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リュトン

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
アケメネスあさペルシアかねのリュトン
かくはいがた融合ゆうごうした時代じだいのアイベックスのリュトン(アケメネスあさペルシア)

リュトン(まれ: ῥυτόνえい: rhyton[1])は、古代こだいペルシアからギリシアふくバルカン半島ばるかんはんとう一帯いったいにかけてでもちいられていた、かくはい(かくはい)にうつわ一種いっしゅかくじょうまたは鹿しか山猫やまねこひつじ山羊やぎなどの動物どうぶつ頭部とうぶしたかたちはいで、上部じょうぶおおきな注入ちゅうにゅうあな底部ていぶまたは突端とったんちいさな流出りゅうしゅつあながある。素材そざいとしておももちいられたのはししかく金属きんぞくいし陶器とうきなどである。

概説がいせつ

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リュトンというのは、かくはいとはちがい、底部ていぶ前方ぜんぽうにある動物どうぶつなどのくちところちいさなあなひらいていて、そこをおさけなどがとおこと意味いみがあるものである。かくはい場合ばあいには、コップのようにして上側うわがわからむタイプのべつものであり、リュトンとは区別くべつされるが、「かくはいがたリュトン」というもの存在そんざいする。

リュトンはおも古代こだいペルシア古代こだいギリシャなどで、儀式ぎしきにおいて注入ちゅうにゅうあなからそそれたさけなどの液体えきたい容器ようきそそけるのにもちいられた。リュトンというかたり古代こだいギリシャの「ながれる」という意味いみ動詞どうし(ῥυτόν)に由来ゆらいする。

古代こだい人々ひとびとは、リュトンをとおったさけ、ワインなどは神聖しんせいちから宿やどるとしんじられていた。リュトンのモチーフとされる動物どうぶつは、現在げんざいとは若干じゃっかんことなる各地かくち星座せいざてくるものであったり、古代こだい都市とし守護神しゅごじん動物どうぶつなどで、おそらく、自分じぶんまれがつや、都市とし守護神しゅごじん動物どうぶつなどであった。このため各国かっこく地域ちいきにおいてや、時代じだいによっての、リュトンの儀式ぎしきせい意味合いみあいは、かなりことなる。ふるくは、動物どうぶつそのものをかたどった「水差みずさし」のようなものであったが、「かくはい」でさけ風習ふうしゅうなどと融合ゆうごうしていき、独特どくとく造形ぞうけいるようになる。古代こだい都市としで、顧客こきゃくさけい、交易こうえき相手あいてなどをもてなすうちに、多彩たさい文化ぶんかはいじっていき、造形ぞうけいも、多種たしゅ多様たよう変化へんかしていく。時代じだいくだってくると、都市としなどで、顧客こきゃくをもてなすために、趣向しゅこうらした造形ぞうけいになっていくが、だんだん酒飲さけのみの享楽きょうらく目的もくてきのおかざりにわっていく。

リュトンの各国かっこくでの儀式ぎしきせい

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フェニキアの場合ばあい儀式ぎしきせい

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(儀式ぎしきせいつよいリュトンの前身ぜんしん時代じだい彫像ちょうぞう)(Lady of Galera)スペインで発見はっけんされたフェニキアで製造せいぞうされたとかんがえられている儀式ぎしきせいたかかった時代じだいのリュトンの前身ぜんしんおもわれる彫像ちょうぞう彫像ちょうぞうは、豊穣ほうじょう女神めがみアスタルテの姿すがたをしており、2とうのスフィンクスをりょうわきしたがえる。この彫像ちょうぞうとおした液体えきたいには神聖しんせいちから宿やどるとかんがえられていた。

"Lady of Galera"というスペインで発見はっけんされたフェニキア製造せいぞうされたとかんがえられている儀式ぎしきせいたかかった時代じだいのリュトンの前身ぜんしんおもわれる彫像ちょうぞうがある。

古代こだい時代じだいに、フェニキアは交易こうえき都市としとしてさかえており、各国かっこくでフェニキア由来ゆらい品々しなじなつかる。古代こだい都市としフェニキアでは、豊穣ほうじょう女神めがみアスタルテまつられており、この儀式ぎしきときもちいられたとおもわれる彫像ちょうぞうで、彫像ちょうぞうは、豊穣ほうじょう女神めがみアスタルテの姿すがたをしており、2とうのスフィンクスをりょうわきしたがえる。この彫像ちょうぞうとおした液体えきたいには神聖しんせいちから宿やどるとかんがえられていた。

古代こだいギリシャのアリストパネースののこした言葉ことばに、「ワインは、アフロディーテのミルクである。」とあるのは、おそらく、当時とうじ交易こうえきのあったフェニキアでの豊穣ほうじょう女神めがみアスタルテは、のちにアフロディーテと同一どういつされるようになるので、こういった儀式ぎしき道具どうぐ当時とうじ行事ぎょうじごとからの発想はっそうによるものとおもわれる。

儀式ぎしきせいたかいリュトンのうち、フェニキア以外いがいくにのほとんどのものは、かく地域ちいきにおけるきよしじゅうなどの守護神しゅごじん動物どうぶつかたちしていることがほとんどだが、フェニキアのように女神めがみぞうがたものめずらしい。

また、おなこくでも、儀式ぎしきごとによって、使つかわれるリュトンの種類しゅるいや、その儀式ぎしき意味合いみあいはことなっていたとおもわれる。

リュトンを古代こだいローマの守護神しゅごじんラール(Lar)の彫像ちょうぞう

古代こだいローマ

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古代こだいローマでは、守護神しゅごじんラールがリュトンを高々たかだかかかげて、おさけ給仕きゅうじする様子ようす彫像ちょうぞうがある。 詳細しょうさい儀式ぎしきせい意味合いみあいは不明ふめいであるが、古代こだいギリシャや、古代こだいローマの都市としにおいては、バッカスしんのおさけやワインを神聖しんせいさをたかめる必要ひつようせいたか場合ばあいもちいていたようである。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ rhytonの意味いみ - 英和えいわ辞典じてん Weblio辞書じしょ

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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