モノクローム・セット

モノクローム・セット The Monochrome set
ドイツ「Club W71」でのモノクローム・セット（2016年ねん）
基本きほん情報じょうほう
出身しゅっしん地ち	イングランド ロンドン
ジャンル	ポストパンク、ニュー・ウェイヴ、ネオ・アコースティック、ギターポップ
活動かつどう期間きかん	1978年ねん - 1985年ねん 1990年ねん - 1998年ねん 2008年ねん -
レーベル	ラフ・トレード、ディン・ディスク、チェリー・レッド、ブランコ・イ・ネグロ、ワーナー・ブラザース
共同きょうどう作業さぎょう者しゃ	アダム&ジ・アンツ ウッド・ビィ・グッズ インヴィジブル スカーレッツ・ウェル マイク・オールウェイ（A&R など）
公式こうしきサイト	www.themonochromeset.co.uk
メンバー	ビド スティーヴン・ギルクライスト アセン・アイレン アンディ・ウォーレン
旧きゅうメンバー	レスター・スクエア チャーリー・エックス サイモン・クロフト J.D.ヘイニー ジェレミー・ハリントン フィリップ・モーリス レキシントン・クレイン オーソン・プレゼンス キャリー・ブース ニコラス・ウェロソウスキー ジェイムス・フォスター トニー・ポッツ ジェニファー・デニット スティーヴ・ブルメル ジョン・ポール・モラン マイク・アーバン

モノクローム・セット（The Monochrome set）は、イギリスのロック、ニュー・ウェイヴ・バンド。1979年ねんに、ロンドンのインディーズ・レーベル、ラフ・トレードからデビューした。

概要がいよう

旧きゅう世代せだいを否定ひていする空気くうきであった1970年代ねんだい後半こうはんのパンク・ロック・ムーブメントの時代じだいにも、英国えいこくポップスの伝統でんとうを受うけ継つぎ、ねじれたセンスで軽妙けいみょう洒脱しゃだつな楽曲がっきょく群ぐんを生うんだ。後のちにネオ・アコースティックやギターポップの元祖がんその一ひとつとして位置付いちづけられるようになるが、サイケ、映画えいがサントラ、エスニック（リーダーのビドはインドとアメリカのハーフ）など、様々さまざまなジャンルを吸収きゅうしゅうした一筋縄ひとすじなわではいかないロック・サウンドを展開てんかいしている。

アンディ・ウォーホルは彼等かれらのスタイルについて「ザ・ベンチャーズとヴェルヴェット・アンダーグラウンドを足たして2で割わった様よう」だと評ひょうした。また、「Monochrome set」とは白黒しろくろテレビを意味いみする。

歴史れきし

結成けっせいは1978年ねんであり、紆余曲折うよきょくせつを経へて1979年ねんに以下いかのメンバーに至いたった。B-サイズ（後ごのアダム&ジ・アンツ）に在籍ざいせきしていたビド（Bid、ボーカル）、レスター・スクエア（Lester Square、ギター）、アンディ・ウォーレン（Andy Warren、ベース）の3人にんと、元もとアート・アタックスのJ.D.ヘイニー（J.D. Haney、ドラム）が初期しょき（最盛さいせい期き）の主おもなメンバーであり、さらに実験じっけん映像えいぞう作家さっかだったトニー・ポッツ（Tony Potts）がライブでのライティングやステージ演出えんしゅつの担当たんとうとして加くわわった。

1979年ねんに、3枚まいのシングルを立たて続つづけにリリース。1980年ねんには、ヴァージン・レコード系けいのディン・ディスクから、ボブ・サージェントによるプロデュースでファースト・アルバム『ストレンジ・ブティック』を発表はっぴょうし、全ぜん英えいアルバムチャートの62位いを記録きろくした。さらに、続つづくセカンド・アルバム『ラヴ・ゾンビーズ』は、アルヴィン・クラークとバンドにより同年どうねん後半こうはんにプロデュースされた。ヘイニーが1981年ねんにバンドを脱退だったいし、レキシントン・クレインに交代こうたいした。

1982年ねん、バンドはチェリー・レッド・レコードにレーベルを替かえて、ティム・ハートによるプロデュースでサード・アルバム『エリジブル・バチュラーズ (独身どくしん貴族きぞく)』をリリースした。スクエアとクレインが直後ちょくごに脱退だったいし、キーボードのキャリー・ブースとドラマーのニコラス・ヴェロソウスキーに交代こうたいした。このラインナップは、ブースが新しんリード・ギタリストのジェイムス・フォスター（後のちにデヴィッド・デヴァント・アンド・ヒズ・スピリット・ワイフ）に立たて続つづけに代かわる前まえ、チェリー・レッドのために1982年ねんのシングル「Cast a Long Shadow」を録音ろくおんした。

1983年ねん、チェリー・レッドは、初期しょきのラフ・トレードでのシングルや、BBCやキャピタルでのラジオ・セッション、未み発表はっぴょうの初期しょきセッションを含ふくむ回顧かいこ録ろく『ヴォリューム、コントラスト、ブリリアンス』をリリースした。

1985年ねん、「Cast a Long Shadow」録音ろくおん時じと同おなじメンバーで、ワーナー・ブラザース傘下さんかのブランコ・イ・ネグロのためにアルバム『ザ・ロスト・ウィークエンド』を録音ろくおんした。しかし、このアルバムは商業しょうぎょう的てきに失敗しっぱいし、数すう枚まいのシングルを経へて、レーベルの閉鎖へいさとともに、バンドは公式こうしきに解散かいさん。結果けっか的てきに、彼かれらの所属しょぞくレーベルは、ラフ・トレード、ディン・ディスク、プレ、チェリー・レッド、ブランコ・イ・ネグロを転々てんてんとした形かたちとなった。

解散かいさん後ご、ビドはソロ活動かつどうを行おこないザ・ラジ・カルテット (The Raj Quartet)名義めいぎでシングルをリリースした。レスター・スクエアはジーザス・クドゥント・ドラム (Jesus Couldn't Drum)のアルバム『Good Morning Mr. Square』に参加さんかしたり、インヴィジブル(The Invisible) を結成けっせいした。メンバーだった数すう名めいはウッド・ビィ・グッズ(Would-Be-Goods) のデビュー・アルバムでバックを務つとめた。

1990年ねんには再さい結成けっせいし、初はつ来日らいにち（1990年ねん7月がつ）も果はたした。その後ご、再さい来日らいにちもしている（川崎かわさきチッタでは丁度ちょうど、節分せつぶんの時期じきであったことから、麦むぎわら帽子ぼうしをかぶったスクエアがステージで豆まめまきをおこなった）。1998年ねんまで活動かつどうし、二に度目どめの解散かいさん。2008年ねんに再々さいさい結成けっせいし、三さん度目どめの活動かつどうを続つづけている。

ディスコグラフィ

スタジオ・アルバム

• 『ストレンジ・ブティック』 - Strange Boutique (1980年ねん、Dindisc)
• 『ラヴ・ゾンビーズ』 - Love Zombies (1980年ねん、Dindisc)
• 『エリジブル・バチュラーズ (独身どくしん貴族きぞく)』 - Eligible Bachelors (1982年ねん、Cherry Red) ※旧きゅう邦題ほうだい『カラフル・モノトーン』
• 『ザ・ロスト・ウィークエンド』 - The Lost Weekend (1985年ねん、Blanco y Negro)
• 『ダンテズ・カジノ』 - Dante's Casino (1990年ねん、Vinyl Japan)
• 『ジャック』 - Jack (1991年ねん、Honeymoon)
• 『シャレード』 - Charade (1993年ねん、Cherry Red)
• 『ミザーレ』 - Misère (1994年ねん、Cherry Red)
• 『トリニティ・ロード』 - Trinity Road (1995年ねん、Cherry Red)
• 『プラチナム・コイルズ』 - Platinum Coils (2012年ねん、Disquo Bleu)
• 『スーパー・プラスティック・シティ』 - Super Plastic City (2013年ねん、Tapete)
• 『スペーシズ・エヴリホエア』 - Spaces Everywhere (2015年ねん、Tapete)
• 『コスモノート』 - Cosmonaut (2016年ねん、Tapete)
• 『メイジーワールド』 - Maisieworld (2018年ねん、Tapete)
• 『ファビュラ・メンダークス』 - Fabula Mendax (2019年ねん、Tapete)
• 『オールハロータイド』 - Allhallowtide (2022年ねん、Tapete)

ライブ・アルバム

• Fin (1986年ねん、Él)
• 『ライヴ』 - Live (1993年ねん、Code 90)
• 『ライヴ・イン・ミネアポリス 1979』 - M-80 (2013年ねん、Wienerworld Presentation)

コンピレーション・アルバム

• 『ヴォリューム、コントラスト、ブリリアンス』 - Volume, Contrast, Brilliance... (Sessions & Singles Vol. 1) (1983年ねん、Cherry Red)
• Colour Transmission (1988年ねん、Virgin) ※『ストレンジ・ブティック』『ラヴ・ゾンビーズ』の2in1
• 『ウェストミンスター・アフェアー』 - Westminster Affair – Bande Originale du Film (1988年ねん、Él)
• 『ホワット・ア・ホッパー』 - What a Whopper! (1992年ねん、Richmond)
• 『ブラック・アンド・ホワイト・ミンストレルズ』 - Black & White Minstrels 1975–1979 (1995年ねん、Recall)
• Compendium 75–95 – A History 1979–95 (1996年ねん、Cherry Red)
• Chaps (1997年ねん、Polydor)
• 『インディーズ・シングル・コレクション』 - The Independent Singles Collection (2008年ねん、Cherry Red)
• He's Frank... We're the Monochrome Set (2009年ねん、Cherry Red)
• Early Recordings: 1975–1977 "White Noise" (2010年ねん、Captured Tracks)
• Access All Areas (2015年ねん、Edsel)
• 『ヴォリューム、コントラスト、ブリリアンス…VOL.2 / アンリリースト・アンド・レア』 - Volume, Contrast, Brilliance (Unreleased & Rare, Vol. 2) (2016年ねん、Tapete)
• 『1979-1985:コンプリート・レコーディングス』 - 1979–1985: Complete Recordings (2018年ねん、Tapete) ※6CD、6LP
• 『リトル・ノイジズ 1990-1995』 - Little Noises 1990–1995 (2020年ねん、Cherry Red) ※5CD

シングル

• "He's Frank" (1978年ねん)
• "Eine Symphonie des Grauens" (1979年ねん)
• "The Monochrome Set" (1979年ねん)
• "He's Frank" (Slight Return) (1979年ねん)
• "The Strange Boutique" (1980年ねん)
• "405 Lines" (1980年ねん)
• "Apocalypso" (1980年ねん)
• "Ten Don'ts for Honeymooners" (1981年ねん)
• "The Mating Game" (1982年ねん)
• "Cast a Long Shadow" (1982年ねん)
• "The Jet Set Junta" (1983年ねん)
• "Jacob's Ladder" (1984年ねん)
• "Wallflower" (1985年ねん)
• "Killing Dave" (1991年ねん)
• "Forever Young" (1993年ねん)
• "I Love Lambeth" (1995年ねん)
• "Waiting for Alberto" (2012年ねん) ※日本にっぽん限定げんてい盤ばん
• "Iceman" (2015年ねん)
• "Mrs Robot" (2019年ねん)

参考さんこう文献ぶんけん

• 大谷おおや英之ひでゆき編へん『80'sギター・ポップ・ディスク・ガイド』シンコーミュージック・エンタテイメント〈シンコー・ミュージック・ムック CROSSBEAT Presents〉、2013年ねん12月1日にち、84‐89頁ぺーじ。ISBN 978-4-401-63917-5
• 大鷹おおたか俊一しゅんいち監修かんしゅう『ミュージック・マガジン4月がつ増刊ぞうかん号ごう ブリット・ポップへの道みち』ミュージック・マガジン〈CD BEST 100〉、1997年ねん4月がつ25日にち、138頁ぺーじ。T 1108480041205

外部がいぶリンク

• 公式こうしきウェブサイト
• モノクローム・セット - Discogs