ。
• エリザベス・スウェイニー - アメリカ出身しゅっしんのフリースタイルスキー選手せんしゅ。スキーハーフパイプ女子じょしのハンガリー代表だいひょう選手せんしゅとして2018年ねん平たいら昌あきらオリンピックに出場しゅつじょうし、エアの技わざを出だすことなく競技きょうぎを終おえた。

外部がいぶリンク

• BBC Gloucestershire interview with Eddie "The Eagle" Edwards (Feb. 2008)
• Video Interview with Eddie Edwards (CBC Television; Broadcast Feb. 24, 1988)
• Eddie "the Eagle" Edwards: Anecdotes
• Interview