マックス・デーン

マックス・ヴィルヘルム・デーン（Max Wilhelm Dehn, 1878年ねん11月13日にち - 1952年ねん6月27日にち）はドイツの数学すうがく者しゃ。ダフィット・ヒルベルトの弟子でしであり、晩年ばんねんはアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくに移うつった。 幾何きか学がく、トポロジー及および幾何きか学がく的てき群論ぐんろんにおける業績ぎょうせきで有名ゆうめい。弟子でしにO-H. ケラー、R. ムーファンク、ヴィルヘルム・マグヌス、ドロテア・ロックバーン等ひとしがいる。

生涯しょうがい

ハンブルク生うまれ。

1899年ねんにゲッティンゲン大学だいがくでヒルベルトと共ともに幾何きか学がくの基礎きそを研究けんきゅうし、多角たかく形がたに対たいするジョルダン曲線きょくせん定理ていりを証明しょうめいした。 1900年ねんに公理こうり的てき幾何きか学がくにおけるルジャンドルの角度かくど定理ていり（Legendre angle sum theorem）の役割やくわりに関かんする学位がくい論文ろんぶんを書かく。 1900年ねんから1911年ねんまでミュンスタみゅんすたー大学だいがくにつとめ、その間あいだに提出ていしゅつした博士はかせ論文ろんぶんにおいて、後のちにデーン不ふ変量へんりょうと呼よばれる不ふ変量へんりょうを導入どうにゅうし、ヒルベルトの第だい三さん問題もんだいを解決かいけつした。

後のちにトポロジーと組くみ合あわせ群ぐん論ろんに研究けんきゅうの方向ほうこうを転てんじ、1907年ねんにポウル・ヘーガードと共同きょうどうで組くみ合あわせ位相いそう幾何きか学がく（当時とうじ「位置いち解析かいせき（Analysis Situs）」と呼よばれていた）の基礎きそ付づけに関かんする最初さいしょの書物しょもつを執筆しっぴつした。 又またこの年としにはホモロジー球面きゅうめんの新あたらしい構成こうせい法ほうも与あたえている。 その翌年よくねんにはポアンカレ予想よそうを証明しょうめいしたと発表はっぴょうしたが、ハインリヒ・ティーツェにより誤あやまりが見みつけられた。 1910年ねんに三さん次元じげんトポロジーに関かんする論文ろんぶんにおいてデーン手術しゅじゅつを導入どうにゅうし、それを用もちいて幾いくつものホモロジー球面きゅうめんを構成こうせいした。 又また有名ゆうめいなデーンの補題ほだいを述のべたが、1929年ねんにヘルムート・クネーザーにより証明しょうめい中ちゅうに誤あやまりの有あることが発見はっけんされた。この補題ほだいは後のちにクリストス・パパキリアコプロス及および本間ほんま龍雄たつおによりそれぞれ独自どくじに証明しょうめいされた。 群ぐんの語かたりの問題もんだいは、デーンの問題もんだいとも呼よばれるが、彼かれが1911年ねんに提議ていぎしたものである。

1912年ねんに所謂いわゆるデーンのアルゴリズムを創つくり、群論ぐんろんにおける語かたり及および共役きょうやく類るいの問題もんだいに応用おうようした。 幾何きか学がく的てき群論ぐんろんにおけるデーン関数かんすうは有限ゆうげん表示ひょうじされた群ぐんの関係かんけい子このareaを関係かんけい子この長ながさによって評価ひょうかするものであるが、これも彼かれに因ちなむ。 1914年ねんに右手みぎて系けいと左手ひだりて系けいの三さん葉よう結むすび目めが異ことなることを証明しょうめいした。 1920年代ねんだい初期しょきにデーン＝ニールセンの定理ていりとして知しられるようになったある結果けっかを紹介しょうかいした。証明しょうめいはヤコブ・ニールセンにより1927年ねんに公おおやけにされた。

1922年ねんにフランクフルト大学だいがくのルートヴィヒ・ビーベルバッハの跡あとを継つぎ、1935年ねんに退職たいしょくさせられるまで同職どうしょくに在あった。1939年ねんの一いち月がつまでドイツにいたが、その後ごデンマークのコペンハーゲンに亡命ぼうめいし、ノルウェーのトロンハイムにノルウェー工科こうか自然しぜん科学かがく大学だいがく(NTNU)において職しょくを得えた。 1940年ねんにシベリア及および日本にっぽんを経由けいゆしてアメリカに逃のがれた。（大西洋たいせいよう横断おうだんを非常ひじょうに危険きけんと看做みなされていた為ため。）

アメリカにおいては、ソーンダース・マックレーンの手引てびきによりIdaho Southern University (現げんアイダホ州立しゅうりつ大学だいがく)に職しょくを得え、1942年ねんにイリノイ工科こうか大学だいがく、1943年ねんにメリーランド州しゅうアナポリスのセント・ジョンズ・カレッジ、最終さいしゅう的てきに1945年ねんにブラック・マウンテン・カレッジに落おち着ついた。（彼かれはここで唯一ゆいいつの数学すうがく者しゃであった。） デーン夫妻ふさいはよくバックミンスター・フラー夫妻ふさいと共ともに長ながい朝食ちょうしょくを取とるのが常つねであった。

1952年ねん、ノースカロライナ州しゅうブラックマウンテンに於おいて死去しきょ。

参考さんこう文献ぶんけん

• Max Dehn, Papers on group theory and topology. Translated from the German and with introductions and an appendix by John Stillwell. With an appendix by Otto Schreier. Springer-Verlag, New York, 1987. viii+396 pp. ISBN 0-387-96416-9

外部がいぶリンク

• マックス・デーン - Mathematics Genealogy Project
• O'Connor, John J.; Robertson, Edmund F., “マックス・デーン”, MacTutor History of Mathematics archive, University of St Andrews, https://mathshistory.st-andrews.ac.uk/Biographies/Dehn/ .
• Dehn's archive – at the University of Texas at Austin
• "Max Dehn, Kurt Godel, and the Trans-Siberian Escape Route", and article by John W. Dawson in the Notices of the AMS.