マレンゴ

マレンゴ（Marengo、1793年ねん - 1831）は、ナポレオン・ボナパルトの愛馬あいば。体高たいこう145cmの純血じゅんけつアラブ種しゅの牡馬ぼばで、1799年ねんにエジプトからフランスに連つれて来きたられナポレオンの持もち馬うまとなった。名前なまえはマレンゴの戦たたかいに由来ゆらいする。毛色けいろは芦あし毛げで目立めだつため戦場せんじょう向むきではなかったが、ナポレオンは芦あし毛げを好このむ男おとこだった。

並なみはずれた名馬めいばで足あしが速はやく、戦場せんじょうの喧噪けんそうにも動どうじなかった。伝説でんせつによれば、朝あさの飼かい葉ば前まえの運動うんどうで50マイル (80Km) 、食後しょくごの運動うんどうに5時じ間あいだで80マイル (128Km) を走破そうはしたという。小柄こがらな体からだに8度どの戦傷せんしょうを負おいながらも幾多いくたの戦場せんじょうを駆かけ、1805年ねんのアウステルリッツの戦たたかい、1806年ねんのイェーナの戦たたかい、1809年ねんのヴァグラムの戦たたかい、さらには1815年ねんのワーテルローの戦たたかいでナポレオンを乗のせた。ワーテルローでナポレオンが敗やぶれると戦利せんり品ひんとして捕とらえられ、イギリスに連つれて行いかれた。27歳さいのときにイーリー近郊きんこうのニュー・バーンズで種たね牡馬ぼばとなったのち、馬うまとしては高齢こうれいの38歳さいで死しんだ。現在げんざい、骨格こっかくがイギリスの国立こくりつ陸軍りくぐん博物館はくぶつかんに収蔵しゅうぞうされている。