丸井まるいヤング館かん

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丸井まるいヤング館かん（まるい ヤングかん）は、秋本あきもと治おさむ原作げんさくの漫画まんがおよびアニメ版ばん『こちら葛飾かつしか区く亀有かめあり公園前こうえんまえ派出所はしゅつじょ』に登場とうじょうする架空かくうの警察官けいさつかん。元々もともとの名前なまえは寺井てらい 洋一よういち（てらい よういち）。

人物じんぶつ

亀有かめあり公園こうえん前ぜん派出所はしゅつじょ勤務きんむで、階級かいきゅうは巡査じゅんさ。北海道ほっかいどう根室ねむろ市し納沙布のさっぷ出身しゅっしん。かつては茨城いばらき県けん東茨城ひがしいばらき郡ぐん内うちの過疎かそ地ちに家いえを持もち電車でんしゃで通勤つうきんしていたが、最寄もより駅えきまでは自転車じてんしゃで1時じ間あいだもかかり、合計ごうけい通勤つうきん時間じかんは3時じ間あいだ半はんと非常ひじょうに長ながかった。

血液けつえき型がたはA型がた。誕生たんじょう日びは5月5日にち（3月2日にちとの表記ひょうきも）。身長しんちょう162cm、体重たいじゅう65kg（一時期いちじき、81kgから22kgへと変化へんかしたことも）。家紋かもんは「三さん階かい笠かさ」。一人称いちにんしょうは原作げんさく初期しょきは「おれ」だったが、後のちに「僕ぼく」になっている（アニメ版ばんでは最初さいしょから「僕ぼく」）。愛車あいしゃはスバル・R-2。丸まる眼鏡めがねをかけている。

際立きわだった長所ちょうしょはないが、特別とくべつ目立めだつ癖くせもない最もっとも平凡へいぼんな警察官けいさつかん。本人ほんにんも自分じぶんでサラリーマン型かたの警官けいかんということを自覚じかくしており、作中さくちゅうではローンや子供こどものことなど家族かぞくを養やしなうことで苦労くろうする場面ばめんが度々たびたびある。

警察官けいさつかんに似につかわしくない気弱きよわな風貌ふうぼうで、警官けいかんになってから13年ねん間あいだ無む検挙けんきょという記録きろくを持もっていた。髪型かみがたは天然てんねんパーマ。太ふとり気味ぎみの体形たいけいでコレステロール値ちが高たかく成人病せいじんびょう予備よび軍ぐんで、大原おおはらや両津りょうつにその事ことを脅おびやかされたことがある。

その生いき様ざまを両津りょうつに「人生じんせい送おくりバント」と称しょうされたこともある。普段ふだんは大人おとなしく気弱きよわだが、家いえを手てに入いれた際さいには両津りょうつらを見下みくだす態度たいどを取とることもあった。また、両津りょうつの同級生どうきゅうせい・村瀬むらせ賢治けんじの会社かいしゃに向むかった際さい、村瀬むらせの「世よの中なか金きんだ」という言葉ことばを「両りょうさんと同おなじだ」と解釈かいしゃくし、中川なかがわ圭一けいいちから即座そくざに反論はんろんされるシーンもあった。

これまでに3隻せきのクルーザーを購入こうにゅうしているが、船ふね名めいは1隻せき目めが「人生じんせい送おくりバント」、2隻せき目めが「人生じんせい犠牲ぎせいフライ」、3隻せき目めが「人生じんせい9回かい裏うら逆転ぎゃくてん負まけ」と、全すべて両津りょうつに命名めいめいされている。

新聞しんぶんは毎朝まいあさ新聞しんぶんを取とっている。

前述ぜんじゅつの通とおり、本来ほんらいの名前なまえは寺井てらい洋一よういちであるが、170-2「『改名かいめいくん』の巻まき」で両津りょうつに無理むりやり改名かいめいさせられ、丸井まるい ヤング館かん（まるい ヤングかん）という名前なまえになった。その結果けっか運気うんきが上昇じょうしょうし、宝たからくじで3,000万まん円えんが当あたり、家いえの土地とちが大だい企業きぎょうに高額こうがくで買収ばいしゅうされ港みなと区くの一戸建いっこだてを買かった。2009年ねんには同おなじく改名かいめいさせられた凄すご苦にが残念ざんねんと共ともに『週刊しゅうかん少年しょうねんジャンプ』の表紙ひょうしを飾かざっていた。コミックス第だい168巻かんの巻頭かんとうでは、改名かいめいを機きに運勢うんせいが良よくなったことを理由りゆうに今後こんごは“丸井まるいヤング館かん”の名前なまえで通とおすことが正式せいしきに語かたられている。しかし、改名かいめい後ごに出番でばんが増ふえた残念ざんねんとは対照たいしょう的てきに、丸井まるいに改名かいめい以降いこうは出番でばんが激減げきげんし、連載れんさい末期まっきには滅多めったに登場とうじょうしないキャラクターとなった。最終さいしゅう回かいでは会場かいじょうに張はられたイラストとして表紙ひょうしに登場とうじょうしたのみであり、不定期ふていきとなった以後いごの話はなしにも長ながらく登場とうじょうしなかったが、2021年ねん10月22日にちに発売はつばいされた『平成へいせいこち亀かめ』の新作しんさく読よみ切きりの最後さいごのコマで登場とうじょう。両津りょうつの借金しゃっきんの額がくを聞きいて驚おどろいていた。

かけている眼鏡めがねは初期しょきは透すき通とおっておらず、ほとんどの場合ばあいは瞳ひとみが見みえないデザインだったが、70巻かん頃ごろより透すき通とおって瞳ひとみが見みえるデザインに変更へんこうされている。

生年せいねんは4-1（原はら行こう版ばんでは4-3）（1977年ねん）で勤続きんぞく13年ねんとあるため、当初とうしょは1941年ねんあるいは1945年ねん設定せっていだったと見みられる（高卒こうそつか大卒だいそつかは不明ふめい）。後のちに他たキャラクター同様どうようスライドし、免許めんきょ証しょうに1960年ねんとの表記ひょうきがある（96-5）。なお、作中さくちゅうでは両津りょうつを「両りょうさん」、戸塚とつかは呼よび捨すてでいずれもタメ口こうで会話かいわしており、2人ふたりと同年輩どうねんぱいのように描えがかれている。アニメ版ばんでは初期しょきの頃ころは両津りょうつに対たいして、時折ときおり敬語けいごで接せっすることもあった。

生活せいかつぶりは非常ひじょうに質素しっそで、秋本あきもと・カトリーヌ・麗子れいこから高級こうきゅうマンションを格安かくやすで提供ていきょうされた時ときは「広ひろすぎて使つかい切きれない」と家族かぞく4人にんで1つの部屋へやで暮くらしたり（その後ごローンよりも維持いじ費ひの方ほうが高たかいことが理由りゆうで退去たいきょ）、決きめられた予算よさん内ないで1か月げつ間あいだ生活せいかつする大会たいかいでは他たのグループが限界げんかいまで節約せつやくしても無理むりだったのに対たいし、丸井まるい一家かずやは普通ふつうに生活せいかつしていただけでクリアし優勝ゆうしょうした。

本田ほんだと同おなじくドジな面めんがあり、結果けっか的てきに両津りょうつに何なん度ども被害ひがいを与あたえたりして周囲しゅういにたびたび迷惑めいわくをかけるほか、両津りょうつから制裁せいさいを受うけることも多おおい。さらに両津りょうつからもひどい目めに遭あったこともあったが、第だい191話わ「寺井てらい 執念しゅうねんの追跡ついせき!!」では真相しんそうを知しりながら隠かくしていた両津りょうつに普段ふだんとはかけ離はなれた怒気どきを露あらわにして詰つめ寄よった。しかし何なんだかんだでお互たがいに信頼しんらいし合あっており、69巻かん7話わ「両りょうさんメモリアル」においても両津りょうつが旅立たびだつときに困惑こんわくし、その直後ちょくごのエピソードである「新あらたなる旅立たびだちの巻まき」ですぐ帰かえってきた上うえに開ひらき直なおった両津りょうつを見みて唖然あぜんとしていた。アニメ版ばん最終さいしゅう回かい（第だい344話わ）でも、大原おおはらから勤務きんむ態度たいどに関かんして大目玉おおめだまを食くらった翌日よくじつ以降いこうから両津りょうつが勤務きんむ態度たいどを含ふくめた素行そこうを改あらため、周囲しゅういに品行ひんこう方正ほうせいに振ふる舞まう姿すがたを見みて「僕ぼくがたい焼やきを買かわなかったからかな？」と気きにしていた。そして、両津りょうつの転勤てんきんの話はなしを聞きいて「今いままで悪わるさをされたけどもう両りょうさんにからかわれることは無ないんだと思おもうと、寂さびしくなったんです」と語かたり、数日すうじつ後ごに開ひらかれた両津りょうつの送別そうべつ会かいでも号泣ごうきゅうしていたが、転勤てんきんの件けんが嘘うそだったことを知しると両津りょうつに対たいし憤慨ふんがいした。

登場とうじょう履歴りれき

1-1時じ点てんでは「（寺井てらいは）パトカーにはねられて入院にゅういん中ちゅう」という両津りょうつの独ひとり言ごとでのみ登場とうじょう（また、セリフなどが訂正ていせいされる以前いぜんでは、背景はいけいの張はり紙がみにある指名しめい手配てはい犯はんの名前なまえも「寺井てらい洋一よういち」となっていた）。連載れんさい1話わ（1-2）より本人ほんにんが登場とうじょうするようになった。この回かいのみ昼間ひるまから勤務きんむ中ちゅうに飲酒いんしゅして控ひかえ室しつで爆ばく睡ねむするという不ふ真面目まじめなキャラクターだったが、すぐに真面目まじめな性格せいかくに変更へんこうされた。ただし、連載れんさい初期しょきは彼かれも両津りょうつや中川なかがわ、戸塚とつかに混まじって仕事しごとをサボる描写びょうしゃが多おおく見みられた。

大原おおはらと同おなじく、流行りゅうこう商品しょうひんに疎うとかったりビデオ予よ約やく操作そうさが出来できないなど機械きかい音痴おんちであったが、年代ねんだいが進すすむにつれてあまり見みられなくなった。

原作げんさく初期しょきは登場とうじょう回数かいすうが多おおかったが、おたふく風邪かぜのため病欠びょうけつした際さいの補欠ほけつとして配属はいぞくされた麗子れいこの登場とうじょう以降いこう、出番でばんが減へった。それにより「地味じみなキャラ」という印象いんしょうが定着ていちゃくしたが、逆ぎゃくにそれがきっかけで一時いちじ的てきに出番でばんが増ふえた時期じきもあった。

家族かぞく

自分じぶんに似にた妻つまと息子むすこが2人にんいる。長男ちょうなんは小太こぶとりで眼鏡めがねと寺井てらいにそっくり容姿ようしであり、性格せいかくも寺井てらい似にで大人おとなしい。次男じなんは痩やせ型がたでかなりの腕白わんぱくであり妻つまに似にている。息子むすこ2人にんは大原おおはらの孫まごの大だい介かいが生うまれる前まえから登場とうじょうしており、その頃ころから小学生しょうがくせいであるが、現在げんざいの設定せっていでは大だい介かいよりも下したの学年がくねんになっているようである。アニメ版ばんでは原作げんさくとは家族かぞくの容姿ようしが異ことなっている。

マイホームネタ

マイホームを購入こうにゅうするたびに悲惨ひさんな目めに遭あうことが多おおい。しょっちゅうインチキな物件ぶっけんに引ひっ掛かかりそうになったり、県境けんきょうを跨またいだ物件ぶっけんを買かわされて両方りょうほうの県けんから県民けんみん税ぜいを要求ようきゅうされたりなどしている。

96-5では茨城いばらき県けん在住ざいじゅうだったが、127-9にてクイズ番組ばんぐみ「ハウスカッターショー」で手てに入いれた東京とうきょう都内とないの超ちょう高級こうきゅうマンションに引ひっ越こす。しかし、違法いほう建築けんちくの欠陥けっかん住宅じゅうたくだったため、それ以降いこうは木造もくぞう4階かい建だての細長ほそながい家いえに住すんでいた。その後ご162-9にてクイズ番組ばんぐみ「漢字かんじプレッシャークイズ」に挑戦ちょうせんし、1度どは1億おく円えんを獲得かくとくするものの、両津りょうつら周まわりの人間にんげんの強引ごういんな押おしにより3倍ばいチャンスタイムに挑戦ちょうせんして失敗しっぱいしたため、プレス機きに家いえを押おし潰つぶされてしまった。

その他た、子供こどもたちの思おもい出でづくり（および自身じしんの見栄みえ）のため、アウトドアに憧あこがれてクルーザーを40年ねんローンで購入こうにゅうしたり、キャンプに行いったりしている。しかし、クルーザーは両津りょうつのせいで2回かい沈没ちんぼつ。さらにキャンプでは無知むちさや不器用ぶきようさが相あいまり、ことごとく失態しったいを犯おかしている（ボルボ曰いわく「アウトドアにまったく向むいていない」）。

また、アニメ版ばん第だい226話わ「ボーナス争奪そうだつ戦せん6」では、両津りょうつが麻里あさざと愛あいと共ともに偶然ぐうぜん見みつけた給与きゅうよ管理かんりプログラム専用せんようのパソコンから自身じしんやマリアの給与きゅうよを増額ぞうがくし、中川なかがわや麗子れいこなどの給与きゅうよを減額げんがくする一方いっぽう、「寺井てらいは家いえのローンを抱かかえていて毎日まいにち通勤つうきん地獄じごくを味あじわって可哀想かわいそうだから」と同情どうじょうして1,000万まん円えんに増額ぞうがくし、寺井てらいを驚愕きょうがくさせていた。

アニメ版ばん

声優せいゆう：茶ちゃ風ふう林りん（第だい1話わ - 第だい92話わ）→林家はやしやこぶ平へい（現げん：林家はやしや正蔵しょうぞう、第だい98話わ - ）

原作げんさくより登場とうじょう回数かいすうが多おおくレギュラー扱あつかいとなっており、本田ほんだ速そく人じんや麻里あさざと愛あいなど原作げんさくレギュラー陣じんよりも頻繁ひんぱんに登場とうじょうしていた。声優せいゆうが林家はやしやこぶ平へいに交代こうたいして以降いこうは、両津りょうつ、麗子れいこ、中川なかがわ、大原おおはらのメインキャラクター4人にんと同等どうとうの扱あつかいを受うけるようになった。

アニメ版ばんでは一貫いっかんしてレンズが透すき通とおっている眼鏡めがねである。なお、原作げんさくにおける彼かれの改名かいめいはアニメ版ばん終了しゅうりょう後ごのことであり、アニメ版ばんでの名前なまえは一貫いっかんして「寺井てらい洋一よういち」である。アニメのレギュラー放送ほうそう終了しゅうりょう後ごに放送ほうそうされた特別とくべつ放送ほうそう版ばんに関かんしては、原作げんさくの出番でばん減少げんしょうに伴ともなって出番でばんが減へっており、『こちら葛飾かつしか区く亀有かめあり公園前こうえんまえ派出所はしゅつじょ THE FINAL 両津りょうつ勘かん吉きち 最後さいごの日ひ』では日暮ひぐらしを含ふくめた派出所はしゅつじょのメンバーの中なかでは唯一ゆいいつ登場とうじょうしておらず、オープニングのみの登場とうじょうだった。また、アニメ版ばんでは中川なかがわとコンビを組くんでいることが多おおく、嵐あらしが歌うたうエンディング曲きょくのワンシーンでも、中川なかがわとセットで登場とうじょうした。

第だい98話わ以降いこうで演えんずる林家はやしやこぶ平へい関連かんれんのネタがいくつか登場とうじょうしており、七なな色しょくの声こえを持もつ男おとこになった両津りょうつに寺井てらいの声こえを真似まねされた時とき、寺井てらいは「僕ぼくってそんなに林家はやしやこぶ平へいみたいな声こえかな？」とコメント。笑わらい薬やくを飲のんでずっと笑わらいっぱなしになった寺井てらいは、犯人はんにん逮捕たいほに喜よろこんでいる署長しょちょうに対たいして「（警察けいさつから出だされる金一封きんいっぷうが）安やすくてどうもすみません」と初代しょだい林家はやしや三平さんぺい（こぶ平へいの父ちち）のものまねをしたりと、他ほかにもいくつかこぶ平へい関連かんれんのネタを披露ひろうしている。

非ひ喫煙きつえん者しゃであるが、第だい129話わ「感涙かんるい！寺井てらいの初はつ体験たいけん」では自宅じたくでタバコを吸すっているシーンがある。また、第だい301話わ「派出所はしゅつじょちょっと昔むかし」では非ひ喫煙きつえん者しゃであるにもかかわらず、タバコ屋やの洋子ようこに惚ほれていたことで何なん度どもタバコ屋やに通かよいタバコを買かっていたため、派出所はしゅつじょのロッカーにタバコを詰つめすぎてロッカーからあふれ出でていたこともあった。