マッテオ・バンデッロ

マッテオ・バンデッロの肖像しょうぞう画が

マッテオ・バンデッロ（Matteo Bandello,1480年ねん－1562年ねん）は、イタリアの修道しゅうどう士し、作家さっか。

生涯しょうがい

カステルヌオーヴォ・スクリーヴィア（ピエモンテ州しゅう）に生うまれる。僧侶そうりょになるための教育きょういくを受うけ、マントヴァとカステル・ゴッフレードに長ながく住すむ。パヴィア大学だいがくに学まなんだ後のち、ドメニコ会かいの修道しゅうどう士しとなる。ミラノのスフォルツァ家か、マントヴァのゴンザーガ家か、ついでヴェローナのチェーザレ・フレゴーソに文人ぶんじんとして仕つかえる。その間あいだ、外交がいこう使節しせつとしてナヴァラ女王じょおうマルグリットとも交渉こうしょうをもつ。1541年ねん、フレゴーソの政権せいけんが転覆てんぷくするとフランスへおもむきフランソワ1世せいの庇護ひごに頼たよる。1550年ねんに南みなみフランス・アジャンの司教しきょうとなり、その地ちで客死かくしする。

Novelle

1554年ねんに出版しゅっぱんされた214篇へんの物語ものがたり集しゅう『Novelle』が、バンデッロの主おもな文学ぶんがく作品さくひんである。ボッカチオ以来いらいの伝統でんとうであった大おおきな物語ものがたりの中なかに短篇たんぺんを挿入そうにゅうしていく形式けいしきをやめ、短篇たんぺんを独立どくりつさせた。物語ものがたりの素材そざいはいろいろな場所ばしょからとられているが、16世紀せいき初頭しょとうの有名ゆうめいな王侯おうこう貴紳きしんの逸話いつわに取材しゅざいされる場合ばあいが多おおく、年代ねんだい記きのような趣おもむきを与あたえている。シェイクスピアの劇げき『空騒からさわぎ』『ロミオとジュリエット』はこの物語ものがたり集しゅうから素材そざいがとられている。

19世紀せいきイタリアの批評ひひょう家かであるデ・サンクティスは、バンデッロの「話はなし自体じたいにはコミカルなのに語かたり口くちは表面ひょうめん的てきで面白味おもしろみに欠かける」とし、同どう時代じだいのトスカナの作家さっかが方言ほうげんのもつ優美ゆうびさを採とりいれたのに及およばないと考かんがえる。

参考さんこう文献ぶんけん

• Leandro Alberti, De Viris illustribus Ordinis Praedicatorum libri sex in unum congesti, I, Bononiae, Lapi, 1517
• Giammaria Mazzucchelli, Gli scrittori d'Italia, II, Brescia, Bossini, 1753
• Gian Francesco Galeani Napione, Piemontesi illustri, V, Torino, Briolo, 1787
• Girolamo Tiraboschi, Storia della letteratura italiana, VII, Venezia, s.i.t., 1796
• Ernesto Masi, Matteo Bandello o vita italiana di un novelliere del Cinquecento, Bologna, Zanichelli, 1900
• Elisabetta Menetti, Enormi e disoneste: le novelle di Matteo Bandello, Roma, Carocci, 2005
• Elisabetta Menetti, Novelle, Milano, BUR Rizzoli, 2011
• Piero Gualtierotti, Matteo Bandello alla corte di Luigi Gonzaga, Mantova, 1978.
• Clifford M. Brown;Paola Tosetti Grandi (a cura di), I Gonzaga di Bozzolo, Mantova, 2011. ISBN 978-88-95490-11-3.
• S. Carapezza, Novelle e novellieri. Forme della narrazione breve nel Cinquecento, Milano, Edizioni Universitarie di Lettere Economia Diritto, 2011.