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ランチュウ

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ランチュウ

ランチュウ蘭鋳らんちゅうらんちゅうたまごちゅう)は、キンギョいち品種ひんしゅびれがなくずんぐりとしたさかなたい頭部とうぶにくこぶ隆起りゅうきなどが特色とくしょくである。

形態けいたい

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形態けいたいてき特徴とくちょうとしてまずびれがない。ひれおおきくひろがらない。びれは金魚きんぎょ典型てんけいである3つあるいは4つ、サクラ標準ひょうじゅんとする。まれたときはくろいが途中とちゅうあかくなり、成体せいたいあかか、更紗さらさばれる紅白こうはく模様もようものおお<参考さんこう>からだ次第しだいあつみをち、とく頭部とうぶにはにくこぶ発達はったつさせる。このにくこぶライオン頭部とうぶ彷彿ほうふつとさせるためか、「ライオンヘッドゴールドフィッシュ(Lionhead goldfish)」の英名えいめいけられている。

歴史れきし

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「らんちゅう」にかんする記録きろく江戸えど時代じだいの『金魚きんぎょやしなえ玩草』に「たまごちゅう」とあるものがふるいものである。 ワキン和金わきん)から品種ひんしゅ改良かいりょうされ、びれのない「マルコ」を現代げんだいるような姿すがたになったのは明治めいじ時代じだい以降いこう品種ひんしゅ改良かいりょうからである。

明治めいじ以降いこう系列けいれつ

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明治めいじ以降いこう品評ひんぴょうかい文化ぶんか発展はってんするとともに審美しんびちがいからいくつかの系列けいれつあらわれた。

  • 大阪おおさからんちゅう

江戸えどにランチュウとして文献ぶんけん浮世絵うきよえ登場とうじょうする個体こたいぐんである。びれがないまる背中せなかひらいたびれをゆうする。にくこぶ発達はったつせず、花房はなぶさばれるまるつぶのようなこぶ左右さゆうまえ形成けいせいされる程度ていどである。ランチュウのからだしょく体型たいけいについて類型るいけいおこなわれたのもこの個体こたいぐんにおいてである。しかし明治めいじ登場とうじょうした協会きょうかいけい宇野うのけいされ飼育しいくすう減少げんしょうだい世界せかい大戦たいせん戦災せんさいによって絶滅ぜつめつした。戦後せんごにくこぶすくないランチュウとナンキン、トサキン、ハナフサなどを使用しようして復元ふくげんされた。

  • 協会きょうかいけい

明治めいじ東京とうきょう初代しょだい石川いしかわ亀吉かめきち作出さくしゅつした個体こたいぐん現在げんざいのランチュウの基礎きそひとつである。以降いこう現在げんざい品評ひんぴょうかいにつながる観賞かんしょうかいおこなわれ、愛好あいこうかい結成けっせいされるようになった。全日本ぜんにほんらんちゅう連盟れんめい(1941ねん設立せつりつ)によって石川いしかわは「らんちゅうの宗家そうけ」の称号しょうごうおくられた。この石川いしかわ亀吉かめきちのランチュウにつらなる系列けいれつ日本にっぽんらんちゅう協会きょうかい(1951ねん設立せつりつ)が基準きじゅんとしたために「協会きょうかいけい」あるいは「宗家そうけけい」とぶ。

この系列けいれつは、力強ちからづよ体型たいけい形態けいたい均整きんせいおよかたうつくしさを重視じゅうしする。

  • 宇野うのけい

おなじころ京都きょうとでは陶芸とうげい宇野うのひとしまつ(1864ねん-1937ねん)が趣味しゅみでランチュウを飼育しいくし「協会きょうかいけい」のランチュウなどをもとかれ審美しんび選抜せんばつされ、審美しんび基準きじゅん確立かくりつされた。これの系列けいれつを「宇野うのけい」という。

この系列けいれつにくこぶ発達はったつ色彩しきさいうつくしさをおもんじ体型たいけいおおきいものはこのまれない。

協会きょうかいけい」と「宇野うのけい」は審美しんび基準きじゅんことなるためにまったくちがうものとしてあつかわれ品評ひんぴょうかいでも同時どうじならぶことはない。大阪おおさからんちゅうはランチュウの観賞かんしょう文化ぶんか基礎きそつくったが、現在げんざいのものは終戦しゅうせん復元ふくげんされたものでありべつ品種ひんしゅなされる。またこれらの系列けいれつ以外いがいにも、現在げんざいでも全国ぜんこく生産せいさんしゃ独自どくじ審美しんびで「あたらしいうつくしさ」を提案ていあんした個体こたいぐん作出さくしゅつしている。

飼育しいく

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一般いっぱんてきかた金魚きんぎょじゅんずる。1にちきしたみず用意よういして水槽すいそうなかれる。そして装置そうちをいれて、ポンプをれる。あらったいし砂利じゃりしたく。えさくちしたにあるため浮揚ふようせいのものではなく、沈降ちんこうせいのものをあたえる。冷凍れいとう 乾燥かんそうイトミミズあかちゅうミジンコでもよい。

ランチュウ独自どくじ飼育しいくほう

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ランチュウには個体こたい形体けいたい色彩しきさいおよかた審査しんさする「品評ひんぴょうかい」という文化ぶんかがあるため、愛好あいこう品評ひんぴょうかい成績せいせき個体こたい育成いくせいするために「おやぎょ選定せんてい」「繁殖はんしょく」「き」とばれる稚魚ちぎょ育成いくせいから選抜せんばつまで1ねんかけておこなう。そのために「ふね」とばれるいちつぼ程度ていどそこあさ水槽すいそう使用しようする。

ランチュウは、ガラス水槽すいそう登場とうじょうする以前いぜん江戸えど時代じだいからの金魚きんぎょ観賞かんしょうする方法ほうほう上見うわみ」(いけたらいおよ姿すがたうえから観賞かんしょうする)でたのしむために改良かいりょうくわえられたもので「ランチュウ専用せんよう」のあさ水槽すいそう販売はんばいされている。

品評ひんぴょうかい

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金魚きんぎょには「品評ひんぴょうかい」という文化ぶんかがあるが、ランチュウはとくにその文化ぶんか発展はってんしている。品評ひんぴょうかいでは審査しんさ対象たいしょう個体こたいしろ洗面せんめんおよがせ「上見うわみ」で「形体けいたい」「色彩しきさい」「およかた」などを総合そうごうてき審査しんさする。そして、相撲すもう番付ばんづけのように上位じょうい5までを「東大とうだいせき」「西にし大関おおぜき」「たて行司ぎょうじ」「ひがし取締とりしまり」「西にし取締とりしまり」とび、6以下いかを「だいいちせき」「だいせき」「だいさんせき」…と順位じゅんいをつける。

このような品評ひんぴょうかい全国ぜんこく各地かくちにある愛好あいこうかい開催かいさいされており、愛好あいこうかい会員かいいん品評ひんぴょうかい上位じょういえらばれる優良ゆうりょう個体こたい育成いくせいするのにしのぎをけずっている。

外部がいぶリンク

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